
再生数急上昇ソング定点観測 (2025年5月1週目) [バックナンバー]
Number_iとジャクソン・ワンの“悪者”になる覚悟 / なんか気まずくない?の今日だろう京太郎って誰?
今、盛り上がり始めている曲 / これから盛り上がりそうな曲について詳しく解説
2025年5月2日 18:30 19
YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで4月18日から4月24日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、2位に
King Gnu「TWILIGHT!!!」ミュージックビデオ
17位にはAぇ! Groupの「Destiny」がランクインした。メンバーの
Aぇ! group「Destiny」ミュージックビデオ
39位に登場したのは
RADWIMPS「賜物」リリックビデオ
46位には
氷川きよし with t.komuro「Party of Monsters」ミュージックビデオ
62位には
ずっと真夜中でいいのに。「微熱魔」ミュージックビデオ
話題のアニメやドラマの主題歌が目立った今週は、下記3曲をピックアップする。
ジャクソン・ワン「GBAD(Number_i Remix)」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場20位
ジャクソン・ワンは昨年開催された「Coachella Valley Music and Arts Festival」の88rising Futuresステージで、
Number_i | GOAT, J-POP, Coachella
ライブを通してNumber_iと意気投合したジャクソンは、3人を迎えて最新シングル「GBAD」のリミックスを制作。「GBAD(Number_i Remix)」として4月16日に全世界配信リリースした。
ジャクソン・ワン「GBAD」ミュージックビデオ
原曲である「GBAD」は今年発表予定のジャクソンのニューアルバム「Magic Man 2」からの先行シングルで、3月公開のMVは約1カ月で3160万再生を突破している。一方でNumber_iを迎えたリミックスは、オルタナティブなR&Bだったオリジナルバージョンに新たなアレンジとリリックが加わり、華々しく都会的なシティポップへと進化を遂げている。ちなみにタイトルの「GBAD」は、曲中で繰り返し歌われている「Just gotta be a dick sometimes(たまには嫌なやつにならなきゃな)」の「gotta be a dick」を略した言葉で、ジャクソンはこの曲で「自身の意志を守るために“悪者”になる覚悟」を歌っている。
Number_i×Jackson Wang 平野紫耀とジャクソン・ワンは「両親以上に…」 2択質問で素顔に迫る めざましインタビュー未公開
そんな曲でNumber_iがラップしているリリックは、フジテレビのYouTubeチャンネル「めざましmedia」で公開された動画によると、各メンバーが自分のパートを自分で書いているのだという。岸がかつての自分たちの状況を振り返るかのようにラップする「あの時あの日の軽々しく笑ってる皆言う無理」というリリックは、世界的アーティストとのコラボを果たしたこの曲で聴くと一層感慨深いものがある。3人の個性が加わったことで、原曲がどのように変化したのかぜひチェックしていただきたい。
AKASAKI「徘徊」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場89位
深夜の繁華街はきらびやかに輝くネオン、お酒を飲んで楽しそうに話す人の声など、興奮と活気に包まれている。まるで大人だけが入場できる遊園地のようだ。昨年リリースされた「Bunny Girl」で一躍注目の的になった
河島英五が名曲「酒と泪と男と女」を18歳で書いたように、AKASAKIも実年齢を飛び越え、豊かな想像力で物語を紡ぐことに長けている。メロディの構成力やサウンドメイクの緻密さもさることながら、日常を切り取るセンスが光っている。
今日だろう京太郎「なんか気まずくない?」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場92位
今日だろう京太郎は1997年生まれのお笑い芸人。もともと漫才コンビ・ソロデビュー'sとしてリズムネタを中心にライブ活動をしていたが、2022年にコンビを解散しピン芸人に転向した。
ソロデビュー’s史上最高傑作(!?)リズムネタ
ピンになって音楽活動も本格的に開始したところ、それまでのリズムネタで培われてきたワードセンスが開花。昨年7月に1stシングル「へーそうなんだ」をリリースすると、歌詞に合わせてリズミカルに手を叩く「トントントンダンス」がTikTokを中心にブームとなった。
今日だろう京太郎「へーそうなんだ」ミュージックビデオ
さらに話題はこの曲だけに留まらず、昨年10月にリリースされた「なんか気まずくない?」も大流行。「ネイル変えた?」と褒めたら「2ヶ月前にね」とバッサリ斬られ、「初めまして!」と意気揚々と挨拶すれば「この前会ったよ」と不穏な空気が流れるなど、この曲は誰もが経験したことのある「気まずい瞬間」がテーマになっている。
【JKあるある】あなたはどっち派?#なんか気まずくない?
短いフレーズから繰り出されるリアルな描写の数々がリスナーの共感を得た結果、今年春頃から「なんか気まずくない?」というフレーズがネットミーム化。歌詞の一部を改変した“あるあるネタ”のショート動画が多く投稿されるようになり、さらに楽曲の知名度が高まった。
荒川ゾンビDiary「チャンネル登録しろ」ミュージックビデオ
話題曲を立て続けに作り上げた今日だろう京太郎は、自身のオリジナル曲を作るだけでなく楽曲提供も開始。Vtuberユニット・荒川ゾンビDiaryが4月25日にリリースした「チャンネル登録しろ」の作詞作曲を担当している。芸人としてだけでなく、今後は音楽活動にもますます力を入れていくのかもしれない。
- 真貝聡
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ライター / インタビュアー。雑誌やWebで執筆するほか、MOROHA「其ノ灯、暮ラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像作品や、テレビ特番「Mrs. GREEN APPLE ~Review of エデンの園~」にインタビュアーとして参加している。
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kemono🦇@チョコラータ号🚌 @moon_happy_love
自身の意志を守るために“悪者”になる覚悟
Number_iとJackson Wangの考え方めっちゃ刺さる
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