京都を舞台に思春期の少年が持つ不安定さ、儚さが描かれた「逆光の頃」は、コミックモーニングおよびモーニングOPEN(ともに講談社)にて1988年から1989年にかけて連載されたタナカのデビュー作。映画は「僕は歪んだ瓦の上で」「銀河系星電気」「金の糸」の3編にオリジナルのエピソードを加えて映像化される。
葵、高杉、
映画「逆光の頃」は初夏に東京・新宿シネマカリテほか全国で順次公開。なおカラー原稿や当時のネームなどを多数収録した原作マンガの完全版が電子化され、販売されている。
葵わかなコメント
初めて伺った時はヒロインという役に驚きましたが、台本と原作を読むと世界観がしっかりしている作品だったので、撮影前はその作品の雰囲気をうまく出せるか、役に馴染めるか、とばかり考えていました。現場に入ってからは監督や孝豊役の高杉さん、方言指導の方とリハーサルやディスカッションを重ねて撮影に挑んだので、一緒に作品を作らせてもらえてるように日々感じられて、とても楽しかったです。
高杉真宙コメント
京都で生きる孝豊達の日常は何気ないものですが、とても輝いて見えます。この作品を観ると、京都に生まれて生活している皆が羨ましくて、自分も京都で生まれて育ちたかったな……と感じます。また撮影中に会話の間がすごく難しくて苦労したなあ……と改めて思い出しました。でも、その「間」だけでクスッと笑えたり、心情の変化がわかったりするんだなと改めてよくわかりました。葵わかなさんとは、共演するのは初めてですが、一緒に演技をしていて落ち着く方でした。孝豊と葵さん演じるみことは幼なじみという設定ですが、その役の通り、葵さんも隣にいることが違和感なく不思議に感じる事なく、セリフの掛け合いを楽しみながら演じることが出来ました。特に好きなのは、夜の学校のシーン。あとは、僕は出演していないシーンなのですが、みことが「家に帰るよ」とお父さんを連れ帰るところです。あんなにナチュラルに演技が出来るんだなぁ……とたくさんの刺激を頂きました。
小林啓一コメント
ずっと映画にしたかった作品です。主演の高杉真宙くんやヒロインの葵わかなさんは、原作から飛び出してきたような存在感でした。よく「孝豊」や「みこと」として生まれてきてくれたなと大げさでなくそう思います。この作品は二人が生まれる少し前に世に発表されました。当時高校生だった僕から今の今まで、二人をずっと待っていたように思えます。
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