11月13日に、34歳の若さで死去した俳優の
本作は、探偵事務所を営んでいた父親の失踪を受け、留学先の米国から帰国した鍵山公彦を主人公に据えたサスペンスコメディ。荒牧慶彦が公彦を演じ、滝口は自称“公彦のライバル”である大手探偵社の跡継ぎ・志威志に扮した。滝口が突発性虚血心不全で急逝したことを受け、シネ・リーブル池袋では本日11月29日から12月5日まで、本作の再上映を行う。
上映前の舞台挨拶に登壇した千葉は「突然の上映に来ていただきありがとうございます。滝口くんが所属されていたスターダストさんとご遺族の方々にも、この追悼上映についてお話して、開催させていただくことになりました」と来場者に感謝を述べる。
滝口とは、2013年の監督作「work shop」で出会ったという千葉。「茨城の山奥で撮影していたら、大雪になってしまったんです。滝口くんは運よく帰京できたのですが、我々は山に取り残されてしまいました。撮影日が1日なくなってしまい、過酷な現場になったのですが、滝口くんの明るさに助けられました」と同作の撮影を振り返る。そこから今回の映画で再び現場をともにするまでの過程を「6年前、かなり無茶な役を振りましたが、彼はすごいパワーを持っているなと思いました。そしてちょうど今回、『AI探偵』の志威志が彼にぴったりなんじゃないかと思い、快く出演していただきました。彼に引っ張られ、楽しい映画になりました」と話した。
千葉は荒牧や滝口とともに、10月19日にも同会場で本作の公開記念舞台挨拶を行った。当時を回想し「つい先月の話です。爆笑トークをしていただいて、彼(滝口)は6年間、芝居の技術を高めただけじゃなく、あのエネルギーを維持していたんだな、本当にすごい人だな、と思いました」としみじみ。滝口演じる“ポンコツ探偵”の志に関しては「願わくば彼のスピンオフ映画でも撮りたいなと妄想しているうちに、急逝してしまいました」と無念を口にして、「残念ながら続編は作れなくなってしまいましたが、僕の中で彼は生き続けていて、楽しい男だったというイメージが残っています」と力強く語った。
「がっかりじゃなくて、胸にぽっかり穴が空いてしまった感じ」と素直な心境を明かした千葉。これから映画を観る観客に向けて「彼は明るい男でしたし、これは明るい映画です。笑いのシーンは、彼が引っ張ってくれています。悲しい気持ちになりすぎず、ぜひ笑って観てあげてください」と呼びかけた。
なお、滝口は生前、出身地である千葉県の南房総が台風被害に遭ったことを憂いていた。そのことから追悼上映の収益の一部は、彼の地元の被災者へ寄付される。また会場には、滝口や他キャストへの手紙ボックスを設置。滝口宛ての手紙は、遺族に届けられる予定だという。
映画「AI探偵」【滝口幸広さん 追悼上映】
開催中~2019年12月5日(木)東京都 シネ・リーブル池袋
連日 18:30~
JA経営実務編集部 @JA_KJi2
滝口幸広の追悼上映、「AI探偵」監督・千葉誠治が「彼の明るさに助けられた」 https://t.co/2dzrkWbp65