フラワーカンパニーズ、10年ぶり2度目の日本武道館ワンマンで示した転がり続ける“バンドの未来”

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フラワーカンパニーズが9月20日に東京・日本武道館でワンマンライブ「フラカンの日本武道館 Part2 ~超・今が旬~」を開催した。

フラワーカンパニーズ(撮影:新保勇樹)

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10年ぶり2度目の日本武道館

フラカンが日本武道館でワンマンを行うのは、2015年12月19日開催の「フラカンの日本武道館 ~生きててよかった、そんな夜はココだ!~」以来およそ10年ぶり2度目。メンバーチェンジや活動休止をすることなく走り続け、今年で36周年を迎える彼らが再び日本武道館という大舞台に立つ──。この特別な1日を目撃すべく、全国のフラカンファンが日本武道館に詰めかけた。

フラワーカンパニーズ「フラカンの日本武道館 Part2 ~超・今が旬~」の様子。(撮影:新保勇樹)

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ライブの幕開けを待ちきれない客席から手拍子が湧き起こる中、鈴木圭介(Vo)、グレートマエカワ(B)、竹安堅一(G)、ミスター小西(Dr)が日本武道館のステージに登場。4人は1曲目に今年1月発表の最新アルバム「正しい哺乳類」から「少年卓球」をセレクトすると、みずみずしいバンドサウンドを爆音で奏でて現在進行系のバンドの姿を大勢のオーディエンスに見せつける。そのまま「ピースフル」や「ただいま実演中」「ライトを消して走れ」「アメジスト」「夜空の太陽」など新旧織り交ぜた楽曲を次々と繰り出し、序盤から熱狂的な空間を作り出した。この日最初のMCでは、鈴木が「10年ぶり2回目の武道館ということで、今日はアップデートしたところを見てもらいたい。人間的にはかなり落ちてると思うんだけど(笑)、バンドとしてはまだまだ先があるってところを最後までじっくりと見てください」と呼びかけた。

フラワーカンパニーズ(撮影:新保勇樹)

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ヘッドライトの光が照らすのは

バンド結成から36年が経った今も機材車のハイエースで全国のライブハウスを回るフラカン。そんなバンドの日常を歌った「ハイエース」では、メンバーと62万kmをともにし、2年前に役目を終えた実際のハイエースがステージ脇から登場する。そして、フラカンがヘッドライトの光に照らされながらキャリア屈指の代表曲「深夜高速」を披露すると、その鬼気迫るステージングに観客の視線は釘付けとなっていた。グレートマエカワは「このハイエースは2年前に廃車にする予定だったんだけど、その頃には武道館やるって決めてたんだよね。だからハイエースもライブに出そうって話になって、スタッフの知り合いのところに置いてもらってた(笑)」と、苦楽をともにしたハイエースとの共演の経緯を語った。

鈴木圭介(Vo)(撮影:新保勇樹)

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メンバーチェンジなし! 活動休止なし! ヒット曲は次回作!

初期のナンバー「虹の雨あがり」で場内がどこかノスタルジックなムードに包まれたところでこの日最後のMCへ。竹安は「僕らの無謀でわがままなチャレンジを面白がってくれる人がこんなにいて、今日のライブもいい感じに成り立たせることができました。皆さんのおかげでここに立てています」とファンへの感謝を語り、ミスター小西は「この10年間、今日来てくれている方や全国の来れなかった方々に応援されて僕らは続けられています。フラワーカンパニーズはまだここから新しく、ずっとやっていきたい」と力強く宣言。今回の武道館ワンマンの発案者であり、公演の前々日までチケットを手売りしていたというグレートマエカワは、「こんなに幸せなことはないです! そもそも俺らは全国のライブハウスやライブ会場に行って、ずっとツアーをやっていられたら幸せなバンドで、これからもやっていきますので。今日は日本全国から集まってくれたと思います。今後はあなたの街に行きますから、そのときは遊びにきてくださいよ!」と客席に呼びかけた。

フラワーカンパニーズ(撮影:新保勇樹)

