スカパラ×フィッシュマンズ新木場ライブに小沢健二登場

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昨日9月30日、東京スカパラダイスオーケストラの主催イベント「トーキョーナイトクルージング」が、新木場STUDIO COASTにて行われた。

「今夜はブギー・バック」をセッションする東京スカパラダイスオーケストラと小沢健二(写真中央)。(撮影:仁礼博)

「今夜はブギー・バック」をセッションする東京スカパラダイスオーケストラと小沢健二(写真中央)。(撮影:仁礼博)

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東京スカパラダイスオーケストラ(撮影:仁礼博)

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フィッシュマンズ(撮影:仁礼博)

フィッシュマンズ(撮影:仁礼博)

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写真左から沖祐市(東京スカパラダイスオーケストラ)、小沢健二、GAMO(東京スカパラダイスオーケストラ)。(撮影:仁礼博)

写真左から沖祐市(東京スカパラダイスオーケストラ)、小沢健二、GAMO(東京スカパラダイスオーケストラ)。(撮影:仁礼博)

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この日は台風17号の接近により会場近辺は暴風に見舞われたものの、それにも負けず多数のファンが来場し、開演時間には超満員のオーディエンスがフロアを埋め尽くした。

イベントは川上つよし(B)による開会宣言からスタート。「ここに来たからには、嵐を吹き飛ばす勢いで楽しんでいってください」という彼の言葉に、観客は大歓声で応える。そしてステージに現れたスカパラの9人は「クールなスパイでぶっとばせ」のスリリングなイントロでイベントの幕開けを告げる。拡声器を握った大森はじめ(Per)がアジテートする、ニューアルバム「欲望」の収録曲「非常線突破」に続いて「DOWN BEAT STOMP」が披露され、オーディエンスは一斉に笑顔でスカダンスを繰り広げる。谷中敦(B.Sax)は「今日は大変な中、来てくれてありがとう! 今日はどうしても開催したかった。俺は今日のことを忘れないと思う!」と、集まったファンに熱い言葉で感謝の気持ちを伝えた。

その後も谷中と加藤隆志(G)のソロ合戦にフロアが沸いた「STORM RIDER」、おなじみのメロディに乗せて各メンバーがステージ狭しと暴れ回った「ペドラーズ~SKAN-CAN」と、激しいナンバーやアッパーチューンを中心にライブを展開。「White Light」では9人の奏でる華やかなアンサンブルに乗せて、フロアが一体となって踊り狂う。最後の「Pride of Lions」が終わると、谷中は「どうもありがとう! 思いっきり楽しんでいって!」と、オーディエンスに声をかけてステージを去った。

転換が終わると、暗くなったステージ上の中央にキャンドルが1つ灯される。そして真っ暗なステージ上に1人の人物が現れ、キャンドルの隣のマイクに向かった。「誰?」とざわつくフロアに向けてアカペラで「東京タワーをすぎる 急カーブを曲がり……」と「東京恋愛専科」を歌い始めたのは、シークレットゲストの小沢健二。観客が驚きと喜びの混じった悲鳴を上げる中、小沢は「京浜港と音楽」と題したモノローグを朗読し、世界各国の港町の光景やそこに流れる音楽について語る。そして東京について「世界を代表するこの港町は、本当はおとなしい街ではない」「この都は本当は深く重い闇を含んだ街。音楽をやる人は体のどこかでそれを知っている」という言葉のあと、「東京スカパラダイスオーケストラに続いて、フィッシュマンズ」と、続く出演者を紹介した。

小沢の紹介で登場したフィッシュマンズは、茂木欣一(Vo, Dr)、柏原譲(B)、木暮晋也(G)、HAKASE-SUN(Key)、勝井祐二(Violin)にゲストボーカルの原田郁子(クラムボン)という布陣。彼らはHAKASEの奏でるオルガンリフに乗せ、茂木と原田のツインボーカルが軽やかに響いた「ひこうき」、重いリズムと浮遊感に満ちた原田のコーラスが絡み合う「SEASON」といった名曲を連発する。先程スカパラのステージを終えたばかりの茂木はMCで「今日はスカパラの皆さんに呼んでいただいて、大変光栄に思っています!」と語り、観客を笑わせた。

