柏葉幸子の小説「岬のマヨイガ」のアニメ映画化が決定した。2021年に公開される。
「岬のマヨイガ」は、どこか懐かしさと温かみを感じさせる海の見える古民家・“マヨイガ”を舞台に、血のつながりがない家族たちの共同生活を描く日常ファンタジー。東日本大震災から10年の節目となる2021年に、被災地を舞台にしたアニメ3作品を届ける「ずっとおうえん。プロジェクト 2011+10…」の一環として制作される。原作小説は2015年に講談社より刊行され、2016年に「野間児童文芸賞」を受賞。柏葉はアニメ化について「明るい幸せな思いで心が満たされる。そんな素敵なアニメーション映画にしてくださると確信し、感謝しております。狐崎のマヨイガに会いに行ってください」とコメントを寄せた。
映画の監督は「のんのんびより」「サクラダリセット」などで知られる
映画化の発表と併せ、ティザービジュアルとティザーPVも解禁に。ティザービジュアルには、きらめく海と美しい緑を背景に、強い眼差しで岬に佇む少女の姿が「子狐岬、4SLDK、平屋一戸建て」のキャッチコピーとともに描かれた。またティザーPVでは、物語の舞台である岩手の美しい自然や古民家、凛とした表情の少女、雰囲気の異なる3足の靴などが捉えられている。ナレーションは岩手県出身のフジテレビアナウンサー・久慈暁子が担当した。
なお「ずっとおうえん。プロジェクト 2011+10…」では岩手県を舞台にした「岬のマヨイガ」のほか、宮城県を舞台にしたTVアニメ「バクテン!!」、福島県を舞台にしたアニメ映画「フラ・フラダンス」が制作される。
柏葉幸子(原作)コメント
東日本大震災から十年がたとうとしています。
あの恐ろしさ、悲しさ、辛さを、被災されたみなさんには、はやく忘れて欲しいと願い、忘れてはいけないと自分に言い聞かせるという日々だったと思います。
被災地といえば三陸でしたのに、この十年の間に、日本中に被災地と呼ばれる地があり、今はコロナ禍です。
心の中に明るい思いが欲しいです。
遠野物語のマヨイガは、山で道に迷った人をマヨイガが幸せにするというお話です。
本家のマヨイガのように、『岬のマヨイガ』も、出会った人を幸せにしてくれるはずです。
明るい幸せな思いで心が満たされる。そんな素敵なアニメーション映画にしてくださると確信し、感謝しております。
狐崎のマヨイガに会いに行ってください。
川面真也(監督)コメント
おいしいごはんと、隣にいる人の笑顔。
いい香りのお茶と、楽しい会話。
家族という言葉に縛られない、あたたかなつながり。
『岬のマヨイガ』はその心地よさを必要とする人たちが出会う家です。
疲弊した心に弾力をつけて、自立へと踏み出す場所です。
ぜひ劇場で柔らかな風景と音楽に包まれて、彼女たちと一緒にマヨイガへと足を踏み入れてみてください。
吉田玲子(脚本)コメント
今に迷い、未来に迷い、過去にも迷いを残しながら、人は生きているのかもしれません。
原作を拝読し、そんなことを考えました。
迷いながらも、ここから始めたい……ここに戻ってきたいと思える、家のような作品になればと思っております。
久慈暁子アナウンサーコメント
鮮やかな緑の中の大きな茅葺き屋根の家。
土間に靴を脱ぎ捨て、畳の上で寝そべる少女に、
岩手出身である自分の姿を重ねました。
まるで草の香りや川のせせらぎまで聞こえてくるようです。
様々な伝説が生活の中に溶け込み、
私たちを優しく包み込んでくれる岩手の自然を舞台にした作品の
PVナレーションを担当させていただき、
とても嬉しく思っています。
岩手県大槌町 平野公三町長コメント
本作の設定では、登場する町のモデルのひとつに当町を選定いただきまして、たいへん感謝申し上げますと共に、多彩なキャラクターの躍動が心から楽しみです。当町は全力で『岬のマヨイガ』を応援いたします! この町のどこかのマヨイガに、キャラクター達の声が聞こえています。
「ずっとおうえん。プロジェクト 2011+10…」高瀬透子統括プロデューサー(フジテレビアニメ開発部)コメント
2016年にこのプロジェクトをスタートさせましたが、すばらしいクリエイターやパートナーの方々に本取り組みの企画主旨にご賛同頂き、いよいよ来年、震災から10年という節目の年に世に出せることになりました。それぞれメインスタッフは舞台となった地を足しげく訪れ、当地の見どころ、魅力に触れて、作品を見て頂いた方々にその良さをお伝えしたいという思いで取り組んでおります。今後三作品通しての施策や取り組みも進めていきたいと思っていますので、ぜひご期待いただければと存じます。
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【出身ライター映画情報】吉田玲子さん脚色のアニメーション映画『岬のマヨイガ』。2021年公開が決定。映画詳細&吉田さんのコメントは↓
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