「ババドック~暗闇の魔物~」で知られる
本作は英国植民地時代のオーストラリアを舞台に、夫と子供の命を残虐な将校に奪われた女囚クレアの復讐を描くリベンジスリラー。流刑地における女性虐待と先住民アボリジニの迫害の歴史に切り込み、オーストラリア・アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞を含む最多6部門に輝いた。アイルランド出身の
「あと1センチの恋」「世界一キライなあなたに」への出演で知られるイギリス出身のクラフリン。「ナイチンゲール」では、アイルランド人受刑者のクレアを自らの所有物と考える英国人将校ホーキンスに扮している。クラフリン曰く、残忍で卑劣だが決してステレオタイプな悪役ではないホーキンス。役作りのため当時のタスマニアの記録と現代の心理学について勉強したというクラフリンは、ホーキンスを自己陶酔的な人格障害に苦しんでいると考えた。
劇中のホーキンスは、すでに刑期を終えたはずのクレアに「さまざまな特権を与えたのだから、その恩に報いるべきだ」と威圧的に振る舞う。クラフリンはホーキンスの人物像を「共感という感情が欠如している。周囲から承認され、昇進することは自分の権利だと心から思っています。周りの人を使って自分に必要なものを手に入れようとしますが、決して幸福感や満足を感じない。彼は非常に難しい生い立ちを持っている男です」と語る。
ホーキンスの女性嫌悪的な価値観については、「彼は女性は男性より劣っていると考えています。男がより強くて、優れた性別だと思われていた時代の考えが彼の中に深く組み込まれていて、世界をありのままに見つめることが難しいのです」と分析。そして「彼に惹きつけられたのは、彼が僕とはまったく違う人間だから。理解できない人の心に入ろうとするのは、興味深いことです。ホーキンスは壊れた人間ですが、自分の中に彼のキャラクターを作り上げ、彼の意思決定にもとづいて演じることには価値がありました」と述べている。
そんなクラフリンを、ケントは「最初はロマンチックで甘い役を多く演じてきた俳優がこのキャラクターを演じられるのか?と思いました。ですがオーディションで衝撃を受けました。彼はキャラクターを作り上げ、そこに人間性を与えることができる俳優です」と称賛している。
「ナイチンゲール」は3月20日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国でロードショー。
サム・クラフリンの映画作品
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宗形新太郎@南大阪、泉大津の人 @MUNEKATA0327
サム・クラフリンが
「ナイチンゲール」で見せた新境地、残忍な将校の役作りを語る。
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