映画「
舞台挨拶ではキャスト陣が映画を2回、3回と観たくなる注目ポイントや好きなシーンの魅力をトーク。菅田は車坂朝晴を演じた松下が焼き芋を半分に分けて差し出す場面に触れ「すごく、かわいい言い方してたんです。(脱力して)『焼き芋ー』って。その言い方がすごい好き。その日はクランクインだったんですが、朝ちゃん完璧だと思いましたね。それからの撮影がすっごい楽しみになりました」と振り返る。菅田お気に入りの「焼き芋ー」のトーンを松下本人はあまり覚えてないようで「初日で緊張してたというのもあって、焼き芋を渡すときに変な言い方しちゃったなっていう記憶はあります(笑)。もう1回スクリーンで確認します」と話した。
松下は「誰が犯人なのか?という謎解きを楽しんでいただくために、映画の中に、それぞれ怪しいカットがちりばめられているんです」と言及。中でも松下と菅田は狩集理紀之助(りきのすけ)を演じた町田が怪しいシーンがお気に入りだそう。菅田は「廊下の町田くん。止まって外を見る背中のカットとか。庭園で1人遠く見てるとことか」、松下も「町田くんの眼鏡がキラーン!って光る瞬間もあって。俺、あそこ好きだなあ。『絶対犯人じゃん』って思いました」と紹介。眼鏡がキラーン!のカットは相当テイク数を重ねたそうで、町田は「何回もやりました。後ろの太陽の光が眼鏡からちょうどこぼれてほしかったんです。mm単位で調整しました」と、アナログな方法で眼鏡のきらめきを苦心して作り出したことを振り返った。
町田は「僕はぜんぜん気付かなったんですけど、利久くんアドリブ入れてたよね?」と回想。菅田も「確かに、今回一番、アドリブを果敢に入れてたかも」と同意する。萩原演じる波々壁新音(ははかべねお)の「ブロッコリー」というセリフは、原作にある「カリフラワー」を意識したセリフだそう。町田は「原作愛にあふれているし、よく出てきたなと思いましたね」とたたえ、萩原は「自分の中で『ブロッコリー』でいくか、原作通りに『カリフラワー』でいくか、だいぶ審議がありました」と説明。脚本にはないセリフのため、現場のリハーサルで初めて耳にした松山は「ぶっこんできたな!と思いましたね。でもいいなと思ったので、そのまま使ってます」と明かした。
菅田も「監督とも、事件とは関係ないんだけど、そういうちょっとした本人の性格が見えるようなセリフは足したいねとは話してたんですよ。(萩原が)初日にいきなりぶっ込んでくれたから、素晴らしいハートでした」と称賛。一方で整がトイレに行こうとする瞬間に新音が「漏らすなよ。漏らすなよ」と声をかけるアドリブもあったそうで、菅田は「それに関してはカットになりました……(笑)」と打ち明ける。萩原は「新音はみんなと比べると口数が多くて、入れやすくて反応しやすかったのはありますね」と、アドリブが多くなった理由を明かした。
萩原はうれしかった感想として「だんだん狩集家のみんなが本当のいとこ同士に見えてきた」という言葉を紹介。「撮影に入るとき、いとこ感を出すのが難しかったんです。兄妹とも違うし、友達でもない。どうやったら出せるのか?と思ってたんですけど、仲良くたくさんお話できたおかげか。観ている人にも感じていただけたらうれしい」とアピールする。菅田が「シンプルに、ある日から顔ちょっと似てない?と思いました。だんだん利久が町田くんに似てきて、柴咲さんにも似てきて」と同意すると、松下が突然「最後、1つになる……」とボケて会場の笑いを誘っていた。
最後に菅田は「ドラマのときから、いろんな整くんの素敵な言葉を、田村先生の言葉を言わせてもらってきました。この映画の中にも『人は弱くて当たり前だと、誰もがそう思えたらいい』という好きなセリフがあります。グッとくる、救われるセリフだと思って。田村先生の言葉の強さを素直に届けられたらと思って現場に入りました」と述懐。さらに「いざ現場で整くんとして言ってみると、少し悲しい気持ちにもなりました。なんでか考えたんですが、本当であれば、こんな言葉を言わずに済む世の中であれば一番いい。ピースというか、今日みたいにただただ笑えるような。そんな世界になるといいなと思いました。その言葉が皆さんに染みていくことを、それが未来につながっていくことを願っております」と話して、イベントを締めくくった。
菅田将暉ニュース @sdmsk_news
菅田将暉が届けたい「ミステリと言う勿れ」整の言葉とは、萩原利久のアドリブ秘話も(写真12枚) - 映画ナタリー https://t.co/j6lOpooBgy https://t.co/0sxqZ5VGd6