「KAT-TUNは青春だった」ラストライブで51曲熱唱、すべてを燃やしド派手に出航

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KAT-TUNのラストライブ「Break the KAT-TUN」が、昨日11月8日に千葉・ZOZOマリンスタジアムで開催された。

KAT-TUN

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2001年に結成され、2016年4月からは亀梨和也、上田竜也、中丸雄一の3人体制で活動してきたKAT-TUNは今年2月12日に解散を発表。その際に所属事務所のSTARTO ENTERTAINMENTは「3月31日に解散はいたしますが、メンバーの希望により、近い将来ファンの皆様とお会いできる場所を作るべく、現在調整をしております」とコメントした。そして3月31日をもってグループは解散し、亀梨はSTARTO社を退所。それから半年以上を経て実現した異例の解散後のラストライブで、3人はこれまでリリースした全シングルの表題曲を含む51曲を披露。約3時間にわたるライブで約25年にわたるグループの歩みを総括した。

6色のピンスポットが彩った「Real Face」

会場となったZOZOマリンスタジアムには「KAT-TUN」とあしらわれた海賊船風のセットと3面の大きなLEDスクリーンが設置され、そのスクリーンではスカルマークをあしらった帆が海上にゆらめいている。日没時刻を迎えた幕張の空が徐々に暗くなっていく中、ステージ上に映し出された海も夕焼け色に染まっていった。

開演時刻を迎え、ステージ上方に吊り上げられたゴンドラに乗って海賊風の衣装をまとった亀梨、上田、中丸が登場。3人は優しく「ハルカナ約束」の1フレーズをアカペラで歌い、大歓声を浴びた。そして上田の「最後の出航だ!」というシャウトから「GOLD」がスタート。ステージ周辺には多数の花火が打ち上がり、KAT-TUNのライブらしい華やかなムードを作り上げた。

KAT-TUN

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その後披露されたのは「WILDS OF MY HEART」「DRIVE ME DRIVE ON」「Red Sun」など、KAT-TUNの活動初期を彩った懐かしの楽曲の数々。ムービングステージに乗った3人が肩を寄せ合い声を合わせると、スタジアム中ですさまじい悲鳴が起こった。さらに「2006.3.22」という日付がスクリーンに映し出されるともにピンク、赤、黄色、オレンジ、紫、青と、6人時代のメンバーカラーのピンスポットがステージを染め、ファンを驚かせる。ここで披露されたのは、もちろんKAT-TUNが2006年3月22日にリリースしたデビューシングル「Real Face」だ。曲中には6人時代の映像に乗せて元メンバーである赤西仁、田口淳之介、田中聖の歌声も流れ、亀梨が赤いピンスポットに肩を寄せるなど、グループの原点を感じさせる演出でファンを感動に導いた。

これまでのキャリアを総括、ひと足早いクリスマスムードも

幕間にスクリーンで流れたKAT-TUNの歩みを振り返る年表風のムービーではデビュー前の貴重な未公開映像も上映され、観客を沸かせる。その後はデビュー後に快進撃を繰り広げた時期の楽曲を連投したKAT-TUN。「RESCUE」ではスタジアムを燃やし尽くすかのように無数の火柱が上がり、3人の熱演ともあいまって晩秋の気温を高める。リリースから20年近く経った「僕らの街で」は、現在の彼らならではの芳醇な歌声で届けられた。

衣装を改めた3人がムービングステージで華麗なダンスを繰り広げた「Going!」からは、グループが激動に見舞われつつもその人気を不動のものとしてきた2010年代以降の楽曲が続く。「UNLOCK」でアグレッシブなパフォーマンスを繰り広げ、「YOU」では妖艶な歌声と仕草で歓声を巻き起こしたKAT-TUN。「White X'mas」は真っ白な雪のような泡玉が舞う中で3人がリフターに乗って披露され、幕張の夜空に切ないクリスマスムードを届けた。

MCはぶっちゃけモード「実は僕ら解散してます(笑)」

MCでは中丸が「今回のライブの概要を簡単に説明しますと、実は僕ら解散してます(笑)」とこのライブの異例っぷりに触れ、亀梨と上田も「えっ、マジっすか?」とそれに乗ってみせる。そんな2人は今からちょうど27年前、1998年11月8日が事務所への入所日だったと振り返るが、それより3カ月入所が早かったという上田は「ここの(2人との)距離を感じるよ」と苦笑いを浮かべた。

