明日3月10日に封切られる「
第64回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞とテディ賞を受賞した本作は、ヒベイロが2010年に手がけた短編映画「I Don't Want to Go Back Alone(英題)」を、同じキャストを起用し再び自らの手で長編映画化した青春ドラマ。ブラジル・サンパウロで暮らす目の見えない高校生レオナルドを主人公に、少年少女3人の揺れ動く心を描き出す。
同性愛がメインのテーマではなく普遍的なティーンエイジャーの姿を描きたかったと明言するヒベイロは、本作の出発点について「男性も女性も見たことがない人間はどうやって自身のセクシャリティを定義するのか?という点から、主人公レオナルドの人生を考え始め、彼のキャラクターを盲目であるだけでなくゲイの少年という設定にした」と述べる。
「本作を作るうえで意識したことは?」という問いには「最も注意したのは“10代の感覚・あの気持ち”を大切にするということ。キスが当たり前の30代とは違って、ティーンエイジャーにとってファーストキスは“世界最重要事項”だからね(笑)」と回答。また撮影や美術に関して「世界観が重くなりすぎないよう、原色は避けて全体的な作品の色味は温かみのあるパステル調にし、照明もソフトさにこだわった」と振り返った。
さらに、自身がゲイであることを両親になかなかカミングアウトできなかったと語るヒベイロは「あるとき母のほうから『そうなんじゃないか?』と切り出してくれたんだ。だから、作品中でもはっきりとした言葉は使っていないけど、母親はレオナルドのセクシャリティに気付いていることを示す会話を描いているよ」と明かした。
「彼の見つめる先に」は、東京・新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。
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5/19(土)公開【彼の見つめる先に】
ダニエル・ヒベイロ監督「普遍的なティーンの姿描きたかった」
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