「JUNK WORLD」監督:堀貴秀×野性爆弾・くっきー!対談|“我流”で生み出す不気味でかわいい何か、巨大セットが待ち構えるスタジオ見学レポートも (2/2)

監督:堀貴秀×野性爆弾・くっきー!

心ギュンギュン動かされた(くっきー!)

──くっきー!さんは、実際にやみけんスタジオを見学されてどう感じられましたか?

くっきー! 少年期、初めて感情を覚えたのがガンプラとか模型だったので、その頃の衝動を思い出しましたね。壮大かつオリジナリティにあふれてて、心ギュンギュン動かされました。もう創作する気がなくなるぐらい圧倒的なものを見せつけられました。監督の超一発目って、誰が観るかわからん状態で監督1人で作ってるだけやったんすよね?

 一番最初は本当に1人きりでしたね。

くっきー! ようあきらめんとされましたね(笑)。

 40歳手前で、ある意味もうラストチャンスだったんです。

左から堀貴秀、くっきー!

左から堀貴秀、くっきー!

──「JUNK WORLD」を観られた感想としては?

くっきー! 面白かったです。キャラクター、世界観、ストーリー性にワクワクさせられました。笑いあり、感動もあり、グロ的なものもあり、僕みたいな男子が好きそうなものがぎゅっと詰まってました。

──くっきー!さんも以前3Dプリンタを購入されてましたよね。

くっきー! 得体の知れない造形とか好きなんで買うたんですけど、実はまだ箱開けてない(笑)。骨とか生き物の何かを作ってみたいと思ったんですけど、さっき見学させてもろたみたいにまずデータが大事ですもんね。

 そう、最初にモデリングしなきゃいけないですね。

くっきー! そうですよね。それをまず覚えなきゃですよね。

──堀さんは、実際に3Dプリンタを導入してみて、どのように感じられていますか?

 手間を掛ければ掛けるほど本物にどんどん近付いていくんで、無限の可能性を感じてます。今後も作るうえで、絶対必須だと思ってますね。

「ヘルレイザー」好きの共通点

──スタジオ内に「エイリアン」(1979年)の模型もありましたが、堀さんは「JUNK HEAD」では「エイリアン」や「ヘル・レイザー」(1987年)からの影響を公言されていました。くっきー!さんも「ヘル・レイザー」がお好きなんですよね。

くっきー! おー、やっぱそうなんですね! 僕も「ヘル・レイザー」めっちゃ好きで。

 僕もバチバチきましたね、特に「ヘルレイザー2」(1988年)。

くっきー! 「2」の喉を切られる場面とかヤバかったですよね(笑)。「JUNK WORLD」観て、ええキャラやなって痺れたんですよね。異界ロビンとか「ヘル・レイザー」にいてもおかしくないような、得体の知れない邪悪さを感じました。そうか、だからグッとくる好きなキャラがいっぱいいるのかも。

2人が共通して好きな映画「ヘル・レイザー」。画像の「ピンヘッド」をはじめ個性豊かなキャラクターが多数登場する(写真提供:New World Pictures / Photofest / ゼータ イメージ)

2人が共通して好きな映画「ヘル・レイザー」。画像の「ピンヘッド」をはじめ個性豊かなキャラクターが多数登場する(写真提供:New World Pictures / Photofest / ゼータ イメージ)

──表現の中に不気味さが込められている点でお二人とも共通すると思うのですが、「ヘル・レイザー」からはデザイン面で影響を受けられた部分が大きいでしょうか。

 当時かなり影響を受けましたね。

くっきー! キャラクターの口周りを異様に凝ってる感じのデザインとかね。「ヘル・レイザー」ってただただグロい血まみれのシーンが続く感じがするんですけど、登場するキャラクターのビジュアルがエグいんですよね。そこにかっこよさを感じた。プラス、どういうつもり?みたいな行動の面白さ。

 あのキャラクターたちは快楽を与えようとして行動をしていて、そのへんのただ殺してくる殺人鬼の安い感じとは違うんですよね。

くっきー! 極端に言ったら、行きすぎた究極のSM。

 「JUNK WORLD」の服のデザインもSMの服から取ってきてるんです。

くっきー! 確かにレザー系ですもんね。

「JUNK WORLD」場面写真

「JUNK WORLD」場面写真

──くっきー!さんは石井聰亙(現・石井岳龍)作品もお好きかと思います。お二人は5歳差ですが、世代的にサイバーパンク的な世界観の影響もありますか?