ラストライブながらも3人の和気あいあいとしたやり取りは変わらないまま。ライブのリハーサルでひさびさに顔を合わせたという3人が互いの近況を語る場面では、中丸が「(週刊)文春の連載を書いたんですよ」と話し、上田は「……どんな心境でやってんの?」とストレートにツッコむ。また、これまでで思い出に残っていることを尋ねられた亀梨は「グアムに行ったときの部屋かな。うちにさ、やべえビデオあるよ?(笑)俺が初めてビデオカメラ買ったか何かで」と当時を振り返り「KAT-TUNってやっぱ青春だったよね」と感慨深そうに語った。

約25年にわたって走り続けてきたKAT-TUNだが、野外での単独ライブは今回が最初で最後で、3人は念願を叶えたことを喜ぶ。現在はSTARTO社に所属していない亀梨が同じグループとしてこのステージに立っているのももちろん異例のこと。亀梨は「いろんなところの皆さん、ありがとうございます」と感謝を述べつつ「若い頃は記録作るのもがんばってやってきたじゃない。これもある種の歴史、記録よ」と、あらゆる記録を塗り替えてきたKAT-TUNの足跡を誇らしげに回顧した。

KAT-TUNは君のそばにいる

後半戦では3人が白を基調としたコスチュームにチェンジし「CRYSTAL MOMENT」「Dead or Alive」の壮大な世界を繰り広げた。そしてデビュー前から東京ドーム公演を行うなど大活躍を続けたグループの歴史をたどる映像が流れたのち、3人は赤い衣装に着替えてセンターステージで手を重ね、呼吸を合わせた。そこからは「We Just Go Hard feat. AK-69」を皮切りに攻撃的なナンバーを連投。「LIPS」では花道に飛び出した3人がバズーカでCO2を噴射して盛り上げる。パワフルなダンスパフォーマンスから始まった「DON'T U EVER STOP」では上田のラップと中丸のボイスパーカッションが炸裂し、スタジアムの熱気をピークまで高めた。

最後に披露されたのは「PRECIOUS ONE」。「君のそばにいる」と歌う3人の背後にはペンライトを振るファンの映像が重なり、「1人じゃない」という思いを互いに深く刻んだ。暗転したステージに流れた映像では3人の姿に続き「THANKS TO JIN AKANISHI KOKI TANKA JUNNOSUKE TAGUCHI」というメッセージが映し出され、客席からは大きなどよめきと拍手が起こった。

最後の挨拶で語られた3人の思い「とにかく自分の青春だった」

アンコールで3人はフロートに乗って登場し、懐かしのナンバー「ノーマター・マター」を軽快に歌う。「Will Be All Right」「Peacefuldays」とアンコールの定番曲に3万人が盛り上がるが、続いて「ハルカナ約束」が始まると、いよいよ近付いてきた最後の瞬間に思いを馳せるように会場の空気が変化した。メインステージに集結したメンバーを代表し、亀梨は関係者や家族、友人、集まったファンに熱い感謝を述べて大きな拍手を浴びた。

最後は3人それぞれが挨拶。上田は「2年ぐらい前に『After Life』という舞台をやりまして。『自分が死んだときにどの思い出を持っていきますか』という舞台だったんですけど、そのとき取材でよく『死んだら何を持っていきますか』と聞かれて『KAT-TUNのライブのシーンを持っていきたいです』と答えていて。それはおそらくこのあとのシーンなんじゃないかなと確信しています」と最後の場面に思いを馳せる。そして目を潤ませながら「素敵な10代から素敵な人生を歩ませてくれてありがとう。応援してくれた方、この瞬間を一緒に見届けてくれてありがとうございました」と感謝した。

上田竜也

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中丸は「個人的には本当に人に恵まれたなと思います。関係者の皆さんもそうですし、何よりも一緒に歩んだメンバー、そしてそれを支えるファンの皆さんの温かさの中で、この四半世紀、自分は楽しく過ごせました」と振り返る一方、「こうやって花道のようなものを設けてもらったのはありがたいことなんですけれど、やっぱり心の底で悲しいなと。こんな楽しい時間が終わってしまうのか、という気持ちがちょっと混ざってしまいました」と素直な心境も語る。そして「今後もエンタメの世界にはいるし、6人ともね。どこかで交わったり、そういうハプニング的なことがあったら面白いな、なんて思いました」と、6人それぞれの未来に思いを馳せた。

