「はだしのゲン」のドキュメンタリー番組が映画化 怒りや悲しみ、優しさを映し出す

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中沢啓治「はだしのゲン」をテーマにしたドキュメンタリー番組「『はだしのゲン』の熱伝導 ~原爆漫画を伝える人々~」が映画化。「はだしのゲンはまだ怒っている」のタイトルで、11月より東京・ポレポレ東中野、広島・サロンシネマほかで順次劇場公開される。

映画「はだしのゲンはまだ怒っている」ポスタービジュアル (c)BS12 トゥエルビ

映画「はだしのゲンはまだ怒っている」ポスタービジュアル (c)BS12 トゥエルビ

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映画「はだしのゲンはまだ怒っている」の場面写真 (c)BS12 トゥエルビ

映画「はだしのゲンはまだ怒っている」の場面写真 (c)BS12 トゥエルビ[拡大]

2024年9月にBS12トゥエルビで放送された「『はだしのゲン』の熱伝導 ~原爆漫画を伝える人々~」。“逆風”の中で世界中に「はだしのゲン」の熱を伝えようと活動する人々にフォーカスした同番組は、2024年にメディア・アンビシャス映像部門の大賞、第15回衛星放送協会オリジナル番組アワード番組部門のドキュメンタリー最優秀賞などを受賞した。映画では、「はだしのゲン」という不朽の反戦マンガの誕生から戦後80年を迎える現在を見つめ、世界に溢れる怒りや悲しみ、そして優しさを映し出す。

監督は数々のドキュメンタリー番組の演出を担い、「はだしのゲンはまだ怒っている」が映画初監督となる込山正徳。制作は番組と同じく東京サウンド・プロダクションが手がける。この発表に伴い、込山監督、プロデューサーの高橋良美、共同プロデューサーの大島新からはコメントが到着した。

込山正徳(企画・監督・編集)コメント

込山正徳監督

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私の祖父は東京大空襲で殺され、骨も出てこなかったそうです。母親はその悲惨な出来事を、私が子どもの頃、何度も語っていました。現代は、あの戦争のことを語る方が高齢になり、戦争によって苦しんだ記憶を皮膚感覚で知る機会が、極端に減りました。辛い記憶が伝承されないことに危惧を感じています。また戦争が起こるのではと。戦争によって命を落とすのは一般人なのに、なぜ我々は戦争を止められないのでしょうか。未だに核兵器によって、他国を脅すことが普通に行われています。人類は、ヒロシマ、ナガサキから何を学んだのでしょうか。「はだしのゲン」から学ぶことは、たくさんあります。この映画から感じ取っていただけたら幸いです。

高橋良美(プロデューサー)コメント

高橋良美プロデューサー

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2024年に放送したテレビ番組「『はだしのゲン』の熱伝導~原爆漫画を伝える人々」が、より力強い内容になり、映画となりました。BS12が自ら映画を作ることはこれが初めてです。この作品のテーマは、「怒り」。「なぜこんな目に合わなければいけないのか」というゲンの怒り、その怒りを今に伝える人々の熱を感じてほしい、その思いで映画化までたどり着きました。ゲンの怒りは、2025年のこの今にこそ伝えるべきものだと、思いはますます強くなっています。

大島新(共同プロデューサー)コメント

共同プロデューサーの大島新

共同プロデューサーの大島新[拡大]

込山正徳監督とはもう30年の付き合いになる。ずっと尊敬する先輩ディレクターだったが、目標にするのは早くから諦めた。なぜなら「込山スタイル」は、とても真似ができないから。込山さんは、人懐こい笑顔と優しい人柄で、難しい被写体とも自然体で向き合う。差別に苦しむ人たちや難病患者、百姓家族や悪ガキたちにカメラを向け、数々の傑作ドキュメンタリーを作ってきた。そんな込山さんが初めて映画に挑んだのが「はだしのゲン」だ。ところが今回の込山さんは、いつもとちょっと違う。果てしない優しさに、静かな「怒り」が加わった。映画は叫んでいる。「日本人よ、人類よ、これでいいのだろうか」と。

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映画「はだしのゲンはまだ怒っている」

2025年11月より東京・ポレポレ東中野、広島・サロンシネマほか全国順次公開

スタッフ

企画・監督・編集:込山正徳
プロデューサー:高橋良美、木村利香
共同プロデューサー:大島新、前田亜紀
制作:東京サウンド・プロダクション
制作協力:ネツゲン
宣伝協力:リガード
配給:アギィ
製作:BS12 トゥエルビ

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ティグレ @Masked_Tigre

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