 「マッドマックス」(1979年)とか影響を受けましたね。

くっきー! 「マッドマックス」好きですね、僕も。

──「JUNK HEAD」にはちょっとカンフーっぽい動きも入っていましたが、世代的にはそのへんの好みも被るでしょうか。

 前作で少林寺拳法みたいな動き入れましたね。

くっきー! ジェット・リーがまだリー・リンチェイの時代の世代でした。ジャッキー・チェンも好きです。ブルース・リーは通ってないんですよね。

 僕もジャッキー・チェン派でした。

くっきー! 僕は新しいのをあまり取り入れられへんタイプで、「ヘル・レイザー」「マッドマックス」もそうですけど、「ビー・バップ・ハイスクール」(1985年)「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985年)とか、古いのをずっと観ちゃうんですよね。

 昔の映画のほうが面白かったりする部分も多くて、今の映画はまとまりすぎてたり、大人しすぎる気がする。「仁義なき戦い」(1973年)とか昔のヤクザ映画だと、脇役が目立とうとしてガンガン出てくる。あの熱さがすごい好きで。

くっきー! 熱量というか汗臭さというか。

 昔の作品のほうがテンポは遅いんだけど、ああいう雰囲気を今風にスピード感を出したら全然まだいけると思う。

──脇役も立たせるというのは、「JUNK」シリーズにも通じることかもしれないですね。

 キャラ立ちは意識している点です。今の映画って有名な人が主役をやったら、周りはその人より目立っちゃダメみたいになってるじゃないですか。それがつまんないですよね。

──確かにそういう意味では、実写よりもコマ撮りのほうがそこらへんに気を使わなくてもいいですね(笑)。

 そうですね(笑)。気が小っちゃいんで、俺も。

「JUNK WORLD」場面写真

「JUNK WORLD」場面写真

気持ち悪いのって目がそそられません?(くっきー!)

──先日、堀さんにインタビューした際に、「自分で作ったものもオリジナルとは思ってなくて、今までの経験や見たものから、いいところをつまんで作ったのが作品だと思ってる」というふうにお話されていましたよね。

 “オリジナリティ”なんてあるのかわかんない。自分の知ってること、経験したことからしか表現は出てこないと思うんです。本当のオリジナルは、絵の具を垂らしてできた形ぐらいじゃないかと。ものを作る以上、1本の線や色に対しても何かしら自分の考えや思想を表現しますが、オリジナルが何かって言われたら、現在の自分の考え方とかだと思います。

──例えば、先ほどおっしゃられたように、昔の作品のテンポの遅さを現代風に速くしたり、自分流にアレンジすれば、アップデートされたまた違ったものが生まれてくるかもしれない。

 そういう考え方で作ったものをオリジナルと言えば、そうかもしれないですよね。

くっきー! 芸人もそうですけど、娯楽はすべて出尽くしてると思うんですよ。オリジナル部分って、あとはほんまに下敷きぐらい超絶細い隙間しか残ってないと思うんで。

くっきー!

くっきー!

──その中で模倣との違いは、どういったところに生まれてくると思いますか?

くっきー! 音楽とかもそうなんですけど、模倣のレベルを変えていくしかない気がします。「ここの模倣とここの模倣を足して」みたいな。模倣以外は、もうほんま細いところしかない。

──まさに好きなところやいいところをつまみ取ってそれを組み合わせる。

 作品を並べたときに、誰かが観て「同じじゃん」って言われなきゃいいっていうぐらいの感じがします。

──お二方ともグロいけどかわいいような不気味さと笑いが同居した表現を志向されています。なぜ不気味でグロテスクな要素に惹かれると思いますか。

くっきー! 気持ち悪いのってみんな目がそそられません? 深海魚とか、マダガスカルの知らん花とか、なんかそんなん注目してまうじゃないですか。知らん気持ち悪いもんに興味があるのかもしれない。

 普段の生活の中でも、ネズミの死骸だったり、ぐちゃっとした潰れた何かに魅力を感じます。ああ、こいつ少し前まで生きてたはずなのに、でも、潰れちゃったらただのぐちゃぐちゃの肉片になってるみたいな。そういうところに目が行ってしまうというのはありますよね。

堀貴秀

堀貴秀

──表現や芸がブレない印象がありますが、流行はどの程度意識されますか?

