これは11月5日まで開催中の第32回東京国際映画祭の一環として行われたもの。「AKIRA」は本映画祭の「ジャパニーズ・アニメーション」部門に選出されている。上映当時以来約30年ぶりに「AKIRA」のイベントで一緒になったという岩田と佐々木。佐々木は、「『AKIRA』で岩田さんとステージに登壇できるっていうのは貴重な機会。この令和の時代に感動しています」と喜びを口にし、岩田も「平成何やってたんだっていう話ですよね(笑)」と、つっこみを入れ笑顔を見せた。
2019年を舞台にする本作。2020年の夏季オリンピックの開催地が東京に決定した際には、作中でも翌年の2020年に東京オリンピックを控えていることからこれが“予言”だと話題になっていた。そのことについて司会から振られた岩田は「これはおいしくなりそうだなと思って(笑)。(オリンピックが)近づいたらチャンスがあるかもしれないなと思っていたら案の定」と、今回の映画祭への参加を喜ぶ。佐々木は「当時はすごく未来のストーリーだと思っていたので、追いついて追い越すなんて思ってもいなかった」と時代の流れの速さに驚きを見せていた。
本作にはオーディションを経て参加が決まったという2人。岩田が「3次審査までオーディションがあって、その最後に望くんと2人で会った」と振り返る。さらに岩田は「鉄雄役だと言われて声を聴いたときに『あっ鉄雄だ!』って思ったんですよ。なんてぴったりな人なんだろうと思った記憶があります」と当時の佐々木の印象を語った。佐々木も「岩田さんの出演作も見ていましたので『本物だ』って。岩田さんと一緒にできるのはうれしいなと。これから楽しいだろうし、付いていけるようにがんばろうと思いました」とデビュー間もなかったという当時の思い出に浸った。
今や日本のアニメを語る上で欠かせない作品となり、海外でも人気を誇る本作だが、司会からそのような作品に関わることになった当時の心境を聞かれる場面も。岩田は「僕は大友さんのファンで、(『AKIRA』が)連載されていたヤングマガジンも買って読んでいて。この『AKIRA』に、まさか自分が金田役で出られるなんてっていう単純な喜びの方が強かったです」と、後に世界的な人気を得ることまでは考えが及ばなかったと話す。佐々木は「『AKIRA』という巨大な箱の大きさも分からないまま自分の仕事をしているという状況でした」と、当時は自分の仕事で精一杯だったことを伝え、「『AKIRA』を制作しているというのが業界内でも話題になって。そこで注目されている作品なんだなということに気づいていきました」と、振り返った。
イベントの最後には、岩田と佐々木がそれぞれ金田と鉄雄としてセリフを披露。佐々木は「これからは俺がお前を助けてやる。そんときは言いな、カネちゃんよお」、岩田は「さんをつけろよデコ助野郎!」と名シーンを演じてみせ、客席から拍手が沸き起こった。
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- 第32回東京国際映画祭(2019)
- 『AKIRA』4Kリマスター 公式サイト
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