羅生門
ラショウモン
上映時間:88分 / 製作:1950年(日本) / 配給:大映=大映京都
解説 世界にクロサワの名を知らしめた歴史的傑作。平安時代、盗賊・多襄丸が旅の侍夫婦を襲い、妻を強姦し、侍を殺す。やがて盗賊は捕われ裁判となるが、多襄丸・女・巫女の口を借りた侍の霊——すべての陳述が食い違う。原作は芥川龍之介の短編『薮の中』だが、映画では第4の証言者である木こりを創出して、よりドラマティックになっている。しかし、この映画は真実をめぐる人間のエゴの醜さといった観念的な主題よりも、躍動感がみなぎる生き生きとした映像によって永く語り継がれるであろう。事件の現場である山中の木もれ日の輝き、すさまじい豪雨の中に立つ羅生門の見事な造形、一つ一つが忘れられない印象を残す。特に4番目の証言に基づくシークエンスでの多襄丸と侍の立ち回りシーンのカメラワークは何度見ても驚嘆する。日本映画界の至宝といえる名カメラマン・宮川一夫を得て、黒澤演出も持てる力をフルに発揮。早坂文雄のボレロ調の音楽、松山崇らの美術、そして出演者たち、すべてが秀逸。もちろん、世界的にも評価は非情に高く、第12回ヴェネチア映画祭金獅子賞と、第24回米アカデミー賞で最優秀外国語映画賞にあたる特別賞を始め、多くの賞を受賞した。
スタッフ |
監督:黒澤明 |
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キャスト |
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受賞歴 |
第24回アカデミー賞
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