「TOY tour 2015」は彼らが最新シングル「TOY」を携えて11月より実施していた、初めてのワンマンツアー。この日、バンドはソールドアウトした初のZepp Nagoyaにてツアーファイナルを迎えた。
場内にSEが流れると、ステージ上にバンド名を記した大きなフラッグが掲げられ、ファンは大歓声を上げる。そこへメンバーが勢いよく登場。KOUHEI(Dr, Cho)のカウントから4人は息をあわせ「TOY」の1曲目「Letter」でライブをスタートさせる。GEN(B, Vo)がセンチメンタルな歌詞を伸びやかに歌い上げ、間奏ではHIROKAZ(G)がギターソロを高らかに奏でると会場には切なげなムードが広がった。GENによる「名古屋04 Limited Sazabys『TOY tour』ファイナル始めますー!」という宣言をはさみ、バンドは「Letter」で作り上げたしっとりとした空気を自ら打ち破るかのように、「days」「monolith」といったアップチューンを連投。曲間をKOUHEIがビートでつなぎ、RYU-TA(G, Cho)は「行けんのか、名古屋!」と焚きつけるなど、4人はオーディエンスを休ませまいとでもするかのように迫真のパフォーマンスを見せていく。
「ただいま!」との挨拶から始まった最初のMCではGENが「また1つ大きくなって、強くなって帰ってきたと思うんですけど、どうですか?」と呼びかける。さらにツアーの大阪公演で“ベストギグ”をはじき出したと言い「ひさしぶりの名古屋、初めてのZepp Nagoya、過去最高のライブができる気しかしてません」と自信をのぞかせた。その後のMCでもGENは何度も「Zepp Nagoyaでライブができるなんて思ってもなかった」と感激の言葉を重ね、さらには「一番オシャレなパンツを履いてきました」と茶目っ気たっぷりに気合のほどを明かしてみせた。
この日初めてワイヤレスシステムを導入したというGENとHIROKAZ。GENが「“本当の私、デビュー”みたいな感じ」とユニークな言葉選びで感想を述べていた通り、2人は前半から、広いステージをいつも以上に自由に駆け回って演奏した。さらに「escape」や「fiction」ではスモークによる演出も施され、4人はダイナミックなパフォーマンスで観客を魅了する。一方で、中盤にはファンからの“お便り”を紹介するコーナーも用意された。彼らはツッコミを入れたり、真面目にコメントしたりとコーナーをにぎやかに進行。最後にはHIROKAZがステージの中央に進み、自身の母親へのお便りを読み上げ、コーナーを締めくくった。
KOUHEIによる勇ましいドラムソロのあと、GENがグロッケン、HIROKAZがリコーダー、RYU-TAがウッドブロックをそれぞれ演奏しながらステージに登場するという微笑ましい一幕も。3人が自身の楽器に持ち替えると「Chicken race」からライブは後半戦へ。4人は、シャッフルビートでファンを踊らせた「labyrinth」、GENが「あの頃を思い出せ!」と咆哮した「Remember」、青い照明がステージを照らした壮大な「Grasshopper」など新旧のナンバーを次々と披露していく。
終盤にはGENが「あの頃から8年も経ったんだなあ」とバンド結成時を振り返る。続けてこれまで行ってきた名古屋でのワンマンライブを挙げ、名古屋APOLLO THEATER(現:APOLLO BASE)、ElectricLadyLand、DIAMOND HALL、そして今回のZepp Nagoyaと徐々に会場が大きくなっていること、またすべてソールドアウトであることを説明。続けて「僕たちはお客さんに恵まれている」とファンへ感謝の気持ちを伝えた。そしてバンドは“世界一甘い曲”だという「milk」、ミラーボールがゆっくりと場内を照らした「soup」、ミディアムチューン「hello」をエモーショナルに届けていく。さらにGENはフロアを見渡し「本当に出会ってくれて、見つけてくれて、好きになってくれてありがとうございます」と改めてファンへ気持ちを述べる。加えて「生きる力がみなぎらないときは、ライブハウスに補充しにやってきてほしい。どんどん僕たちはカッコよくなっていくので、今後も目を離さないでほしいなと思います」とメッセージを贈り、バンドは「Terminal」「midnight cruising」で本編を締めくくった。
アンコールではGENが、次に「インディーズの頃から大事にしてた曲」を演奏すること、「あの頃のスタイルでやってほしい」という理由から、その曲では肩車を禁止することをファンへ言い渡す。続けて自身が身を置いてきたパンクシーンについて語ると、ファンはじっくりと彼の言葉に聞き入った。そしてGENはHIROKAZの繰り出すアルペジオに乗せて「Buster call」をゆっくりと歌い始める。ブレイク後にバンドの演奏は一気に加速。ファンはクラウドサーフやモッシュで興奮をあらわにした。そしてこの日のラストナンバー「swim」では銀テープが噴射され、感動的なムードが広がった。
演奏をすべて終えると、バンドは野外イベント「YON FES 2016」を4月2、3日に愛知県の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)にて開催することを発表。GENが「メンツがすごいアツいです。間違いないメンツで間違いない音を鳴らすので、皆さん、スケジュール帳に油性で書いておいてください」とアピールし、初のZepp Nagoyaワンマンを笑顔で締めくくった。
関連する特集・インタビュー
04 Limited Sazabys「TOY tour 2015」
2015年12月10日 Zepp Nagoya セットリスト
01. Letter
02. days
03. monolith
04. escape
05. medley
06. teleport
07. Do it Do it
08. nem...
09. in out
10. fiction
11. knife
12. me?
13. Any
14. Higher
15. Chicken race
16. labyrinth
17. No way
18. Now here, No where
19. Remember
20. Grasshopper
21. Lost my way
22. imaginary
23. milk
24. soup
25. hello
26. Terminal
27. midnight cruising
<アンコール>
28. Buster call
29. swim
YON FES 2016
2016年4月2日(土)愛知県 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
<出演者>
2016年4月3日(日)愛知県 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
<出演者>
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