くっきー! 流行も意識してますよ。ギャルピースとか、そういう僕にとって意味のない流行を取り入れたりすることはありますね。かわいいじゃないですか、僕がギャルピースするって(笑)。

 僕たちの世代って、スマホのない世代じゃないですか。簡単に情報が入らない時代で、自分の身の周りに起こったことだけで生きる中で、自分というものが形成されていった世代。説教臭くなるけど、今はみんな若い頃からスマホで同じような情報を見て、自分の価値観もよくわからないまま育ってるのかもしれないなという気はちょっとします。

くっきー! 確かにね、同じものをみんなで見てますもんね。昔は無理やり楽しいものをねじ探してたというか。オリジナルどうこうで言えばラッキー世代かもしれないですね。ものがあんまりないからこそ、我流で何か作り出してたのかも。各々の遊び方とかハマったもんとか、育ってきた環境で脳みそがどうなるか変わると思いますね。

ずっと残ってる作品は「ちびまる子ちゃん」(堀)

──くっきー!さんは、ラジオでもよく「ビー・バップ・ハイスクール」の話をされてますが、今よりも1つの映画のことを考えてる時間が長かったからずっと記憶に残ってるような部分もあるでしょうか。

くっきー! 執着するというか、粘着質になってまうというか。娯楽がやっぱりバカみたいに少なかったので。

──堀さんは、そういう意味でずっと残ってる作品というのはありますか。

 意外と「ちびまる子ちゃん」かも。

──それは意外です……! テレビアニメですか?

 マンガのほうです。自分、すごい山奥の本屋とかも何もない田舎で育ったんですが、親戚のお姉ちゃんが隣に住んでて、「りぼん」とか読まなくなったのを俺にくれるんですよ。だから、ちっちゃい頃、少女マンガばっかり読んでたんです。

くっきー! ほんなら、なんで少女マンガ上がりの人間があんなえぐい下ネタ入れてるんやろって思いますよ、マジ謎ですわ(笑)。「ちびまる子ちゃん」に出てこないでしょ。

 (笑)。あったかなぁ……。

くっきー! いや、ないですって!

くっきー!

くっきー!

 ないか(笑)。でも、少女マンガって、心情描写や心の表れを丁寧に表現するじゃないですか。それと比べたら少年マンガは、もうボコボコ殴るだけ。いまだにアクション映画とかそんなに好きじゃないのも、少年マンガをあまり読んでなかったことから来てるのかも。

──実は、物語への興味っていうのは、少女マンガに原点があったかもしれないということですか。

 その可能性はちょっと感じてますね。

──てっきりずっとSFがお好きでいらしたのかと思いました。

 SFは映画を観始めてから好きになって、こんな見たことない世界があるんだと思ったけれども、その前は普通に「ホットロード」の紡木たくとか好きでしたね。思春期に、彼女のマンガを読んでちょっとキュンとしたりしてました。くっきー!さんは仕事とか考えず一番やりたいことってなんですか?

くっきー! 一番はバンドですかね。パンクがずっと好きで、バンドもやってます。でも、パンクの人ってメジャーデビューはダサいって考えがあって。普段は肉体労働、土日だけバンドみたいな人ばっかりやったんですよ。それが当たり前で、音楽はそういう考えでやってますね。

──お笑いで売れるっていうこととの折り合いはどういうふうにできたんですか。

くっきー! 売れるためにボケを寄せたことは一切ないですよ。どんどん仕事なくなった時期もありましたけど、そういうのを経て、「こういうこと言いよるやつや」って周りに認知されてきて、逆に出たらあかん番組をへつってもらった。だから今は奇抜な発言しても大丈夫な、出てええもんだけ出させてもらってるって感じじゃないですかね。

くっきー!がいつか映画を撮る?

──お二人の共通点として、表現活動が広がっていった印象を受けます。堀さんは絵画や人形制作、木彫り、内装業、マンガから映画へ、くっきー!さんもお笑いを軸に、絵画、音楽、立体アート、小道具制作をやられています。何が創作の原動力となっているのでしょうか。

 やらなきゃ自分が消えちゃうぐらいの不安感で作り続けてる気がします。そういうことをしない自分には価値があるのだろうかと思ってしまう。だからがんばり続けるしかないっていう感じですね。

くっきー! 私は死ぬのがめっちゃ嫌なんですよ。ずっと生きていたいけど、いつかは死んでまう。だから、いっぱいものを残して、死んでない感を出したいというか。

──お笑いをやっている間にそういう考えに至った?

