アニメーション映画「
本作は、人の感情が色として見える少女・日暮トツ子が、美しい色を放つ少女・作永きみ、音楽好きの少年・影平ルイとバンドしろねこ堂を組んで、心を通わせていくさまを描いた青春物語。トツ子を鈴川、きみを高石、ルイを木戸が演じ、トツ子のルームメイトで吹奏楽部の百道さくにやす子が声を当てた。
山田は「足元の悪い中、本当に来てくださってありがとうございます」と感謝し、「作品を公開する日、いつも土砂降りの雨が降るんです。雨の神様が守ってくれているのかしらと思っていたんですが、今回はやりすぎ、神様のサポート手厚すぎと思っています」と苦笑い。客席からは笑いが起こった。
本作でアフレコ初挑戦を果たしたキャストたち。鈴川は「最初は台本の持ち方もわからないですし、(高石、木戸と)初めましてで緊張もしていたんです。でもアフレコを重ねるうちに、トツ子ときみ、ルイと同じように、距離を縮められました」と振り返る。高石も「ちょっとずつ打ち解けていくような感覚が映画に乗っているのかなと思います」と述懐。木戸は「紗由ちゃんはオーディションのときからトツ子と同じ髪型で、実写版トツ子がいる!という印象がありました」と振り返り、「アフレコ初日は僕らも緊張していたんですが、誰よりも監督が緊張していて」と明かす。これを受けた山田は「あのアフレコブースが悪いんかな?(笑)」と言いつつ、「(ブースに)入った瞬間に目の前にしろねこ堂の3人がいる!って思って。まぶしくて見えなくなっちゃいました」と回想。そして「皆さん優しい声を持っているし、かわいいし、でも思春期の鋭さも持っている。本当にぴったりでした」とたたえる。
アフレコ中に「はい~!」だけは言わないようにとマネージャーから注意されていたやす子。「最初は怖かったけど、初めてのアフレコが山田監督の作品だったから、おじけずに楽しく最後まで終えることができました。はい~」と話す。山田はやす子がアドリブで「大太鼓、重たいよ」と繰り返し歌っていたことに触れ、「韻を踏んでいて、なんか感動してしまって!」と語る。アドリブは実際に使われているそうで、やす子は「注意深く観ていただけたら!」とアピールした。
イベント中盤には、本作を鑑賞した
また公開を祝って、キャストから山田にサプライズプレゼントが贈られる一幕も。木戸からは花束、高石からは思い出の写真を集めたフォトパネルが手渡された。鈴川は手紙で山田とのぎこちなかった出会いから、心の距離が縮まっていくまでを振り返る。「以前取材のときに『生まれてきてくれてありがとう』と言ってくれたときは、胸がいっぱいで泣きそうになりました」と口にし、「何者でもなかった私を、トツ子として見つけてくれてありがとうございました」と涙ながらに感謝した。
最後に山田は「本当にみんなで心を込めて、肩を組んで作った作品です。皆さんも愛してくださったらうれしいなと思います」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。
「きみの色」は全国で公開中。「たまこラブストーリー」「リズと青い鳥」などで山田と組んだ
※高石あかりの高は、はしごだかが正式表記
新海誠 コメント
映画「きみの色」、試写でひとあし先に拝見しました!
とても優しくて可愛らしく柔らかい映画だけれど、とても強い覚悟に満ちた作品でもありました。今、この作品を作り上げるなんて凄、、、! 企画を含め制作はきっと戦いだったのではないかと、勝手に想像してしまいます。とても勇気づけられるし、憧れます。
それぞれの映画に「色」があるとして、「きみの色」は世界に存在する色そのものを押し広げるような、目に映る色数を増やしてくれるような、そんな無二の映画でした。
松岡茉優 コメント
あなたの焦りも、ときめきも、あなただけのものでそれを侵すことは誰にも出来やしない。山田尚子さんの描く若者はこの上なく優しく眩しい。誰しもこうであったのかな。誰しもこんなに明るい光が差しているのかな。
「山田尚子監督×ギターを持った女の子」は高校生のころに「けいおん!」を見てギブソンを買った私には刺さりすぎるものがありました。クライマックス、全てを許されて踊ることができます。あの空間をぜひ、劇場で体感してください。
「きみの色」オリジナルグッズ販売
アニメーション映画「きみの色」本予告
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「きみの色」山田尚子が鈴川紗由、高石あかり、木戸大聖を称賛「優しい声を持っている」: アニメーション映画「きみの色」の初日舞台挨拶が昨日8月31日に行われ、声のキャストの鈴川紗由、高石あかり、木戸大聖、やす子、監督の山田尚子が登壇した。 https://t.co/IOpWpN7REZ