映画「
本作では、子供が親を選べないことを指すネットスラングの“親ガチャ”をテーマに、暴力団員の父親を持つ思春期の女子高校生・神谷優子の日常が崩れていくさまが描かれる。“普通”であることに幸せを感じる優子に瀬戸、優子を大事に育ててきたヤクザの父親に柳が扮した。
本作は撮影終了から長い時を経て、このたび公開に至った。佐藤は「座席予約が開始されたときから『あと4席(で完売!)』『あと3席!』とグループLINEが飛び交いました(笑)」とにっこり。「サブスクが隆盛している今、広い空間を真っ暗にして、大きいスクリーンでみんなと時間を共有することは映画のエネルギーになります。仲間と作った作品をこうして観てもらえるのがうれしい」と感慨深げな様子を見せる。柳も「優子(瀬戸)の髪も伸びまして、時間の流れを感じますよね」とほほえんだ。
撮影時のエピソードを求められると、優子の父の友人役を担った河野は「沼津で泊まりながら撮影しましたが、毎日飲み会をして、次の日に支障が出るくらい盛り上がってしまった(笑)。佐藤くんと同じ部屋で、朝まで話に花を咲かせました」と振り返る。沼津はアニメ「ラブライブ!」の舞台になっていることから、宿泊先のホテルが同作のファンで混雑していたそうで、柳は「1回追い出されましたよね(笑)。落ち着いた頃にひっそり帰ってきました。未だに『ラブライブ!』のラッピングバスを見ると思い出します」と話した。
さらに瀬戸は、柳について「暗めの役柄を演じられる印象でしたので、父親を演じるということが意外でした」と回想。大島は「メイクルームで憂怜さんに、昔(ビート)たけしさんから焼肉をおごってもらったという話をできたことが一番の思い出」と口にし、「それはたけしさんとのエピソードじゃん!」とツッコまれていた。
柳が「とにかく映像がきれい」と本作を評すると、佐藤は「この業界に入ったのが照明部だったので、太陽の位置とかを見て撮影するのが好きなんです。沼津市は太陽のポジションやロケ地とのバランスがよくて、ロケハンのときに『この時間、ここで芝居したらよくなるんじゃないか』とずっと考えていました」と述懐する。さらに柳は「地元の方の協力もありがたかったですよね!」と切り出し、「いろいろなシーンに地元の人が映っていて」と続ける。沖いわく、佐藤は撮影中に通りかかった人にも出演の声掛けをしていたといい、佐藤は「助監督がトランシーバーで『すみません、人が来たので(撮影を)止めてください』と言ったときに『その人はどんな人相なんだ』と聞いたりしました(笑)」と打ち明けた。
最後に柳は「面白いと思ったら宣伝していただけると、映画界の発展に繋がります。『全米が感動した』とか派手なやつをお願いします!」と挨拶して観客を笑わせ、瀬戸は「初主演の作品ですので、多くの方に観ていただきたい。作品のテーマでもある『普通ってなんだろう』ということについて、ぜひ話し合ってもらえるとうれしいです」と言葉を紡ぐ。そして佐藤は「この映画は自主宣伝ですが、俳優やスタッフのおかげで初日も席が埋まっています。10年ぶりにインディーズ映画に携わりましたが、初心に戻った感じがして商業(映画)よりもいい気分。みんなに出会えたのも映画の力です」と伝えた。
豊田 崇史 @toyotadear
今日の初日舞台挨拶がもう記事にっ‼️ https://t.co/sbMKhRODWb