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鈴木の「メンバーチェンジなし! 活動休止なし! ヒット曲は次回作! 4人そろってフラワーカンパニーズ! 今年で結成36周年! 永遠によろしく!」という言葉を合図に「行ってきまーす」が始まると、金銀テープが盛大に発射され、場内をきらびやかに彩る。フラカンは「ラッコ!ラッコ!ラッコ!」「人は人」「最後にゃなんとかなるだろう」といったアップチューンで会場のテンションを最高潮に導くと、最後は「白眼充血絶叫楽団」でこの日一番のエモーショナルなパフォーマンスを繰り広げてステージをあとにした。

フラワーカンパニーズ「フラカンの日本武道館 Part2 ~超・今が旬~」の様子。(撮影:新保勇樹)

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「もう1回僕らがもらうって手はないの?」

強烈なアンコールを受けて再びステージに姿を見せたフラカンは、活動初期のロックンロールナンバー「涙よりはやく走れ」や、疾走感あふれる「はぐれ者讃歌」を熱量高くプレイ。彼らの演奏を浴びた観客たちは体を激しく揺らしたり、両手を掲げたり、ともに歌ったりと思い思いに楽曲を楽しんでいた。鈴木は「声を出していただいて喉は開いたと思うんですが、筋肉量が足りてない。なので運動をしていただきます。最後にもう1曲いきます!」と宣言して「真冬の盆踊り」を熱唱。曲中にはオーディエンスが一斉に「ヨッサホイ」と叫びながら両手を掲げて阿波踊り風のダンスをするなど、一体感のあるステージが繰り広げられた。

フラワーカンパニーズ(撮影:新保勇樹)

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アンコールが終わっても客席の拍手は鳴り止まず、オーディエンスの熱気に応えるようにフラカンは三たびステージへ。10年前、怒髪天から“武道館のバトン”を受け取ったフラカン。このバトンはTHE COLLECTORS、ピーズ、ニューロティカ、再びTHE COLLECTORSへと受け継がれ、今年フラカンのもとへ帰ってきた。グレートマエカワはこのバトンについて「事務所に置いとくんで、次やるミュージシャンは取りに来てください」と笑顔でメッセージを投げると、これに対して冗談交じりか本気なのか、鈴木が「もう1回僕らがもらうって手はないの?」と返し、客席からは温かな歓声と拍手が沸き起こった。ピースフルな空気が場内を包む中、4人は最後に「NUDE CORE ROCK 'N' ROLL」を届け、充実した表情で10年ぶり2度目の日本武道館ワンマンを終えた。

フラワーカンパニーズ「フラカンの日本武道館 Part2 ~超・今が旬~」の様子。(撮影:新保勇樹)

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セットリスト

フラワーカンパニーズ「フラカンの日本武道館 Part2 ~超・今が旬~」2025年9月20日 日本武道館

01. 少年卓球
02. ピースフル
03. ただいま実演中
04. ライトを消して走れ
05. アメジスト
06. 夜空の太陽
07. 馬鹿の最高
08. 最高の夏
09. 友達100万人
10. ミント
11. ハイエース
12. 深夜高速
13. 履歴書
14. 感情七号線
15. 星のブルペン
16. 日々のあぶく
17. 虹の雨あがり
18. 行ってきまーす
19. ラッコ!ラッコ!ラッコ!
20. 人は人
21. 最後にゃなんとかなるだろう
22. 白眼充血絶叫楽団
<アンコール>
23. 涙よりはやく走れ
24. はぐれ者讃歌
25. 真冬の盆踊り
<ダブルアンコール>
26. NUDE CORE ROCK 'N' ROLL

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フラワーカンパニーズ @FlowerCompanyz

【#フラカンの日本武道館Part2 INFO.】

■9月27日(土)公開 音楽ナタリー
*9/20(土)「フラカンの日本武道館 Part2 〜超・今が旬〜」ライブレポート掲載

「フラワーカンパニーズ、10年ぶり2度目の日本武道館ワンマンで示した転がり続ける“バンドの未来”」
https://t.co/4ortdiChkQ

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