「であいもん」は結木梢の人生の宝物「一果ちゃんがここまで私を連れてきてくれた」

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浅野りん原作によるTVアニメ「であいもん」の最終話先行上映会が、京都のT・ジョイ京都で去る6月18日に開催された。

TVアニメ「であいもん」最終話先行上映会より。左から鈴木みのり、結木梢、追崎史敏監督。

TVアニメ「であいもん」最終話先行上映会より。左から鈴木みのり、結木梢、追崎史敏監督。

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TVアニメ「であいもん」ビジュアル

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6月22日に最終話が放送された「であいもん」。ミュージシャンを夢見て上京するも、父の入院を機に実家である京都の和菓子屋・緑松を継ぐと決めた青年・納野和と、緑松の跡継ぎ候補で看板娘の少女・雪平一果のハートウォーミングストーリーが描かれている。第11話と最終話である第12話の上映後には、雪平一果役の結木梢、堀河美弦役の鈴木みのり、監督を務めた追崎史敏が登壇した。

最終話を迎えての心境を聞かれ、結木は「さみしいなという気持ちが湧いてきています。私にとってこの作品は初めてオーディションに受かった作品で。この1年とちょっとは毎日『であいもん』がそばにいて、こんなに長い間1つの作品に向き合ったのは初めてで、一果ちゃんがそばにいてくれているような感覚で過ごしていて、それが終わってしまうっていう経験も初めてで……胸にぽっかり穴が空くんじゃないかって……」とすでに感極まった様子。追崎監督にフォローされつつも、「放送はまだ残っていますけど、第12話を今いる皆さんに無事に届けられたのがうれしいです」と言葉を紡ぐ。鈴木も「『であいもん』を通して京都に足を運ぶことがあって、今日もこうして来ていて、また数カ月経った後もそうなるんじゃないかというくらい、終わっていない感覚です。お家でこれまでの話数を観返していても、本当にこの作品に携われてよかった、こんなに温かい作品の一員になれてよかったなってしみじみしています」と感慨深げだった。

続いて印象に残った話数を聞かれた鈴木は、自身が演じる美弦にスポットが当たる第2話を挙げ「自分は愛知県出身で、標準語さえもうまくしゃべれているかわからない中で京ことばを教えていただきながら演じることになり、『美弦というキャラクターの心情をちゃんと京ことばで伝えられるのかな』っていう不安があって。2話からがっつり登場するということでハラハラだったんですよね。でもこの話を通して、がんばる美弦に背中を押されて」と述懐。鈴木が歌唱を担当し、第2話で使われた挿入歌「八重に咲く」についても「レコーディングしたときはすでに2話の収録を終えていたんですけど、今まで担当してきたキャラクターソングの収録の中でも一番早く終わりまして。(そんなに早く終わったのは)アフレコ収録があったからこそなのかなと思いました。本当に思いを込めることができたレコーディングで、ディレクターさんとも『無理にうまく歌おうとするより、このまま歌ったほうがいいよね』と話し合って歌うことができました」と裏話を語った。

結木は上映会でも流れた第11話をピックアップ。「一果ちゃんは『雪の日にもっと自分が違う行動をしていたら、パパに置いていかれなかったんじゃないか』という後悔でいっぱいで、雪の日が嫌いというかトラウマになっていたんですけど、過去をなかったことにしたり忘れたりするのではなく、和さんが悲しい思い出の上から優しくて楽しい思い出を重ねてくれて、一果ちゃんにとって雪の日がただつらいだけの日じゃなくなったっていう。本当に優しいお話だなって」と理由を説明する。追崎監督は第12話で和と一果が遊んだ大阪・ひらかたパークへロケハンに行ったそうで「実際にある舞台を作品で描ける楽しみがあって。どこまで再現するかという楽しみと、どういい感じにアレンジして表現するかという楽しみがありました」と明かした。

そんな第12話の収録当日は、コロナ禍で打ち上げには行けないながらも、なんとなくロビーにスタッフやキャストが集まっていたとのこと。結木は「分割収録で、私は結構後の方に録ったんですね。それでロビーに集まっていた方が徐々に帰られていくんですよ。そうしたら最後は和さん(役の島崎信長)と私だけになって。そんな中でラストシーンのセリフを録ったので、(和と一果の2人だけで語り合う)シーンの状況とも重なっていました」と振り返る。

鈴木も「私は(松風佳乃子役の)高橋ミナミさんと一緒に録ったんですけど、そのときにちょうど浅野先生も来ていたんです。お話をさせていただいた後に、たかみなさんが『もしよかったら……』って台本にサインをもらっていて。『私もいいですか!』って臨時のサイン会になりました」と思い出話を披露。さらに首元に手をやり「そのときにみたらし団子のネックレスをくださったので、それを今日は着けてきたんです。今日のために取っておこうと、袋を開けずに家に飾っていたのを持ってきました」と顔を綻ばせる。その後は結木と鈴木が和菓子作りに挑戦する動画企画「目指せ!和菓子職人」での思い出が語られる場面や、栗ManJuのお面を観客にプレゼントするじゃんけんコーナーもあった。

最後の挨拶では追崎監督が「まさかこういう場所でこういう上映会をやらせてもらえるなんて思っていなかったので、作らせてもらえてよかったなと思っています」と話したのち、「この作品はまだ全然終わっていなくて、終わっているとは思っていないつもりなので、皆さんとKADOKAWAさんのお力で……」と続編への意欲を見せ、観客が大きな拍手で応える。鈴木は結木を「私と年齢や経験値はそんなに変わらないのに先頭に立って場を和ませてくださったり、一生懸命がんばっている姿を見ていて『自分ももっとがんばりたいな』という気持ちが芽生えました」と称賛しつつ、「原作は連載中で、もっともっと私もキャラクターたちのいろんな一面をアニメーションで届けたいなと思っております。またここにいる皆さんとお会いできることを信じております」と追崎監督と同じく続編への期待を述べた。

結木は「『であいもん』という作品は私にとって人生の宝物のような存在で。毎週収録に行けたり、こんなふうに皆さんに直接お会いしてお話しできるステージに立たせていただいたり、作品への思いを語るインタビューを受けさせていただけたり、全部初めてで。携わってくれた方々と、応援してくださった皆さんと、何より一果ちゃんがここまで私を連れてきてくれたんだと思っております」と感謝の思いを伝える。そして「恩返しができるようにもっとがんばりたいと思いますので、もしみんなの願いが叶ってここに戻って来られたときは『ただいま』と言わせてください。ありがとうございました」と思いの丈を語り、上映会を締めくった。

※島崎信長の崎はたつさき、高橋ミナミの高ははしごだかが正式表記。

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(c)RIN ASANO/緑松

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