湯浅テイストを盛り込みながらも、原作の要点は外していない
──ところで今回、園さんの監督作「TOKYO TRIBE」で主人公・海を演じたヒップホップアーティストのYOUNG DAISさんも、ククンというキャラクターの声優として参加していますね。劇中ではラップも披露していて……。
聴きました。長いライムだけど、いかにもYOUNG DAISらしいラップですよね(笑)。彼は、僕の映画に出てくれたときも、OKテイクはすべて一発録りなんですよ。こういうサブキャラクターたちの描き方もちゃんと現代の空気を取り込んでいるというか、独自の表現になっていて、僕は好きでした。そうやって湯浅監督のテイストを盛り込みながら、原作「デビルマン」の大事な部分は外してないのが、今回の「DEVILMAN crybaby」の魅力なんだと思いますね。
──エピソード4以降への期待も高まりますね。
ええ。せっかくなので、最初からもう一度、10話分を一気に観ようかなと(笑)。僕はこれまで、映像化された永井豪原作の作品はけっこう観てきましたが、個人的にはあまり満足できるものと出会えてなかった。でも「DEVILMAN crybaby」は期待できるんじゃないかと、嗅覚が働いたんですよね。その予感はやっぱり間違ってなかったという気が、すごくしています。
取材後に全話観賞した園子温からコメントが到着!
- あくまでも原作に忠実にありつつも、
まるで見たことない初めての映画を見ているかのようなスリリングな興奮があり、
後半は、怒涛の展開で時間を忘れて見入ってしまいました。必見です!
- Netflixオリジナルアニメ「DEVILMAN crybaby」(全10話)
- 2018年1月5日(金)より全世界で同時配信
- ストーリー
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平凡な高校生・不動明は、ある日親友の飛鳥了から地球の先住人類“デーモン(悪魔)”が復活し、世界に蔓延していることを知らされる。デーモンの証拠をつかむべく潜入したサバトパーティにて、悪魔に憑依される明。人間の心をあわせ持つデビルマンとなり、了とともにデーモンの悪行を暴こうと奔走するが……。
- スタッフ
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原作:永井豪「デビルマン」
監督:湯浅政明
脚本:大河内一楼
音楽:牛尾憲輔
主題歌:電気グルーヴ「MAN HUMAN」(Ki/oon Music)
キャラクターデザイン:倉島亜由美
デビルデザイン:押山清高
ラップ監修:KEN THE 390
アニメーション制作:サイエンスSARU - キャスト
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不動明:内山昂輝
飛鳥了:村瀬歩
牧村美樹:潘めぐみ
ミーコ:小清水亜美
シレーヌ:田中敦子
カイム:小山力也
ゼノン:アヴちゃん(女王蜂)長崎:津田健次郎
ワム:KEN THE 390
ガビ:木村昴
ククン:YOUNG DAIS
バボ:般若
ヒエ:AFRA
©Go Nagai-Devilman Crybaby Project
- 園子温(ソノシオン)
- 1961年12月18日生まれ、愛知県出身。1987年、「男の花道」でPFFグランプリを受賞。2008年「愛のむきだし」の第59回ベルリン国際映画祭フォーラム部門 カリガリ賞・国際批評家連盟賞受賞をはじめとして、「冷たい熱帯魚」「恋の罪」「ヒミズ」「地獄でなぜ悪い」などの監督作が、各国の映画賞に輝いた。2017年には、ロマンポルノリブートプロジェクトの一環として製作した「ANTIPORNO」を発表。4月6日公開のオムニバス映画「クソ野郎と美しき世界」では、稲垣吾郎主演のepisode.1で監督を務める。