大河ドラマ「鎌倉殿の13人」や映画「キングダム2 遥かなる大地へ」で知られる俳優・
「マサマサ」は、オーディオドラマの脚本賞である「北のシナリオ大賞」の第20回大賞受賞作。主人公は、北海道東部にある動物園の主任飼育員・谷那月だ。那月がなかなか心を開こうとしない子供のオオカミ・マサの世話をして1年が過ぎた頃、もう一度オオカミの群れを作り上げ、生態系のバランスを取り戻そうとする国家プロジェクト「オオカミ再導入」にマサが駆り出されることから物語が展開していく。
那月役の山本は「耳で聴くからこそ、より没入することができる、すばらしい脚本ですので、よりたくさんの方に聴いていただきたいと思います」とメッセージを送る。脚本家の久継遥々(くぬきはるばる)、演出家の南崎美玖から届いたコメントは下記の通り。なお、山本のほかには
※南崎美玖の崎は立つ崎が正式表記
FMシアター「マサマサ」
NHK-FM 2024年9月28日(土)22:00~22:50
※らじる★らじるでリアルタイム・聴き逃し配信予定
山本千尋 コメント
脚本を読んでみて
脚本を頂いた第一印象は、聞く人によって、色々な感じ方ができるお話だと感じました。SFの作品と思う人もいれば、ヒューマンドラマだと思う人もいるかと思います。
個人的には、私ももうすぐ2歳になる犬を飼っているので、「動物園の飼育員」という役どころと共感できることがたくさんありました。家で読んだのですが、犬が目の前にくると、劇中のオオカミ・マサと重ね合わせてしまうこともあり、めちゃくちゃ泣きました。動物を飼っている方・動物好きな方にも、すごく刺さる作品だと思います。
メッセージ
共感性が強い物語でもありながら、SFファンタジーな部分もあり、もしかしたら10数年後にドラマの中の話(オオカミ再導入)が現実に行われているかもしれない、という未来を予想しながら、今回は目ではなく「耳」で想像できるということがすごく楽しいと思っています。耳で聴くからこそ、より没入することができる、すばらしい脚本ですので、よりたくさんの方に聴いていただきたいと思います。
久継遥々 コメント
執筆にあたって
北海道の物語を描くにあたり、自分の琴線に触れるような題材を選びたいと思っていました。報道されているシカ被害も天敵であるオオカミがいればここまで深刻化しなかったかもしれないという話を知り、絶滅したエゾオオカミとその歴史を探ったことが構想の原点になりました。オオカミ再導入を物語のベースにして、その上に人間のドラマや人間と自然の関係性などを紡げないかな、と考えながら書きました。
メッセージ
フィクションではありますが、歴史や科学的な事実、現実でもあり得そうな内容を土台にした物語です。登場人物達それぞれの信念や気持ちのぶつかり合い、自然・動物の思い・叫びみたいなものを感じてもらえると嬉しいです。と書くと固く聞こえますが、息を抜けるシーンも散りばめているので、ぜひ肩の力を抜いて、「もしかしたら近い将来こんな事も起こるかもしれない」なんて思いながら、たくさんの方々に楽しんで聴いていただけたら心から嬉しく思います。
南崎美玖 コメント
「北海道の森に、もしエゾオオカミが復活したら…?」読み進めるごとに新しい真実が分かるストーリーに、ページをめくる手が止まらず、このシナリオをぜひドラマ化したい!と思いました。「オオカミ再導入」はSF的なテーマに聞こえるかもしれませんが、調べれば調べるほど世界的にも、ここ北海道でも切実で身近な問題として研究も進んでいる話でした。そういう野生動物と人間はどう共生していけるのか、というような大きなテーマもありつつ、あくまで物語として楽しみながら聞いてもらうには…ということで、脚本家やキャスト、スタッフのみなさんと試行錯誤しました。
自身の愛犬とこの物語のオオカミ・マサを重ね合わせてくれたという山本さんの声が主人公・那月の動物へのまっすぐな思いを凛とした声で表現してくれています。実は、演出を考える中で一番悩んだところが、オオカミの表現をどうするか?だったのですが、声優の宮崎さんが見事にマサに命を吹き込んでくれました。ぜひ、そこにも注目していただきたいです。ビジュアルのないオーディオドラマだからこそ、よりリアルな息遣いや体温まで感じられるような、臨場感のあるドラマ体験を目指しました。ぜひお楽しみください!
宮崎寛務 @hiromumanjuu
!!! https://t.co/5d1eKgK8cn