中丸雄一

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亀梨は「とにかく自分の青春だったし、KAT-TUNというグループが自分の進んでいく道の中のプライドであり、美学であり、誇りでした。これからはこれまで歩んできたものをみんなと一緒に心の宝にして、ふとしたときにキランときらめく存在であってくれたらうれしいなと思います」とKAT-TUNに対する誇りを語った。ここで亀梨が「ああ……終わりだ」と絞り出すように言葉を漏らすと、客席からもすすり泣きと悲鳴がこぼれる。かすかな笑みを漏らした亀梨は「とにかくこの形が最高の形だったと思えるように、それぞれが次の一歩を踏み出さなければいけないと思っています。また想像もできないような景色をそれぞれが作って、共有して、また何かの青春ができたらいいなと思ってます」と前を見据えて挨拶を締めくくった。

亀梨和也

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特効満載ですべてを“Break”3人の新たな旅が始まる

ステージ上の3人と客席の3万人が手をつなぎ、いつものように「We are KAT-TUN!」と叫ぶと同時にスタジアムの上空には大輪の花火が打ち上がった。3人がステージをあとにし、これですべてが終了したかと思いきや、本当のラストナンバーとして届けられたのは「Real Face#2」。直前の感傷的なムードを吹き飛ばすように場内にはすさまじい数の火柱、火花、花火が打ち上がる。さらに3人もシャンパンボトルを手にしてステージ上に撒き散らし、それぞれの旅立ちを手荒く祝うように笑顔を見せた。

「Break the KAT-TUN」のエンディング。

「Break the KAT-TUN」のエンディング。 [拡大]

最後に3人は、これまでのライブのロゴがあしらわれた布を背負ってステージ後方に立つ。火柱とスモークに覆われながらやり切った表情を浮かべる亀梨、上田、中丸の姿は、焼け落ちる海賊船の船首に立つ首領そのものだった。3人の姿が見えなくなったあと、スクリーンに映し出された帆は燃え落ち、ステージセットの鉄骨も崩れ落ちていく。タイトルどおりすべてを“Break”したKAT-TUNの3人が新たな旅に出たあと、スクリーンに映し出されていた映像は中央に集約し“-”の文字を形作る。これまでKAT-TUNを支えてきたHyphen(KAT-TUNファンの呼称)への感謝を表現するかのような演出で、ラストライブが締めくくられた。

このライブの模様はFAMILY CLUB onlineにて本日11月9日から11月16日23:59まで見逃し配信を実施。視聴チケットは16日21:00まで販売されている。

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セットリスト

KAT-TUN「Break the KAT-TUN」2025年11月8日 ZOZOマリンスタジアム

01. GOLD
02. WILDS OF MY HEART
03. 青天の霹靂
04. SHE SAID...
05. Le ciel ~君の幸せ祈る言葉~
06. DRIVE ME DRIVE ON
07. FIGHT ALL NIGHT
08. Red Sun
09. Real Face
10. SIGNAL
11. RESCUE
12. Love yourself ~君が嫌いな君が好き~
13. ONE DROP
14. 喜びの歌
15. 僕らの街で
16. Going!
17. In Fact
18. 不滅のスクラム
19. RUN FOR YOU
20. FACE to Face
21. ULTIMATE WHEELS
22. UNLOCK
23. TO THE LIMIT
24. YOU
25. White X'mas
26. EXPOSE
27. CHANGE UR WORLD
28. WHITE
29. CRYSTAL MOMENT
30. Dead or Alive
31. TRAGEDY
32. EUPHORIA
33. BIRTH
34. Ask Yourself
35. We Just Go Hard feat. AK-69
36. LIPS
37. Keep the faith
38. PERFECT
39. NEVER AGAIN
40. DON'T U EVER STOP
41. Roar
42. PRECIOUS ONE
<アンコール>
43. ノーマター・マター
44. ゼロからイチへ
45. KISS KISS KISS
46. ど~にかなるさ
47. HEARTBREAK CLUB
48. Will Be All Right
49. Peacefuldays
50. ハルカナ約束
51. Real Face#2

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Bami @Mcmooney20

@natalie_mu Nice

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