「ゴールド・ボーイ」岡田将生がダークな殺人犯役を体現、フレッシュな俳優たちとの共演を楽しむ (2/2)

殺害方法を話せる相手なんて普通はいない

──東昇が朝陽たちの前で“うれしそうに”殺害方法について明かすシーンは、思わずクスッと笑ってしまいました。通常であればそんな話は怖がって聞きたくないはずなのに、そうではないところがとても興味深かったです。

どちらもサイコパス感があって面白いシーンですよね。殺害方法を話せる相手なんて普通はいない。東昇も興奮していたはずですし、あの時点で子供たちをどう殺すかも考えていたと思うので、きっと楽しくて仕方がなかったんでしょうね(笑)。

岡田将生

岡田将生

──怖すぎます(笑)。そんな東昇が朝陽たちに向かって「大人を舐めるな!」と怒るシーンがありますが、岡田さんは過去に「大人を舐めないほうがいいな」と実感した経験はありますか?

中学生の頃は学校の先生に生意気な態度を取って怒られたこともありましたが、高校生になって今のお仕事を始めてからは、右も左もわからない状況で、大人を舐めてかかるなんてことは一切なかったです。お仕事の現場では常に“必死で学ばなければ”という姿勢でいたのを覚えています。

「ゴールド・ボーイ」場面写真

「ゴールド・ボーイ」場面写真

──本作を観たあと、ケヴィン・ベーコン主演の「COP CAR/コップ・カー」という映画を思い出しました。少年2人が悪徳保安官のパトカーを盗んでとんでもない目に遭うんです。本作とも少し通ずるものを感じたのですが、岡田さんはご覧になったことはありますか?

確か10年近く前の作品ですよね。僕も観たことがあります。ケヴィン・ベーコンがめちゃくちゃ暴走する保安官を演じていて驚いた記憶があります。少年たちをとことん追い詰める姿は怖かったです。「COP CAR/コップ・カー」の少年2人はいわゆる“悪ガキ”でしたけど、朝陽たちは彼らとちょっとタイプが違っていて、「大人を舐めるな」と言われてもあまり響いてないっていう(笑)。でも、どこか通ずるものを感じたというのは面白い感想ですね。

ドキュメンタリー作品にハマっていて

──本作のように“追い詰める側”と“追い詰められる側”の心理戦を描いた映画で好きな作品はありますか?

昔から好きなのは韓国映画の「殺人の追憶」です。この映画は犯人が誰かわからないまま展開していくので“追い詰められる側”の視点は描かれていませんが、犯人を追う警察の描写がすごく面白くて観るたびに圧倒されます。あと、少し前に観た台湾版のドラマ「模仿犯」も面白かったです。

「ゴールド・ボーイ」場面写真

「ゴールド・ボーイ」場面写真

「ゴールド・ボーイ」場面写真

「ゴールド・ボーイ」場面写真

──最近観たお薦めの映画も教えていただけますか。

最近はアニメ「進撃の巨人」とドキュメンタリー作品にハマっていて、内戦が続くシリアを舞台にした映画「娘は戦場で生まれた」と、アフガニスタンからデンマークへ亡命した男の半生を描いた「FLEE フリー」がお薦めです。今こうしてお話している間にも戦争は各地で起きていて、悲惨な状況に苦しんでいる人たちが世界中にいる。まだまだ知らないことも多く、移民に関することもちゃんと学んで理解しなければいけないと思うんです。もちろんネットやテレビのニュースでも情報収集はできますが、当事者の声を聞くならドキュメンタリーがいいのではと思い、それからドキュメンタリー作品を観るようになりました。

──では最後に、本作を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

東昇という男の生き様みたいなものをワンシーン、ワンシーンに出せたらいいなと思って演じました。きっと皆さんが予想もつかないような面白い展開になっていると思うので、ぜひ劇場の大きなスクリーンで楽しんでいただけたらうれしいです。

岡田将生

岡田将生

プロフィール

岡田将生(オカダマサキ)

1989年8月15日生まれ、東京都出身。2006年にデビューし、2009年に「重力ピエロ」「ホノカアボーイ」などでの演技を評価され第52回ブルーリボン賞新人賞に輝く。2010年には「告白」「悪人」で第34回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。そのほかの出演作に、ドラマ「ゆとりですがなにか」「大豆田とわ子と三人の元夫」「ザ・トラベルナース」、連続テレビ小説「なつぞら」、映画「ドライブ・マイ・カー」「1秒先の彼」「ゆとりですがなにか インターナショナル」などがある。待機作に、満島ひかりと共演した2024年夏公開の映画「ラストマイル」があるほか、高畑充希とダブル主演を務めたドラマ「1122 いいふうふ」が6月にPrime Videoで配信を控える。

衣装協力
コート / SCYE BASICS
シャツ、パンツ、サスペンダー / HUM VENT
ネックレス、指輪 / END