仁左衛門による「身替座禅」、藤十郎追善狂言で鴈治郎・扇雀の「曽根崎心中」

「京の年中行事 當る寅歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」が、昨日12月2日に京都・南座で開幕した。

坂田藤十郎三回忌追善狂言と銘打たれた第1部には、「晒三番叟」と「曽根崎心中」がラインナップされ、「晒三番叟」には藤十郎の孫である中村壱太郎と中村虎之介、そして親戚である中村鷹之資が出演する。「曽根崎心中」では、藤十郎の長男・中村鴈治郎が徳兵衛を演じるほか、藤十郎の次男・中村扇雀が、藤十郎が自身の当たり役として1400回以上勤めた天満屋お初役を勤める。そのほか本作には、虎之介、中村寿治郎、片岡松之助、中村亀鶴、中村梅玉が登場する。

第2部は、お嬢吉三を片岡孝太郎、お坊吉三を中村隼人、夜鷹おとせを片岡りき彌、和尚吉三を中村芝翫が勤める「三人吉三巴白浪 大川端庚申塚の場」で幕開け。続く「身替座禅」では、妻の目を盗み、愛人に会いに行く山蔭右京役を片岡仁左衛門、その妻で、嫉妬深く厳格な玉の井役を芝翫が担う。また、右京に振り回される太郎冠者役を隼人が勤め、侍女千枝役を片岡千之助、侍女小枝役を中村莟玉が演じる。

3部では、松本幸四郎が初役で髪結三二五郎七に挑む「銀杏鶴玉章封裏 雁のたより」と、片岡愛之助が5役の早替りを披露する「蜘蛛絲梓弦 片岡愛之助五変化相勤め申し候」が上演される。「雁のたより」には幸四郎のほか、愛之助、上村吉弥、片岡千壽、坂東竹三郎、片岡進之介、中村錦之助が登場。「蜘蛛絲梓弦」では、愛之助が小姓寛丸、太鼓持愛平、座頭松市、傾城薄雲太夫、蜘蛛の精の5役を勤め、碓井貞光役で大谷廣太郎、坂田金時役で中村種之助、源頼光役で幸四郎が出演する。

上演時間は各部約2時間。公演は23日まで。