後半ではスカパラから谷中、GAMO(T.Sax)、北原雅彦(Tb)、NARGO(Tp)のホーン隊と沖祐市(Key)が加わり、より厚みのあるアンサンブルを展開していく。茂木が「今夜のイベントにぴったりの曲があります!」と紹介した「ナイトクルージング」では、スカパラホーンズの音色がスタイリッシュなアレンジをリードし、会場を心地よい空気感に導く。曲が終わると茂木は「やばい(笑)。自分の音楽人生がクライマックスを迎えたようなすごい夜です」と興奮気味に語った。そして最後に「このメンバーでもう1曲やっていいですか?」と茂木がフロアに問いかけ、始まったのは小沢健二のナンバー「ぼくらが旅に出る理由」。イントロに乗せて小沢が登場するとオーディエンスはさらなる熱狂状態へ。小沢はアコギをかき鳴らしながら茂木、原田とのトリプルボーカルを繰り広げる。3人ののびやかなボーカルに、会場はうっとりと酔いしれていた。

最後のパートでは、スカパラを中心としたセッションが展開された。まずはフィッシュマンズから柏原が登場し、川上に代わってベースのポジションに立つ。川上はギターを構え、合計10人で披露されたのは「The Look of Love」。NARGOのミュートトランペットと柏原のベースラインが響き合い、ムーディな空気を作り上げた。そしてスカパラメンバー全員がオーディエンスに向けて挨拶を行う。沖は「今日は欣ちゃんすごいよね! 駅伝1人で全部走ってるみたいなものだもんね(笑)」と2バンドにわたってプレイした茂木を称え、GAMOは「今日は歴史的な日だと思ってます。今年は『スカジャンボリー』ができなかったんだけど、せっかく点けた火を消さないようにという意志に賛同してくれたフィッシュマンズ、そして小沢健二に感謝しています」と、ゲストの2組に改めて感謝の言葉を告げた。

そんな言葉に続き、セッション2曲目は谷中のリフからスタート。聞き覚えのあるフレーズに歓声が上がる中、GAMOは「もう1回この男を。大切な友達です、小沢健二!」と小沢を改めて呼び込んだ。ここで披露されたのは「今夜はブギー・バック」。小沢はギターを鳴らし、腕を何度も振り上げながら柔らかく強い歌声を響かせる。2番では歌詞を「キミこそスゲーぜ、スカパラMY MEN!」と変えて歌い、盟友のイベント成功を祝福した。

3時間にわたるイベントの最後を飾ったナンバーは「All Good Ska is One」。谷中の呼びかけに応え、観客は隣同士で肩を組み笑顔で合唱する。幸福感と一体感に包まれたまま曲が終わると、フィッシュマンズのメンバーと小沢がステージに登場。全員が笑顔で共演者とフロアに拍手を送り、幸せな一夜の終了を惜しんでいた。

2012年9月30日 東京・新木場STUDIO COAST
「トーキョーナイトクルージング」セットリスト

東京スカパラダイスオーケストラ

01. クールなスパイでぶっとばせ
02. 非常線突破
03. DOWN BEAT STOMP
04. Walkin'
05. STORM RIDER
06. SKA ME CRAZY
07. ペドラーズ ~SKAN-CAN
08. White Light
09. Pride of Lions

フィッシュマンズ

01. ひこうき
02. SEASON
03. WALKING IN THE RHYTHM
04. 感謝(驚)

フィッシュマンズ with スカパラホーンズ、沖祐市

01. Weather Report
02. ナイトクルージング
03. チャンス
04. ぼくらが旅に出る理由

セッション

01. The Look of Love
02. 今夜はブギー・バック
03. All Good Ska is One

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読者の反応

世界文庫Ⅰ世界文庫アカデミー ⬆︎ @sekaibunko

郁子さんと、小沢さん、フィッシュマンズ。
ぼくらが旅に出る理由、ブギー・バックかあ。



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