FoZZtoneツアー再現企画初回は2008年追体験

FoZZtoneのマンスリーライブ「追加公演！」の第1回が、7月26日に東京・下北沢GARDENで行われた。

「追加公演！」は各オリジナルアルバム発売時のツアーを再現するという主旨の企画。初回は2008年の1stアルバム「カントリークラブ」リリースツアーの“追加公演”として、初期の楽曲が多く披露された。またこの日は録音、録画、撮影が許可されており、客席にはデジタルカメラやスマートフォンを掲げる観客の姿も見受けられた。

ライブは「カントリークラブ」の1曲目と同じく「大脱走のテーマ」でスタート。彼らはやわらかな歌声と繊細なアンサンブルでオープニング曲を丁寧に紡ぎ、そのまま「フラッシュワープ」へとつなげる。渡會将士（Vo, G）は四つ打ちのリズムに乗って飛び跳ねる観客へ向け「ようこそEverybody！」と大きく叫んだ。続くMCで彼は昨年9月の東京・赤坂BLITZワンマンにてミニアルバム「VERTIGO」を全曲披露したときの発言に触れ「カッコつけて『このミニアルバムの曲は赤坂BLITZに置いてこうと思う』みたいなことを言った曲も普通にやります（笑）」とさらりと言い、「polka dots」を歌い出してファンを喜ばせた。

その後も楽曲が始まるたびに拍手や歓声が起こり、オーディエンスはこのスペシャルな企画を存分に楽しんでいる様子を見せる。渡會が「よっしゃいくぜ俺！」と気合いを入れた「BRUTUS (Et tu,Brute!)」では、エフェクトを多用したハイテンションなボーカル、アグレッシブなバンドサウンドでフロアを興奮させた。「平らな世界」では、この曲をシングルとしてリリースした2007年当時の音楽シーンを回想し、あえてシーンの潮流の逆をいったというエピソードを明かす場面もあった。

竹尾典明（G）がこの日のために用意したカクテルについてトークを繰り広げたあとは、「umbrella」「Black Sheep Dog」「the imprinting」と「カントリークラブ」の中でもドラマチックなナンバーが続く。その後4人は9月3日発売のミニアルバム「Stomp the Earth」より新曲「Morning Glory」でゆったりとしたグルーヴを生み出し、最新版のFoZZtoneを見せつけた。そしてラストのブロックでは観客のジャンプで会場が揺れた「Shuni-Hum-Yoro-Kobiwo」、フロア後方までファンが掲げる拳でいっぱいになった「in the sky」、スピード感あふれる「春と鉛」と3曲が連投される。最後には渡會が「どうしても『カントリークラブ』の締めをこれでやりたいなと思って、無理やり僕がセットリスト組んで勝手に最後の曲にしました」と告げてから「TWILIGHT」を披露した。途中Earth, Wind & Fire「September」の一節を挟みつつ、アウトロでは原曲にはないシンセ音を響かせ、余韻を残したままメンバーはステージをあとにした。

アンコールでは曲中に登場するストンプのタイミングのレクチャーを経て新曲「Stomp the Earth」へ。その熱を保ったまま、バンドはストンプとハンドクラップが肝の「LOVE」をプレイして一体感を高めた。オーディエンスの盛大な拍手は演奏を終えて袖へとはけたメンバーを呼び戻し、渡會に「あらかたの曲はやったんですけど、やり忘れた曲がありました」と言わしめる。彼は「お前らもうそろそろビール飲みにおうちに帰れよ的な……」と紹介し、ダブルアンコールとして「ベイビーゴーホーム」を贈った。竹尾は8月29日にこの会場で予定されている「追加公演！ vol.2 ～The Sound of Music～」をふまえ「また来月ここで。待ってるぞ！」と言い残す。初回の「追加公演！」は盛況のうちに締めくくられた。