「ばるぼら」は異常性欲に悩まされる売れっ子の耽美派小説家・美倉洋介が、自堕落な生活を送る少女・ばるぼらと出会ったことから破滅の道を歩んでいく姿を描いた物語。ビッグコミック(小学館)にて1973年から1974年まで連載された。
手塚治虫の生誕90周年を記念して日本、ドイツ、イギリスの共同で制作される本映画では、美倉役を
「手塚治虫生誕90周年記年会」では手塚眞、稲垣、二階堂による記者会見と囲み取材も実施。数多ある手塚治虫作品の中で「ばるぼら」を映画化することに決めた理由について手塚眞は、「私はいけない子供で、幼い頃から(大人向けの作品である)『ばるぼら』を読んでいて、非常に思い入れがありました。また自分がこれまでに監督として表現したことと、この作品に何か接点があるような気がしたので、『ばるぼら』は自分がやれる作品だと確信したんです」と説明する。過去には手塚治虫「七色いんこ」を原作とする舞台に出演した経験も持つ稲垣は「手塚作品で育ってきたようなものなので光栄ですし、こういう作品に出させていただくのは自分にとって新しい挑戦だなと思います。今のこのタイミングじゃなきゃ演じられない役なのかなと考えたりもしました。愛がむき出しになった僕を楽しんでもらえるんじゃないでしょうか」と呼びかける。
父親が手塚治虫作品のファンであったという二階堂は「『鉄腕アトム』や『火の鳥』が家にあったんです。『アトム』とかは子供の頃読むとすごくポップでワクワクするような作品だったので、手塚先生自身もきっとこういう方なんだろうと思っていたんですが、『火の鳥』とか今回の『ばるぼら』は難しい作品というか。現場では(『ばるぼら』について)スタッフの方と『これは黒い部分の手塚先生だよね』みたいな話をしながら、みんなで考えながら答えを探すように撮影していました」と回想。手塚眞は稲垣と二階堂をキャスティングした理由について「おふたりも魅力的な役者でいつか一緒に仕事をしたいと思っていたんですが、どうせやるなら2人に一番合った役がいいなと考えていたんです。今回『ばるぼら』の映画化が決まって『この作品なら2人にぴったりだ』と思い、おふたりに出演してもらいました」と語った。
また「ばるぼら」を映画化する上で大切にしたことを問われた手塚眞は、「できる限り原作の内容を守って映画化しましたが、原作は短編ではなく連載作品。長い物語ですべてを映画にすることはできないため、エッセンスを抽出して映像にしています。ただ自分の中では父の作品というのは家族のようなものなので、あまり『こうしよう』『ああしよう』と考えすぎずに自然にやったつもりです」と回答。本作を「変わった作品というか解釈が難しい作品で、壊れゆくときにしか出せない色気や尊さも感じてもらえる」と評する稲垣は、二階堂の撮影について「原作を読んだときの印象とはまた違う、二階堂さんならではのばるぼらを演じてくださっていて。(ばるぼらが)存在しているようで存在していないような、夢だったのかなと思ってしまう気がしました」と振り返る。一方二階堂は稲垣について「文学を感じる方というか、初めて難しい本を手にとったときのような感覚がしました。自分の未熟さであったり大人になりきれていない部分を感じさせられるような感覚をもたせられて、すごく勉強になりました」とコメント。最後に手塚眞は「決して口当たりのいい作品ではないかもしれないですし、最初は『この味はなんだろう』と思うかもしれないですが、よく味わえばみなさんを夢の世界に連れていくことができると思います」とアピールした。
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二階堂ふみは「翔んで埼玉」にでて、「ばるぼら」にでてってすごいなあ。
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