くっきー! お笑いって残らないですよね。でも、映画って「ヘル・レイザー」や「マッドマックス」のように、後世に語り継がれるじゃないですか。お笑いはそういうのがないんで、別のものとして残したいんですよね。

──そういう意味では、くっきー!さんもいつか映画を撮ってみたい気持ちもありますか?

くっきー!  めちゃめちゃありますね。僕も意味わからん短編を遊びで撮ったことはあるんですけど、今度ちょっと監督とダブルネームで一度……フィギュアたちの間に僕だけ実写で入れさせてもろて(笑)。

 僕、「コマ撮りアニメ作家」と呼ばれるのが嫌で。実写でも作りたいアイデアのストックがすでにあるんですよ。なので、そのときはお願いします(笑)。

くっきー! ありがとうございます、楽しみ。でも、チンポ食うのだけは勘弁ですね(笑)。

左から堀貴秀、くっきー!

左から堀貴秀、くっきー!

──あと、お二方とも、もともと現在のジャンルを志望されていたわけではないということも共通されるかと思います。くっきー!さんはバンド仲間からの誘いでNSCに入られ、堀さんも当初は画家志望だった。他ジャンルの視点を持ち込むことで、お笑い、ストップモーションそれぞれの今までの表現とまた違ったものが生まれているように感じます。

 結果的には、今までのいろんな経験がほぼほぼ役に立ちました。運がよかったですね。実はホストもやったことがあります。

くっきー! 基本的なお笑いを知らんまま入ってるから、逆に奇抜な芸人やっていう扱いされて、それで日の目を浴びれたからラッキーかもしれないですね。

 じゃあ、同じですね。自分もコマ撮りのやり方なんか全然知らずに、実写みたいなのを作りたいなと思ってカメラをガンガン動かしてたら、コマ撮りらしからぬ表現になった。そのへんがウケたんです。

くっきー! 常識から逸脱してたってことですね。

「JUNK WORLD」場面写真

「JUNK WORLD」場面写真

──変なことしてやろうと狙っていたのではない。

 映画学校とか、まっとうな路線の教育を受けてない分、新しかったみたいですね。最初からイメージはほぼあって、技術はその場で考えながら「これ使えるかも」って感じでつまんで作っていった結果でした。僕はすごい人見知りで上がり症なんですが、映画の中だと好きなことを恥ずかしがらずにやれたんです。

くっきー! 芸人もあえて変なことしてやろうとすると、バレて寒なってしまうんすよ。「これやったら新しくてええやろ」みたいな感じで本筋を持ってないと痛いやつになってまう。監督みたいに、そういうつもりじゃないのに偶然そうなってたというのが一番いいんじゃないですかね。僕も音楽畑から入って、ネタ振りとか知らんままネタやってたから、唐突なボケと受け止められた。一応、自分の中では筋はあるんですけどね。

──それが「フリがない」とか「説明がない」みたいに映ったと。

くっきー! そうそう。ほんでぶっ飛んだネタみたいな扱いを受けた感じですね。

──伝わりにくかったり、気持ち悪がられたりしても、くっきー!さんはネタのやり方を変えなかった。

くっきー! やりたいことやらしてもらわれへんの嫌なんですよ。自分の思い通りできないのは嫌で。

 僕も映画にいくらでもお金を使っていいと言われたとしても、丸々絶対自分のしたい通りにしていいんだったらやるけど、それがダメなら別にお金いらない(笑)。

戦略として考えた何回も観たくなる仕組み

──くっきー!さんは「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(2022年)もお好きかと思いますが、「JUNK WORLD」の多次元的な世界観はどう見られましたか。

くっきー! パラレルワールドとか、タイムループとかめちゃめちゃときめきますよね。ただ、見逃したら離されてまう。3分寝たらもうわけわからんなって参りますから、映画としては最初からグッと(観客を)入らさなあかんですよね。初っ端のインパクト大事系ですね。

──堀さんは、この物語構造にすることへの心配もありましたか?

