「アニサマ」2日目はポケモン名曲で大合唱、トリのangelaは「ギネス、ゲットだぜ！」

世界最大のアニメソングライブイベント「Animelo Summer Live 2023 -AXEL-」のDAY2公演が、昨日8月26日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催された。サプライズアーティストのTM NETWORKやトリを務めたangelaら、21組が出演した。

トップバッターを務めたのはどちらも「アニサマ」常連のangelaとTrySail。angelaのatsukoによる「アドレナリーン！」というビブラートの効いた叫びを皮切りに、昨年は大トリを飾った「adrenaline!!!」と、「アニサマ」の定番曲と言える「全力☆Summer!」を合体した「全力☆adrenaline!!!!!」を歌い出す。「全力☆Summer!」パートでは、客席を左右に分けての「うっ！ はっ！」コールで会場を揺らした。

観客の熱が一気に高まる中で登場したLyrical Lilyは「Maihime」の後、「ギミー！レボリューション」「ぼなぺてぃーと♡S」「ふ・れ・ん・ど・し・た・い」「タッチ」とカバー4曲で観客のボルテージを上げる。「人間合格!!!!」では、リズミカルな手拍子で会場を1つにした。中島由貴は「A NEW DAY」と、本日初披露となる「ゴブリンスレイヤーII」エンディングテーマ「霞の向こうへ」を歌唱。ここで岡咲美保が中島に呼び込まれ、2人で話し合いセットリストに組み込んだという「おねがいマイメロディ」オープニングテーマ「オトメロディー」で、息の合ったハーモニーを奏で会場を魅了する。中島からバトンを受け取った岡咲は、「インフィニット」をエネルギッシュに歌い上げた。

本日のセットリストは20周年イヤーとして展開中の「プリキュア」の楽曲も満載。会場が暗転すると、突如プリキュアの敵キャラクター・カバトンの声が響く。観客のエネルギーを察知したカバトンの悪巧みにすぐさまキュアスカイとキュアプリズムが駆けつけステージがスタート。石井あみが「ひろがるスカイ！プリキュア ～Hero Girls～」、吉武千颯が「Dear Shine Sky」を元気いっぱいに届ける。さらに、北川理恵が「ヒーリングっど♥プリキュア Touch!!」、北川にMachicoが加わり「Viva! Spark!トロピカル～ジュ！プリキュア」、Machicoが「Cheers！デリシャスパーティ♡プリキュア」という歴代作品の楽曲を畳みかけるように歌唱する。最後には関根明良と加隈亜衣も参加。Hero Girls！“サマー”スカイ！プリキュアとして「ヒロガリズム」を歌う6人に、青とピンクのペンライトで声援が送られた。

続いて「...and Rescue Me」で透明感のある歌声を響かせたRainy。は「絶対アニサマ戻ってきます」と宣言する。「戦車道行進曲！ パンツァーフォー！」が流れどよめく観客の前に姿を現したのは、「アニサマ」8年ぶりのChouCho。「Never Say Goodbye」に続き、昨年10周年を迎えたアニメ「氷菓」のオープニング「優しさの理由」のイントロが流れると大きな歓声が上がった。続く石原夏織が「Paraglider」と「Blooming Flower」を歌い、ここまで女性アーティストに彩られた前半。そんな中ステージに上がったMADKIDは、重低音が響くナンバーに合わせ圧巻のダンスパフォーマンスを披露する。「RISE」と、本日初解禁の「盾の勇者の成り上がり Season 3」オープニングテーマ「SIN」で会場を沸かせた。

熱いステージの後、バイオリンの音色が一気に観客をMorfonicaの世界観へと誘う。青色のペンライト一色に染まった客席に向かい「ごきげんよう」と挨拶すると、堂々とバンド演奏を開始した。「Daylight -デイライト-」ではサビのメロディがこだまするようにコールが轟く。そのまま“アクセル”全開で次なる楽曲「flame of hope」へ。スカートのフリルを揺らしながら優雅に、力強く歌い上げる。Morfonicaのラストナンバー「誓いのWingbeat」は緊張感のあるバイオリンのイントロから一気に曲が加速。疾走感のあるサウンドで観客を煽り、駆け抜けるように全3曲を演奏しきった。

前半の最後に登場したのは、昨年大トリを務めたTrySail。トップバッターのコラボで見せた弾けるような笑顔とは一転、真剣な眼差しで「ごまかし」を凛々しく歌い上げる。夏川椎菜が「がんがん皆さんに働いてもらおうと思ってますけど、大丈夫ですか！」と客席を煽ると、「Follow You!」では声出しが解禁された観客と存分にシンガロング。間髪入れず、コミカルかつハイテンションな「華麗ワンターン」へとつなげると、観客も力いっぱい「それそれそれそれ！」とコールを叫び、会場のお祭りムードは最高潮に達した。

