ナタリー PowerPush - 乃木坂46
よくわかる!星野みなみ徹底解剖
あんまり夢とか欲とかがない子供時代
──幼い頃のことで、何か記憶に残ってることってありますか?
お父さんが撮ってくれたホームビデオを観て思い出したんですけど、よくお父さんがカメラで撮ってると、「見せて、見せて!」と言ってカメラを取り上げたり、妹の誕生日プレゼントを一緒に使って自分のものにしてたりというのはよくありました(笑)。
──どういう子供でしたか?
けっこう活発でしたね。いつも幼なじみの子たちと一緒に、家の近くの公園で遊んでました。鬼ごっこをしたり砂団子を作ったりしてたかな。
──その頃の将来の夢は何でしたか?
えーっ……なかったですね。中学校のときも私は特になりたいものがなくて、自己紹介カードの「将来なりたい職業」欄も友達がパティシエって書いたから、みなみも真似してパティシエって書いたり。みんなと一緒がいいみたいな感じだったので、あまり将来のことは考えてことがなかったかな。あ、でも小学校の卒業文集には「一軒家で犬を飼って過ごしたい」って書いてました。あんまり夢とか欲とかがないんだと思います。
──じゃあアイドルにはもともと興味があったんですか?
友達はAKB48さんのことが好きだったけど、私はあまり興味がなくて。乃木坂46のオーディションは部活の友達が「夏休みの思い出に受けようよ!」と言って一緒に受けたら、私が合格しました。なのでほかのメンバーみたいに「女優になりたくて」とか「歌手になりたい」とかではなかったです。
──そうなんですね。でもあまり興味がなかったアイドルの世界なのに、どうしてやってみようと思ったんですか?
うーん。たぶんアイドルがどういうものなのか、あんまりよくわかってなかったんだと思います。当時はまだ中2だったし、経験としてやってみるのもいいかなっていうくらいの気持ちだったんです。
──ご両親は何も言わず?
いや、お母さんは喜んでました。昔、お母さんもアイドルが好きだったみたいだし、たぶんこういうことが好きだったんだと思います。でもあまり家ではそういう話はしないですね。合格したから、自然とやる方向で(笑)。やらないっていう選択肢は自分の中にはなかったんです。
「なんか一番前だった」「あーそうー」
──合格後のレッスンはどうでしたか?
大変でしたね。ダンス経験者はけっこういたけど、みなみは何もやったことがなかったから。周りを見て「すごいな、みんな……」って驚いてました。でも自分なりにゆっくりやってましたよ。
──そこは持ち前のマイペースさで(笑)。
そう。あんまり「この子より上に!」みたいなのはなかったですね。今もあんまりない……のかな?(笑) どうなんだろう、あんまりそういうことを考えないので。
──メンバーとはすぐに仲良くなれました?
はい。(和田)まあやとか、年齢が近い子は特に。まあやはオーディションのときも近くにいて、合格してレッスンに通うようになってからはうちのお母さんとまあやのお母さんと4人でごはんにも行ってました。
──2期生には年齢が近い子も多いですよね。
めっちゃ仲いいですよ、(堀)未央奈とか(伊藤)純奈とか。未央奈には「呼び捨てでいいよ」って言ってるんですけど、みんな面白いししゃべりやすいので、仲いいです。
──そして乃木坂46は2012年2月に「ぐるぐるカーテン」でCDデビュー。星野さんはいきなり選抜メンバーに選ばれ、しかも生駒里奈さん、生田絵梨花さんと一緒に1列目に立ちました。
そうなんですよ。でもそのときは、あんまりポジションのことをよくわかってなかったんです。お母さんもよくわかってなくて、「なんか一番前だった」って言ったら「あーそうー」ぐらいで終わりましたから(笑)。こないだその話になって、「今考えると、1列目ってすごかったよね」って言われて「そうだね」って答えたんですけど。たぶん昔は本当にその重要性がわかってなかったんだと思います。
──作品を重ねるごとに立ち位置が変わりましたが、それも全然気にせず?
あんまり気に……しないようにはしてました。えへへ(笑)。
「お願いだから設楽さん、私に話を振らないで」
──この3年間で一番大変だったこと、キツかったことは?
なんだろうなあ……あれかな、1回目のプリンシパル(2012年9月上演の劇場公演「16人のプリンシパル」)。あのときは何をどうすればいいかわかんなかったし、演技に関してはゼロからのスタートだったので……。
──初日から終盤まで2幕の劇に出演することができず、千秋楽でなんとか16役に入れたんですよね。
そうです。だからファンの人からも「あの頃に比べたら、今回は成長したね」って言われました(笑)。
──でも星野さん、今回のプリンシパルは楽しんでましたよね?
楽しかったですよ。今回はお笑いがテーマだったからかなと思うんですけど。普通にコントをするのも楽しかったし、観るだけでも楽しかったし。
──お笑いは好き?
けっこう好きでしたけど、今回のプリンシパルでもっと好きになりました。「NOGIBINGO!」(2013年7~9月、2014年1~3月に日本テレビで放送されたレギュラー番組)をやるようになってから、楽しいなって思うようになりました。
──星野さんは昔、「乃木坂って、どこ?」(テレビ東京系で放送中のレギュラー番組)で鼻眼鏡を付けたくなくて泣いてましたよね?
