夢はいらない、夢に生きる（甲斐）

──甲斐さんはもともと俳優を目指していたわけではないとのことですが、お二人の小さい頃の夢はなんだったのでしょうか？

甲斐　全然なかったですね。幼稚園の頃は、（仮面ライダー）クウガだったな。

松田　私、保育園の卒業式で「レジのお姉さんになりたい」って言ってた。あのピッピッて作業をやりたかったんでしょうね。小学校に入ってからは一貫して「お金持ちになりたい」としか書いてなかったなあ。とにかく人よりも幸せになりたかったんだろうね（笑）。お金があれば幸せかどうかっていうと、また話が複雑になっちゃうけど。

甲斐　哲学だ。

──お金持ちになるのが夢だった松田さんが、女優を目指すことになったきっかけは？

松田　高2のときに出ていた沖縄のバラエティ番組のプロデューサーさんに、「東京に行きなよ」って言われたんです。「わかった！」って言って東京に出てきて、さて何をしましょうってなったときに、なんとなく女優かなと。ちょっとやってみようと思った感じです。

甲斐　周りにも、わりと「俳優になりたくてのし上がってきました！」って人は少ないよね。それができる人はすでに絶対的な実力を持っているし。難しい世界だなと思います。

松田　なりたくてもなれない人もいるし、なりたくなくてもなっちゃう人だっている。

甲斐　なろうとしてなかったけどなっちゃった人が、俺。

松田　才能あるよね。

甲斐　うーん……。悪い意味ではなく、俳優になるなんて考えたこともなかったんだよね。

松田　でも、それで楽しさを見いだせたんならいいんじゃない？ きっかけがなんであれ。

──では今現在、お二人の夢は？

松田　夢かあ……事務所の大黒柱にはなりたいです。

甲斐　カッコいい！

松田　夢だから、自由に設定していいんだよ（笑）。今の事務所は、ほとんど無名の私を沖縄から引っ張ってきて、ここまで連れてきてくれたので、何か恩返しがしたいんです。あとは、とにかくいろんな作品に出たいな。特に今の私は、作品やジャンルを選んでいられる立場じゃない気がしていて。だから、いただいた役をとにかく一生懸命やる。それで、観ている方々に「またお前か！」って言われるくらいたくさんの作品に出たいです。それもきちんと実力で選ばれて、役をいただきたい。

甲斐　僕も、どんな役でもやりたいです。とりあえず顔を覚えてもらうことが、まずは目標ですよね。夢というより。

松田　確かに。夢じゃなくて目標だね！

甲斐　夢は……いらない。

松田　大きく出たね。

甲斐　幸せになることが夢です。今も幸せだから、叶っているんです。……僕の夢は、叶い続けている。僕の夢は、夢が終わらないことです。夢の中に生きる。

松田　どうしたの、ポエム？（笑） じゃあ「夢に生きる」って、インタビューの見出しに書いてもらおうね。

──はい（笑）。では最後に改めて、「パラドクスwithポッピー」を観る方へ一言お願いします。

甲斐　そうですね。「トゥルー・エンディング」から2年後に永夢たちがどうなっているのかと、今回の敵は誰なのかが見どころです。あとは、パラドとブラックパラドの演じ分けを観てほしい。今回一番大変だった部分が、皆さんの目にどう映るのか気になるので。ぜひ感想はリプライで送っていただきたいです。

松田　私からは……3本すべて観るには、かなり消費カロリーの高い作品だと思うので、心して観てください！ それに尽きます。