「フランス映画祭2022 横浜」にラインナップされた「
本作は、オノレ・ド・バルザックの小説をグザヴィエ・ジャノリが実写化した社会派ドラマ。恐怖政治時代が終わり、現代でいうフェイクニュースやステルスマーケティングが横行した19世紀フランスのメディアの状況を鋭く描き出す。田舎からパリへ移り、新聞記者として働く青年リュシアンをヴォワザンが演じた。
ヴォワザンは「この原作は、フランス人だったら若い頃に読む小説なんです。僕も高校生くらいで読んだのですが、その当時は小説を味わえるほどに成熟していませんでした。でも祖父はこの小説が大好きでした。孫である僕の主演で映画化されるということになり、祖父は涙を浮かべて喜んでくれました。本当に感激しましたし、素晴らしい機会を与えてくれた監督に感謝します」と述懐する。
共演者とのエピソードを尋ねられると「ジェラール・ドパルデューは、撮影初日の朝7時、スクーターに乗ってやって来ました。そしてみんなにワインと骨付きの大きな肉を振る舞ってくれた。彼ならではという感じでしたね。でもいざ本番となるとセリフが完璧に頭に入っていました」「彼の目を見ていると、撮影現場で彼がどれだけのことを経験してきたのか思い知らされるようでした」と回答。ヴァンサン・ラコスト、グザヴィエ・ドランについては「彼らは近い年代の俳優なので、思い出も多いですね。次はいつ現場で一緒になるかなと楽しみにしていたんです」と振り返った。
またセシル・ド・フランスの話題が挙がると、ヴォワザンは「彼女は本当に素晴らしい女優で、あの集中力の高さは見習いたいです。撮影現場では、照明を準備するのに本当に時間がかかります。本来ならスタンドインという代役の人で光のチェックを行い、俳優はそこにいなくてもいい。でも彼女はどういうふうにカメラの光が作られるのか見てみたいと言い、控え室には戻らなかったこともありました。本当にプロフェッショナルで素晴らしいことだと思いました」と尊敬しきり。ジャンヌ・バリバールに関しては「2日目くらいに『お願いだから100%完璧に演じきるのはやめてくれない? 観客にも想像する余地を残してくれない?』と言われたことがあって。参考になりましたね」と語った。
第47回セザール賞で作品賞など最多7冠に輝いた「幻滅」は、2023年に全国で公開される。
※「幻滅」はR15+指定作品
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「幻滅」主演バンジャマン・ヴォワザンが来日、グザヴィエ・ドランら共演者を語る(ナタリー)
「フランス映画祭2022 横浜」にラインナップされた「幻滅」が上映。本作はバルザックの小説を実写化した社会派ドラマ。19世紀フランスのメディアの状況を描く。
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