7ORDERが語る「スケアリーストーリーズ 怖い本」|安井謙太郎&森田美勇人が身をもって検証!?ホラー初心者も楽しめる“アメリカ版「学校の怪談」”

何回も観ることで伏線に気付いた(安井)

──「パンズ・ラビリンス」や「パシフィック・リム」「シェイプ・オブ・ウォーター」の監督として知られるギレルモ・デル・トロがプロデュースしているので、クリーチャーの特殊造形も見どころの1つです。

安井 かかしのハロルドが怖かったです。日本のかかしは、もっとポップな顔じゃないですか。あんなかかしがいたら、めっちゃ怖いですよね! あと予告編にも出てきた“青白い女”。これは絶対に会いたくないですね。

森田 僕、その女の人が一番怖かったです。表情がすごくて……。

安井 あれもCGじゃないってことですもんね。

──CGで加工しているクリーチャーもいますが、基本的にどれも俳優が演じています。体がバラバラになる“ジャングリーマン”は、体が柔らかい人が演じているんですよ。

森田 えー! あれを人が演じていると思ったら、一層怖い!

安井 シルク・ドゥ・ソレイユみたいになってたもん!

──舞台が1960年代というのも、ギレルモ・デル・トロのこだわりです。

安井 1960年代の町並みは観ていて楽しかったですね。

「スケアリーストーリーズ 怖い本」

森田 確かに、怖いだけじゃなくて世界観がおしゃれだと思いました。

安井 ステラたちがトランシーバーを使っていたのは、「ストレンジャー・シングス」っぽくてワクワクしました。あとベトナム戦争に関するセリフや、大統領選のニュースも出てきて、細部までこだわりを感じました。実は僕、今日までに何回か観させてもらったのですが、それによって最初に観たときはわからなかった伏線にも気付くことができたんです。映画の最初に、ステラとラモンとトミーがすれ違っているところがあるんですよね。……この映画って、続編はあるんですか?

──アメリカではヒットしていますが、今のところ続編製作の発表はありません。

安井 僕、続編を作ってほしいんです! ステラのお母さんのことも、もしかしてサラのこととつながってるのかな?とか深読みしちゃって。続編で描いてほしい!

7年くらい前、ホテルで体験したトラウマが……(森田)

──“アメリカ版「学校の怪談」”と言われるくらいですから、日本の怪談や都市伝説に似たエピソードも登場しましたよね。

安井 かかしのハロルドは、「くねくね」の話(くねくねと動く、かかしのような人影の目撃談)を思い出しましたね。“くねくね”を見た人は発狂して、自分が次のくねくねになっちゃう……っていう。

森田美勇人

森田 うんうん。かかしのハロルド、なんなら一番怖かった。僕は試写で観たんですが、あれを映画館のもっと大きなスクリーンで観ると考えると、超怖いなって……。

──ステラたちが“怖い本”の主人公になるとき、それぞれ一番怖いと思っているものに関する恐怖を味わうこととなります。お二人が昔から恐れているものや、過去の恐怖体験はありますか?

森田 7年くらい前、実際にホテルで体験した怖い話はありますね。

安井謙太郎

安井 大阪の某ホテルなんですけど……。俺ら2人と、もう1人友達が同じ部屋だったんです。俺と美勇人はベッドでスマホアプリをやっていて、その友達がスッと立ってトイレのあるほうに行ったんです。7年前はまだクソガキだったので「部屋の電気を消して、寝たフリしてやろうぜ」って企んだんですけど、俺が電気を消そうとしたとき、間違ってトイレの電気まで消しちゃって、友達に「おい!」って怒られたんです。「あーあ、バレちゃった」ってあきらめて電気をつけたんですけど、友達が戻ってきたときに「さっきはトイレの電気消しちゃってごめんね。驚かせようと思ったんだけど……」って言ったら、「え? 俺トイレ行ってないよ。外に出て違う部屋に行ってたんだよ」って。でも俺、絶対にトイレの中から「おい!」って言われたんですよ。あれは誰だったんだ? 確かに思い返すと、おじさんみたいに低い声だった気もするんですよね……。

──怖いですね……。隣の部屋に泊まっている男性の声、とかじゃないですよね?

森田 いやいやいや! 位置的にありえないです。

安井 (立ち上がって)入り口から見て左側が隣の部屋なんですけど、トイレは右側なんです! トイレの奥は俺たちのベッドルームだから、そっち側は別の部屋に面していなくて。これ、「スケアリーストーリーズ」の続編に、ぜひ入れてー!

森田 本当に、しっかりとした怖い話なんですよ(笑)。今でもそのホテルに行くのがめちゃくちゃ怖いんです。

安井 そこの10階はほかにもいろいろ事件が起きているらしくて、シンプルに“いる”みたいなんです。ああいう状況でトイレのドアを開けて、この映画の“青白い女”が出てきたら、もうおしまいだよ。

「スケアリーストーリーズ 怖い本」より、青白い女。

森田 うわ、それは本当にヤバい! この作品のキャラクター、キャッチーだから脳に刷り込まれるんですよ。しかもいろんなシチュエーションでの怖い話があったから……。例えばおじいちゃんたちに会うために田舎に行ったら、田んぼがあるじゃん? そこに立ってるかかしも怖くなっちゃうし。病院に行ったら青白い女が出るかもしれないし。

安井 かかしは畑や田んぼじゃないとダメだけど、変な話、この女の人はどこでもいけるよ。油断できない!

カップルで観に行くのもいいんじゃない?(安井)

──では最後に、お二人がこの映画を周囲の人にお薦めするとしたら、どう紹介するか教えてください。

安井 観やすい!ってアピールします。ホラー映画ですが、そう思わずに観たほうがいいかもしれません。モンスターが出てくるのは見どころの1つですけど、それ以外にも物語としての面白さがあるので。例えば3時間ずっと緊張しているのはつらいと思いますが、この映画は90分くらいなので、ホラー映画に慣れていない人でもすっきり観られます。

「スケアリーストーリーズ 怖い本」

森田 「自分だったらどのキャラクターのポジションかな?」って考えながら観るのも楽しいと思います。性格によって見え方も変わってくるし、それくらい共感できるポイントがたくさんありました。

安井 カップルで観に行くのがいいんじゃないですか? 怖すぎると終わったあとに話が盛り上がらないかもしれないけど(笑)、この映画は適度に怖いシーンの吊り橋効果もありつつ、観終わったあとは劇中の謎についていろいろ話せるので!

森田 うん。1人で観るよりは、恋人や友達と観に行ったほうがより楽しめるかも。人への接し方を改めて考えることもできて、心が温かくなる部分もある映画でした。

左から安井謙太郎、森田美勇人。