ワーナー・ブラザース ジャパン プロデュース アニメ特集 松澤千晶×吉田尚記|原作ファンの愛が込められた「ジョジョ」、アニメの見方が学べる「映像研」…アニメ好きのアナウンサー2人が全力トーク

松岡禎丞さん、日本に生まれて、声優になってくれてありがとう

──「ハイスコアガール」以外の近作だと、「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」や「食戟のソーマ」もシリーズを重ねて根強い人気があります。

松澤 どちらも私や吉田さんがお会いする機会の多い松岡禎丞さんが主演ですね。

吉田 確かに。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」より、松岡禎丞が演じる新米冒険者ベル・クラネル。女神ヘスティアやベルの憧れであるアイズ・ヴァレンシュタインをはじめ、彼の周りには魅力的な女性キャラが集っている。©︎大森藤ノ・SBクリエイティブ/ダンまち製作委員会 「食戟のソーマ」より、松岡禎丞が演じる定食屋の息子・幸平創真。本作にも創真の同級生である薙切えりなや田所恵をはじめ、美少女キャラが多数登場する。©︎附田祐斗・佐伯俊/集英社・遠月学園動画研究会

松澤 松岡さんは以前、「アニメとかキャラクターという言葉を使ってまとめられがちだけど、作品内には作品側の現実があって、自分はその人物として生きて表現するようにしている」というような、すみません、そのままではないかもしれませんが、そんなお話をされていて。「ダンまち」も「ソーマ」もそうですが、そういう心意気によって成り立っている部分がありますよね。例えば「ソーマ」だとあくまで料理を通じての対決だけど、作中世界のリアリティを追及する松岡さんの情熱によって、命がけでやっているのが伝わってきますよね。

吉田 松岡くんって、ほかにも「ソードアート・オンライン」や「冴えない彼女の育てかた」みたいに女性キャラクターが多く登場する、いわゆるハーレムものの真ん中にいることが多いんですが、松岡くんが演じる登場人物には、変な下心が本当にない。

──「ダンまち」「ソーマ」もかわいい女の子がたくさん出てくるアニメですが、松岡さんの熱演もあって冒険や料理対決というメインの要素をしっかり楽しめるようになっていますよね。

松澤 本当に松岡さんが日本に生まれて、声優になってくれてありがとうという感じです。

──ここまで触れた以外に観てほしいワーナー作品はありますか?

吉田 選出時にアニメプロダクションの公式サイトでラインナップを確認したんですけど、けっこう振れ幅が大きいですね。「ひそまそ」や「SHIROBAKO」みたいなすごく地に足の着いた作品がある一方で、「競女!!!!!!!!」というすごい作品もあって。

松澤 「競女!!!!!!!!」。ああいうぶっ飛んだ作品が1クールに1本あると、ホッとするというか日本が平和だと安心するというか(笑)。

吉田 「競女!!!!!!!!」は完全に面白さが勝っていて、逆にエロを感じにくかったですが、その分、むちゃくちゃ面白がらせてもらいました。友達と観ると最高でしょう。

松澤 確かにオンライン飲み会しながらみんなで観るのに最適な作品かもしれません。ほかにも私は「WIXOSS」シリーズが好きでした。特に「selector」シリーズ。

──小湊るう子や“アキラッキー”こと蒼井晶などが出る最初のシリーズですね。

松澤 “アキラッキー”というキャラクターに象徴されるようなキャッチーな部分もありつつ、生々しいシリアスさもあって。ぬるい体温が伝わってくるところが好きでした。「WIXOSS」のカードゲームのシステムをまだよく理解できていないのが申し訳ないですが、女の子同士のいざこざをたっぷり楽しめました。

TVアニメ「競女!!!!!!!!」キービジュアル ©空詠大智・小学館/日本競女振興会 TVアニメ「selector infected WIXOSS」キービジュアル ©LRIG/Project Selector

ワーナーアニメ作品は色遣いが特徴なのかも

──「WIXOSS」シリーズは、アニメが放送されるたびにカードゲーム版の公式サイトでルールや展開の解説(参照:WIXOSSコラム 第05回アニメ第1話の紐解き – WIXOSS-ウィクロス-|タカラトミー)が掲載されていたんですよ。

松澤 見てみます。

──ほかにも「ハイスコアガール」も公式サイトで登場するゲームの解説(参照:各話数登場ゲーム紹介 -TVアニメ『ハイスコアガール』公式サイト-)をしていて。そういった親切さがいいなと放送当時思っていました。

吉田 ワーナーさんのアニメプロダクション作品の特徴としてそういった親切さ、丁寧さはあるかもしれません。勢いで作っているメーカーも別のよさがあるけど、ワーナーさんは丁寧な印象があります。

松澤 アニメプロダクションで働かれている方も真人間が多い、というか。

吉田 真人間(笑)。確かにイベントの司会とかでアニメプロダクションのスタッフの皆さんと仕事をすると、社会人って感じがしますね。

松澤 そうそう。皆さん、きちんと、はっちゃけている。地に足を着けて爆発されてるイメージがあります。

吉田 ここまでいろんなアニメを振り返っていて、「もしかしたらこれもワーナーのアニメプロダクション作品の特徴かな」と思いついたのが、色彩センスのすごさ。色の組み合わせでイメージできることってあるじゃないですか。黒とオレンジの組み合わせで読売巨人軍、みたいな。同様にネオンっぽい色遣いだと「モブサイコ100」、航空自衛隊っぽいカラーだと「ひそまそ」みたいにイメージできる。「テラフォーマーズ」や「監獄学園」もそう。

松澤 「赤髪の白雪姫」も色彩がよかったですし、「放課後のプレアデス」だと夜空がすごくきれいだったり。

吉田 作品ごとに色彩のパレットをちゃんと作っていて、デザインコンセプトがブレない印象があります。誰がそういう判断を下しているかはわかりませんけど。

──アニメプロダクションさんのカラーなんでしょうか。

松澤 どちらかというと、色遣いなどはアニメスタジオによるものという気がしますよね。でも、そうした作品を作るのに長けているスタジオさんとの巡り合わせがいいのかもしれません。叶姉妹のおふたりも「ジョジョ」と「モブサイコ100」がすごくお好きなんですよ。もしかしたら、そうした色彩感覚の美しさにも惹かれているのかなと話を聞いていて思いました。

──そういった部分に注目してアニメを視聴するのも面白いかもしれませんね。本日はありがとうございました!

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