児童養護施設で暮らす子供たちにスポットを当てたドキュメンタリー「ぼくのこわれないコンパス」のクラウドファンディングが、本日7月21日にKickstarterでスタートした。
日本の児童養護施設で育った父を持つアメリカ人映像作家、マット・ミラーが監督を務める本作。現在日本には、児童養護施設で生活する子供が約2万5000人いる。その約6割が虐待を経験していることや、カウンセリングなど十分なメンタルヘルスのサポートがないこと、まだ経済力のない18歳で施設を退所し自立が求められることなどを発信するために本作が制作された。ミラーは、彼らがアウトドア体験を通して自分の道を切り開いていくことを目的とする認定NPO法人「みらいの森」で撮影を開始。本作では、その参加者トモヤが10代の自分に起こった出来事を語るほか、さまざまな背景を持った子供たちの暮らしが映し出されていく。
トモヤは「この映画を通して、一人でも多くの人に、カウンセラーらによるケアを必要としている大勢の子ども達がいる事実を知っていただきたいのです」とコメント。またミラーは「映像作家である私は“意識を変えるきっかけ”を創造することができます。社会から取り残された声なき子どもたちの声を社会と共有するために、映画というプラットフォームを通して積極的な役割を果たせるはずです」と述べた。
クラウドファンディングでは、映画の完成に向け500万円を目標金額とし、9月19日11時30分まで支援を募集。リターンとしてエンドロールクレジットに名前がクレジットされる権利、本作をダウンロードする権利、KEENのシューズ、ヘリコプター周遊やスカイダイビングへの招待など8つのコースが用意されている。なお、現在YouTubeで本作の予告編と約8分間のプレビュー動画が公開中。
「ぼくのこわれないコンパス」は2019年内に公開される予定だ。
※記事初出時より、クラウドファンディングの締め切り日時が変更となりました。
※動画は現在非公開です。
トモヤ コメント
私にとって、児童養護施設は我が家でした。心から安心して日々を送れることが私の人生を好転させてくれました。多くの子ども達が同じ気持ちだと思います。一方で、児童養護施設に暮らす子どもたちの多くが心の傷を負っていますが、それに対する心のケアが足りていないことは大きな社会的問題だと感じています。この映画を通して、一人でも多くの人に、カウンセラーらによるケアを必要としている大勢の子ども達がいる事実を知っていただきたいのです。当時、私自身も心のケアを必要としていました。あの時、みらいの森のプログラムに出会い、前向きな気持になれた事は幸運な事だったと心から思います。いつか、私も子ども達を支えるケアワーカーの一人になれたらと考えています。
マット・ミラー コメント
私は法律を作ることはできませんが、映像作家である私は“意識を変えるきっかけ”を創造することができます。社会から取り残された声なき子どもたちの声を社会と共有するために、映画というプラットフォームを通して積極的な役割を果たせるはずです。この映画に心動かされない人はいない、と確信しています。
リンク
- 「ぼくのこわれないコンパス」公式サイト
- Invincible.Compass (@my_invincible) | Twitter
- 「ぼくのこわれないコンパス」クラウドファンディング | Kickstarter
- 「ぼくのこわれないコンパス」予告編
- 「ぼくのこわれないコンパス」プレビュー動画
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
上田令子(東京都議/自由を守る会代表) @uedareiko
日本に約2万5000人、児童養護施設の子供たち追うドキュメンタリーが支援募集(動画あり / コメントあり) - 映画ナタリー https://t.co/VU5JOHx9VR
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