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真実は何か?深作健太、加藤和樹を絶賛「色気のあるサスペンスになった」

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左から加藤和樹演じるダニエル、白石美帆演じるエリザベート。

左から加藤和樹演じるダニエル、白石美帆演じるエリザベート。

加藤和樹主演「罠」の亀有公演が、本日7月13日に東京・かめありリリオホールにて開幕。これに先がけ、ゲネプロと囲み取材が昨日7月12日に行われた。

2009年に板垣恭一演出、翌10年に深作健太演出で上演された「罠」は、フランスの劇作家ロベール・トマによるサスペンス劇。前回に続き深作が手がける今作には、2009年版に出演した白石美帆や、10年版にも登場した初風緑のほか、渡部秀山口馬木也筒井道隆らがキャストに名を連ねている。

本作の舞台となるのは、結婚間もない夫婦がバカンスで訪れたとある山荘。些細なケンカをきっかけに妻のエリザベートが家を出てしまい、そのまま行方不明になってしまう。やがて神父のマクシマン(渡部)に付き添われ、エリザベート(白石)が戻ってくるものの、夫のダニエル(加藤)は「彼女は妻ではない」「まったくの別人だ」と主張し……。

静けさに包まれた山荘の室内で、登場人物7人によるワンシチュエーションの濃密な会話劇が展開。誰が正しいのか、誰が嘘をついているのか、次第に疑心暗鬼に陥っていくダニエルを、3度目の出演となる加藤が熱演し、“自身をエリザベートと称する女”を白石が怪しく演じる。事件を捜査するカンタン警部(筒井)、証人として登場する絵描きのメルルーシュ(山口)や看護婦のベルトン(初風)と、一体誰が真実を語っているのか。約2時間にわたって繰り広げられる巧みな心理戦に注目だ。

囲み取材には出演者の加藤、白石、筒井、演出の深作が出席した。2010年版で初めて舞台の演出を手がけた深作は、当時の思い出を振り返りつつ、「加藤和樹くんとまたご一緒できてうれしいです」と微笑む。2009年、10年に続き主演を務める加藤は「また恐ろしい罠にはまるのか……と稽古が始まるまで不安でしたが、和気あいあいと稽古できました」と今回の座組の印象を語り、「7年ぶりの上演ということで、より深めていこうという意識と、今回から参加するキャストさんと新しいものを作っていこうという意識を持って取り組んできました」と本作にかける思いを明かした。

初参加の筒井は「場面転換がほとんどなく、部屋の中だけで会話が続いていくので、その難しさをひしひしと感じています」と真剣な表情で語り、約8年ぶりの出演となる白石は「作品の核となる部分の解釈を深作さんが掘り下げてくださったので、観たことがある方も以前とは違った印象を受けるのでは」と観客の期待を煽る。また久々の共演となった白石について、加藤は「エリザベートはクールで怖いイメージがあったんですが、以前に比べて今回はキュートなんですよ。ダニエルは人間不信に陥っていますから、エリザベートがかわいければかわいいほどイラッとする。『かわいいな、チクショー!』って(笑)」と述べ、白石に視線を送った。

前回と大きく変化した点について問われた深作は「加藤くんが色っぽくなったことによって、色気のあるサスペンスになりました。彼の醸し出す雰囲気と一緒に作品も成長したと思う」と加藤を讃え、「俳優1人ひとりがキャラクターを作り込んで、厚みのある人物像を作り上げてくれました。彼らが生み出すドライブ感を感じてもらえれば」と見どころをアピール。一方の加藤は「前に演じたときの記憶が身体の中に残っていて。それが邪魔をする部分もあったので、新たに気持ちを入れ直すのが難しかったですね」と苦労を語る。また作品のテーマにちなんで「今まで罠にかけられた経験は?」という質問が飛ぶと、加藤はエイプリールフールに中村勘九郎からサプライズを仕掛けられたエピソードを披露し、会場の笑いを誘った。

本作は亀有公演ののち、兵庫・東京を巡演。7月15・16日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、8月8日から15日まで東京・サンシャイン劇場にて上演される。

「罠」

2017年7月13日(木)
東京都 かめありリリオホール

2017年7月15日(土)・16日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

2017年8月8日(火)~15日(火)
東京都 サンシャイン劇場

作:ロベール・トマ
訳:平田綾子
演出:深作健太
出演:加藤和樹白石美帆渡部秀初風緑山口馬木也筒井道隆 / 有田賢史

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