「新春浅草歌舞伎」特集|花形7人が見どころ解説!ビジュアル撮影の密着レポートも

ちょろ松も“ちょろっと”登場!「新春浅草歌舞伎」ビジュアル撮影に密着

若手歌舞伎俳優の登竜門として知られる「新春浅草歌舞伎」。これまでにも、伝統の中に新しさを取り入れた華やかなビジュアルが話題となっていたが、2015年に尾上松也を中心とした布陣になってからは、松也が赤、中村歌昇が青、坂東巳之助が黄、中村種之助が紫、中村米吉がピンク、中村隼人がオレンジ、中村児太郎が緑色の衣装をまとったビジュアルや、白を基調としたフレッシュな16年のビジュアルなど、若々しさが光る宣材写真で歌舞伎ファンの関心を集めてきた。また17年には青い背景が目を引くビジュアル、18年には金の紙吹雪が舞う中にスーツ姿の俳優たちが立ち並ぶビジュアルが採用されるなど、斬新なアイデアで注目を浴びた。

秋も深まり、朝夕の冷え込みが厳しくなってきた10月下旬のある朝。「新春浅草歌舞伎」の会場となる浅草に、紋付袴の松也、歌昇、巳之助、新悟、種之助、隼人、橋之助の姿があった。19年正月に行われる「新春浅草歌舞伎」の宣材写真の撮影場所となったのは、東京スカイツリーを間近に臨む、隅田川にかかる桜橋。「女心と秋の空」ということわざがあるように、秋の空はなんとも移り気で、西から流れてきた雨雲の層が少しずつ厚みを増していき、撮影準備が整った頃にはポツリポツリと雨粒が空から降り注いできた。

「どうしましょう──」。スタッフから不安の声が上がったそのとき、近年の「新春浅草歌舞伎」を率いてきた松也が「雨脚が強まらないうちにパッと撮ってしまいましょう!」と声を上げ、撮影クルーや出演者を鼓舞。すると、張り詰めた空気は一転、俳優たちからは「そうですね!」と笑みがこぼれた。降りしきる雨に負けじと、見得を切るかの如く強い眼差しをカメラに向ける7人。舞台上で見せるようなキリッとした表情や、彼らの素顔に近い朗らかな表情、いくつかのパターンを撮り切ったところで、本格的に大降りになってきたため撮影場所を移すことに。隅田川から浅草の中心部に入り、目指すは公演の会場となる浅草公会堂。「ほかの地域は晴れているのに、なぜ浅草だけ雨が……」。移動中の車内でそんな会話が交わされながらも、先ほどの松也の言葉に後押しされたスタッフ陣は、突然見舞われたアクシデントを笑い飛ばしながら、浅草公会堂へと向かう。

続いて行われたのはソロカットの撮影だ。トップバッターの巳之助は、カメラに向けて力強い目線を送り、歌昇は落ち着き払った様子で撮影に臨む。隼人はスタッフと談笑しながら爽やかな表情を見せ、種之助はオン・オフの隔てなく、常に柔らかな微笑みを絶やさない。また、背筋を伸ばした美しい佇まいでカメラの前に立ったのは新悟。襲名を経て、3年ぶりに「新春浅草歌舞伎」に戻ってきた橋之助は、決意に満ちた凛々しい眼差しでまっすぐカメラを見据えた。

7人での集合写真の撮影との間に取材を挟み、最後に浅草公会堂入りした松也は、主演作「新感線☆RS『メタルマクベス』disc2」の千秋楽を間近に控えながら、疲れを感じさせないパワフルさで現場を盛り上げる。また現場には、舞台や映画の会見でおなじみ、松竹作品の宣伝の顔として知られる“松竹新入社員”ちょろ松の姿も(参照: ちょろ松【松竹】 (@choromatsu_pr) | Twitter)。特に松也、隼人の2人は、ちょろ松を手に、おどけた顔をしてみたり、ちょろ松にかじり付くような仕草をしてみたりと、終始茶目っ気たっぷりな笑顔を見せていた。

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教えて!浅草と私