カレー沢薫編

取材・構成 / 松本真一

すべてが己の采配にかかってしまう

──家でずっと仕事をすることは得意なほうですか？

仕事をすることはどこにいても苦手ですが、家にずっといるのは大得意です。

──在宅ワークの良い部分はどこだと思いますか。

外に出る必要がない、移動というタイムロスがない、人に会わなくていい、家から出ないから寒さ暑さを感じないですむ、あと外に出る必要がありません。

──では逆に悪い部分は？

すべてが己の采配にかかってしまうので、「なんの成果も得られませんでした」という日を平気で週5ぐらい生み出してしまうことがあります。

──在宅ワークの際に一番心がけていることはなんですか？

夜寝て朝起きるだけは死守したいと思います、ほかは全部失いました。

──山口県在住のカレー沢さんは、リモートワークが広まる以前から、打ち合わせはメールなどで行い、必要があるときだけ担当者と顔を合わせるというスタイルだったと思うのですが、新型コロナウイルスの流行前後で仕事のスタイルに変化はありましたか。

殴るとか以外で、担当と会う必要はそもそも皆無なので、何も変わってません。

カレー沢薫式「これで捗る！在宅ワーク」

タイムロッキングコンテナ

在宅ワーク最大の敵はやはり仕事中にTwitterを68時間やってしまうこと。このタイマー式の鍵付きの箱にスマホやLANケーブルを入れて強制的にツイッターをできなくします。ただ、箱にスマホを入れるのが自分という欠点があります。

ルームウォーカー

まったく外に出ないため、健康のためというより「このままでは歩けなくなる」という危惧から購入しました。おかげで、足の裏の皮が厚くなるという効果が出ています。

カレー沢薫の1日

この合間にTwitterを68時間やります。

読者へのメッセージ

むしろみんな外で何をやっているのか逆に教えてほしいです。

カレー沢薫

モーニングおよびモーニング・ツー（講談社）の新人賞・MANGA OPENに応募したことをきっかけに、2009年に「クレムリン」でデビュー。現在はモーニング・ツーにて、アラフォー学芸員の“終活”を描く物語「ひとりでしにたい」を連載中。そのほかの近刊に、漫画ゴラクスペシャル（日本文芸社）にて連載されたペットと飼い主にまつわるショート「きみにかわれるまえに」がある。またコラムニストとしてさまざまな雑誌およびWebに連載を持ち、自身のオタク生活やSNSなどをテーマに執筆している。