TM NETWORKのサプライズ出演で始まった後半。興奮さめやらぬ会場にトロッコに乗って現れた上坂すみれは、「なんだかすごい出番に出てしまった（笑）」「これがアニサマの権力というものなのか……！」と軽妙なトークを交えながら、夏にぴったりな「七つの海よりキミの海」をはじめ、盛り上がる楽曲を畳みかけ存在感を示した。続くClariSのパフォーマンスでは、曲紹介で「リコリス・リコイル」のタイトルを口にすると、客席からひときわ大きな歓声が。それを受け2人は同作のオープニングテーマ「ALIVE」を、凛々しくも力強く歌い上げた。

ここで2組目のサプライズとして登場したのが、プロレスラーのグレート-O-カーン。「アニサマを支配してやる！」と宣言してステージに仁王立ちする彼に、「この私が許さない！」と愛美が立ち向かう。ステージに立つオーカーンのもとへ「MAGICAL DESTROYER」を歌いながらトロッコで向かう愛美に、MADKIDもパフォーマンスで加勢。最後は「愛美世代」のTシャツを着たオーカーンが屈服するという寸劇を終えると、愛美は何事もなかったかのように「煩悩☆パラダイス」をキュートに歌ってステージを後にした。

Machicoの「STAY FREE」の熱唱に観客の視線が釘付けにされたところで、この日の出演者では唯一の男性声優アーティスト・仲村宗悟がステージに。「WINNER」「fist of hope」は温度感は異なるものの、どちらも聴き手を鼓舞する応援歌のような楽曲。続くギターを弾きながらの「imitation」を含め、アーティストとしてひと回り成長した姿を見せつける。鈴木愛奈は「Dash and Go!」、そして「ヒカリイロの歌」と持ち前のパワフルな歌声を存分に聴かせる選曲で、再び会場を熱く盛り上げた。

「旅は続くぜ！ ポケモン、ゲットだぜ！」という掛け声とともに登場した松本梨香が歌うのはもちろん「めざせポケモンマスター -20th Anniversary-」。言わずと知れた名曲にこの日一番の大合唱が起こる中、松本は万を超える観客のコールにも負けないパワフルでワイルドな歌唱で応える。“アニサマバンド”による生演奏も新鮮な印象をもたらした。松本は「今があるのは、みんなのおかげでーす!! ……ホントだよ」と感慨深そうに述べると、「バトルしようぜ！」と雄々しく宣言。サトシの物語を締めくくる楽曲となった「タイプ：ワイルド」を、TrySailやプリキュアシンガーら出演者も呼び込みつつ観客と一体になって歌い上げ、「行こうぜ、次の冒険へ！」と力強くステージを後にした。

スタァライト九九組は代表曲「Star Divine」で序盤からトップスピード。彼女たちにとってライブ初披露となる楽曲「Polestar」をトロッコで会場を巡りながら歌唱し、会場のファンを驚かせる。さらに「スターに代わって、おしおきよ！」とセリフを決めると、「劇場版 美少女戦士セーラームーンR」のエンディングテーマ「Moon Revenge」をカバー。彼女たちにぴったりの耽美でドラマチックなミディアムバラードで、カバーでありながらも自身の世界観を見事に表現した。

2日目のトリを飾ったangelaは、まず最新曲「AYAKASHI」でatsukoの艶めかしい歌声、挑発的な仕草と視線で実力を十分に見せつける。「RECONNECTION」に続き、10周年を迎えたTVアニメ「COPPELION」より「ANGEL」、「革命機ヴァルヴレイヴ」より「僕じゃない」をメドレーで披露するなど、サービス精神たっぷりのパフォーマンス。「私たち、『プリキュア』と同じ20周年のangelaです！」と名乗ると、2人は「蒼穹のファフナー」関連楽曲で「同じアーティストにより歌われたアニメーションフランチャイズの歌曲の最多数」のギネス世界記録に公式認定されたことを「アニサマ」の観客に報告する。「次の楽曲はそんな『ファフナー』の楽曲……ではありません！」とずっこけさせつつも、20年前のデビュー曲「明日へのbrilliant road」で観客を大いに沸かせた。

MCとなると笑いの絶えないangelaだが、もちろんふざけてばかりではない。atsukoはデビュー20周年を迎えた今も、自分をここに立たせてくれているアニソンというジャンルへの感謝を真摯に述べると、4年ぶりに発声が許可された「アニサマ」の観客に、「今日は最初から最後まで一緒に歌ってください！」と呼びかける。そして今度こそ「蒼穹のファフナー」から代表曲の「Shangri-La」を、観客とともにシンガロング。「アニサマ」のトリにふさわしいアニメ愛たっぷりのセットリストで感動を届けたangelaだが、最後は「“かわいい”でおなじみのー！」「atsukoー！」と観客に名前を呼ばせ、両者笑顔でステージを締めくくった。