 ちょうど「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」(2023年)とか「エブエブ」とか出た頃に絵コンテを描いてて、先にやられたとちょっと思いました。でも、最初から何回も観てもらえる映画にならないと絶対当たらないと思ってたんです。そのためには、「もう1回このキャラ見たい」と思わせることを狙っていて。映画の今後の興行のあり方としても、1回観て終わりっていう映画はたぶん稼げないと思ったんですよね。

「JUNK WORLD」より、次元のゆがみに吸い込まれていくロビン

「JUNK WORLD」より、次元のゆがみに吸い込まれていくロビン

──そこの戦略があったんですね。

くっきー! へー、何回も観に行かすという。策士ですな。

 くっきー!さんは、1回観て、この映画の4幕構成の時間の流れ、理解できました?

くっきー! わかりましたよ。2幕で、1幕の謎部分が回収されるので、なんとなくシステムを理解できました。

 先行上映の反応では、やっぱりちょっとわかりにくいっていう感想もちらほらあって。2幕は、1幕が実はこうだったみたいな舞台裏。3幕は、タイムパラドックスで消滅する世界と平行世界の2つが重なってて、ちょっとわかりにくいかも。3幕目はトリスが死んだ世界線で、ロビンは別の平行世界に戻って彼女を助けようとする。だから1回トリスを殺しちゃってるんですよ。そういう複雑さはちょっとあるんですよね。

くっきー! あのタイムワープゾーンから異界ロビンたちが4、5体出てくるパターンかっこいいですね。

 別世界で勝手に進化したロビンが、大元のロビンを呼びに来たという設定なんです。

「JUNK WORLD」より、異界ロビンの登場シーン

「JUNK WORLD」より、異界ロビンの登場シーン

くっきー!が即興でマリガン描き下ろし

──最後にくっきー!さん、「JUNK」の世界に出てきそうなオリジナルのマリガンの絵を描いていただけますか。

くっきー! せっかくやったらね、次回作で本採用されることもあり得ますからね。

 まだ考えている段階なんで可能性はありますよ(笑)。基本的には彼らには目玉がないっていう体で、そういう生態に合わせた体の作り方をしてます。あんまり突拍子もない宇宙人じゃなくて、本当にいそうだなっていう感じでイメージしてます。

くっきー! 異様な進化の過程でそうなってまいそうやなっていう感じですよね。

オリジナルのマリガンを描き進めるくっきー!
オリジナルのマリガンを描き進めるくっきー!

オリジナルのマリガンを描き進めるくっきー!

くっきー! 監督、意外といいですよ。できました。

一同 (笑)

 目なしって言ったのに(笑)。

くっきー! ずっと壁にくっついてるんですけど、かわいいですね。

描き下ろしたマリガン「ビヨンド」の生態を説明するくっきー!

描き下ろしたマリガン「ビヨンド」の生態を説明するくっきー!

 次回作にしれっと出しておきます。

くっきー! これやったら一瞬だけふぁって出させられますね(笑)。

くっきー!オリジナルのマリガン「ビヨンド」

くっきー!オリジナルのマリガン「ビヨンド」

プロフィール

堀貴秀(ホリタカヒデ)

1971年生まれ、大分県出身。内装業の傍ら、絵画・彫刻、人形制作などのアート活動を続ける。2009年に自主制作でコマ撮りアニメーションの短編「JUNK HEAD1」の制作を開始。2013年に完成した同作でゆうばり国際ファンタスティック映画祭の短編部門グランプリを獲得した。1人で20役以上をこなした長編版の「JUNK HEAD」はギレルモ・デル・トロから激賞され、ファンタジア国際映画祭では最優秀長編アニメーション賞を受賞。3部作として構想され、前日譚を描く「JUNK WORLD」は2作目となる。

くっきー!

1976年3月12日生まれ、滋賀県出身。お笑い芸人。幼稚園からの幼なじみだったロッシーと1994年4月に野性爆弾を結成する。くっきー!はネタ作りからコントの小道具まですべて自身が手がけ、その独特な芸風でコアなファンを獲得。また、アーティスト「COOKIE!」として、オリジナリティあふれる作品を制作している。唯一無二の世界観が評価され、ニューヨークで開催されるアートマーケット「ARTEXPO NEW YORK 2019」にてもっとも注目するアーティスト5人に選出され、2020年より本格的にアート活動を開始。自身のYouTubeチャンネルでは、オーダーメイドのデニム制作や時計、バイク、音楽など、自身の好きなものを発信。趣味の域を超えた豊富な知識で多岐に渡って活動している。