あー、番組で何回か泣いてますね(笑)。初期の頃なんてMCのバナナマンさんに対して「お願いだから設楽さん、私に話を振らないで」って思うぐらい、本当に目も合わせずその場にいるだけで。誕生日をお祝いしてもらう回かな、1人でしゃべる機会があって、本当に一言二言しか話さなかったときがありました。自分でもよく覚えてるんですよ、「私、あのときしゃべらなかったな」って。今は全然そんなことなくて、しゃべるのは好きですよ。消極的だったんですかねえ……なんだろう。たぶん子供だったから、ということで。そうしておきます(笑)。
──子供の頃は前に出たり目立ったりするのが苦手だった?
そうですね。さっきの将来の夢もそうですけど、全部みんなに合わせてましたから。今でも買い物に行くと、全部お母さんに洋服を選んでもらってるんです。1人で買い物に行って決められないときは、お母さんに洋服の写メを送ってます。自分がめっちゃかわいいと思っても、お母さんがよくないって言ったら買わないですし。たぶん決断力がないんだと思います。
──でもその決断力がない人が、興味のなかったアイドルのオーディションに合格して「やってみよう」と思ったわけですよね。
そこは本当に謎ですよね(笑)。
以前はやる気がないってよく言われていて
──逆に今まで活動してきた中で、一番楽しかったことは?
なんだろうなあ……3年間いろいろありすぎて、本当に覚えてないんですよね。何が楽しかったんだろう……そのとき楽しいって思っても、また次に楽しいことがあって、その繰り返しだから。でも……やっぱりライブかなあ。最近は握手会でも前より話せるようになったので、楽しいですし。昔は意識してアイドルっぽくしなきゃと思ってすましてたけど、今はもうみんな普段の私を知ってくれてるから話しやすいですね。テレビでもけっこうしゃべるようになったし、握手会でも初めて来た人に「あんまり話さない子かと思ってた」って言われるんですよ。以前はやる気がないってよく言われていて……まあ今でもよく言われるんですけど(笑)。
──なんで「やる気がない」って言われてたんでしょうね?
なんでだろう……だって、がんばってもこんな感じなんですよ!(笑) しゃべり方とか雰囲気とか考え方とか、そういうのもあるのかな。だから昔はそんなふうに言われて、じゃあしゃべらないようにしようと思ったこともあったし。
──「やる気ない」と言われることに対して、つらいと思わなかった?
つらくはなかったけど……でも、だからといって若月(佑美)みたいにめっちゃがんばるキャラでもないし。自分は自分だからいいやと思ってやっていて。今はこういうキャラだってことが浸透してくれたおかげで、すごくやりやすいですね。
──そういえば昔は“省エネダンス”と言われてましたよね。
そうなんですよ! がんばって手足を動かしてるんですけど、いつも隣にいるのが中田(花奈)とかハキハキ踊る子ばかりなんです。そういう子の隣だとどうしても動きがちっちゃく見えちゃうので。でもダンスも今くらいだと逆に見つけやすいらしいですよ……まあ、今もがんばってます(笑)。
- ニューシングル「夏のFree&Easy」 / 2014年7月9日発売 / Sony Music Labels
- Type-A [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8563~4
- Type-B [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8565~6
- Type-C [CD+DVD] / 1650円 / SRCL-8567~8
- 通常盤 [CD] / 1050円 / SRCL-8569
Type-A CD収録曲
- 夏のFree&Easy
- 何もできずにそばにいる
- その先の出口
- 夏のFree&Easy ~off vocal ver.~
- 何もできずにそばにいる ~off vocal ver.~
- その先の出口 ~off vocal ver.~
Type-B CD収録曲
- 夏のFree&Easy
- 何もできずにそばにいる
- 無口なライオン
- 夏のFree&Easy ~off vocal ver.~
- 何もできずにそばにいる ~off vocal ver.~
- 無口なライオン ~off vocal ver.~
Type-C CD収録曲
- 夏のFree&Easy
- 何もできずにそばにいる
- ここにいる理由
- 夏のFree&Easy ~off vocal ver.~
- 何もできずにそばにいる ~off vocal ver.~
- ここにいる理由 ~off vocal ver.~
通常盤 CD収録曲
- 夏のFree&Easy
- 何もできずにそばにいる
- 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
- 夏のFree&Easy ~off vocal ver.~
- 何もできずにそばにいる ~off vocal ver.~
- 僕が行かなきゃ誰が行くんだ? ~off vocal ver.~
乃木坂46 (ノギザカフォーティシックス)
2011年8月に「AKB48の公式ライバル」として誕生したアイドルグループ。グループ名の「乃木坂」は最終オーディション会場の「SME乃木坂ビル」、「46」は「AKB48より人数が少なくても負けないという意気込み」に由来する。総合プロデュースはAKB48同様、秋元康が担当。全国規模のオーディションにより、3万8934人の応募の中からスターティングメンバーとして33名が選出された。2012年2月にシングル「ぐるぐるカーテン」で待望のメジャーデビュー。オリコン週間ランキングで初登場2位を記録し、20万枚を超えるセールスを記録した。以降、2ndシングル「おいでシャンプー」から8thシングル「気づいたら片想い」まですべてのシングルがオリコン週間ランキングで初登場1位を獲得。また2013年10月には国立代々木競技場第一体育館、同年12月には日本武道館、翌2014年2月には横浜アリーナで単独ライブを行い、大成功を収めた。2013年5月には2期生が加入、2014年2月にはSKE48からの交換留学生・松井玲奈も加わり、2014年6月末現在計44名が在籍している。5月30日からは6月15日にかけて、東京・赤坂ACTシアターで劇場公演「16人のプリンシパル trois」を実施。7月9日には9thシングル「夏のFree&Easy」をリリースし、8月には東京・明治神宮球場公演を含む「真夏の全国ツアー2014」を全国5都市で開催する。
2014年7月9日更新