本作は連続ストーカー事件の謎を追う刑事・松井を主人公にしたサスペンススリラー。真相に迫ろうとする松井はたびたび記憶障害に襲われ、周囲では不可解な出来事が頻発していく。被害者たちの身辺に現れる謎の男と、事件に関わりがあると思われる謎の女の存在。そして松井がかつて心に負った深い傷が徐々に事件との関連を見せていく。
主演は「罪の声」「青葉家のテーブル」に出演した
狩野比呂 コメント
「愛憎による復讐心に駆られた1人の脆弱な人間を描く」
人間には、人を愛するという普遍的な感情の裏に、人を憎むという同じく普遍的な感情が常にあって、その葛藤の中で憎の感情が大きくなると、その度に何か大切なものが失われていきます。
その1つの消失は新たに1つの愛と1つの憎を生んで、愛は見えるものとしてそこに「平和」という幻想を生み、憎はその背後で愛を蝕んで新たな「消失」を生みます。そうして消失は連鎖していきます。その「連鎖」は、人間が生きている限り、抗おうとしてもおおよそ止まる事はなく、救いの道はありません。もし止まる事があるとしたら、それは自然が与えてくれた運によるものでしかありません。人間は弱い──そんな「人間の弱さ」とそれが生む「消失の連鎖」を表現したい。それがこの作品を作ろうとしたキッカケです。
こういったサスペンス要素のある人間ドラマを予算のない自主制作映画の脚本として採用するのには大変勇気が入りましたが、自主映画だからといって自己完結的な作品にするのではなく、この物語自体を広く楽しんでもらえるような娯楽性のある作り方をしました。
ある1人の刑事の数週間の永い物語です。この作品を見終わった観客の皆さんが主人公の刑事・松井幸太という人間に感じるであろう感情──それはおそらく、皆さんが全ての人間についてどう感じながら生きているのか、それと同じ感情だと思います。何かが消失していく悲しみよりも、何かが生まれてくる幸せに目を向けて生きていきたいという、僕個人や仲間の願いを込めて、それが見てくれる方々にも伝わって欲しいと思っています。
オーイ @o_isaysay
こちらを観に行こうと思ったら、上映終了が23時のラインをこえていた。子連れは入れてもらえないので、こっそり私だけ何とか観に行くぞ… https://t.co/MkhRdyZ1HC