映画ナタリー PowerPush - ナタリー×「龍三と七人の子分たち」

ジジいいね!松井玲奈が北野映画を初鑑賞 “ジジイ”グループの固い絆にシンパシー

ニコニコと善人の顔をしてだましたい

──8月末までSKE48のメンバーとして活動されていた松井さんですが、グループ内での自分の立ち位置を登場人物に当てはめるとすると……?

この中でですか!?(笑) 誰だろう……。

──シンパシーを感じたり、興味を引かれたりしたキャラクターでも。

松井玲奈

あんまり自分をキャラクターに重ねて観なかったので、悩みますね……。あ、この人! (パンフレットを指さしながら)なんていう役でしたっけ?

──えーと……え、「京浜連合」側ですか!?

「一龍会」のもとに、羽毛布団の押し売りに来た人です。

──矢島健一さんが演じた、詐欺師の北条に興味があると。理由はなんですか?

ニコニコと善人の顔をしながら「おじいちゃーん、最近どう?」って物を売り付けようとするじゃないですか。この善と悪の紙一重なところが、演じる上ですごく楽しそう。どこかに悪さをのぞかせなきゃいけないから。いい人に見えながらも、「この人、絶対だまそうとしてる」って観客に伝える。そういう役って面白そうだなって思いました。

──役柄に惹かれたんですね。演じるなら、引っ掛ける側をやってみたい?

言ってみればお芝居って、観客を引っ掛けるものというか。いい意味でだますものだなと思うので。そういう意味で、すごく勉強になると思って観ていました。実際の私は本当にだまされやすいから、自分が詐欺に引っかかりそうで気を付けなきゃなって思いますけど(笑)。

──ちなみに、私の個人的なイメージでは、松井さんは近藤正臣さんが演じられた「若頭のマサ」タイプかなと思ったりしたんですが……。

「丁半かけようじゃねぇか」を口癖とする若頭のマサ(近藤正臣・右)と、龍三親分(左)。

本当ですか!? でもなんかわかるかもしれないです(笑)。

──龍三親分がどーんと先頭に立っていて、そこから一歩引いたところで「若頭のマサ」が、龍三含む組のみんなを支えているというか。

確かに、自分をガツンと出す登場人物が多い中で、「若頭のマサ」はそれをじっと見守っている感じがありました。なので、その意見は合ってるかもしれないです!

みんなと離れて、さらに絆が深まりました

──では、龍三親分をほかのメンバーに例えるなら?

松井玲奈

そうですね……イメージが近いのは、宮澤佐江ちゃんかな。龍三親分みたいにオラオラ系ってわけじゃないですよ?(笑) 佐江ちゃんは、みんなのことをよく見てくれてますし、みんなも佐江ちゃんを信頼していて。彼女の言ったことはいつも自分の中にスッと落ちてくるんです。自分たちより何年もキャリアが上の先輩という理由だけでなく、みんなが信頼していたなって思います。

──松井さんもチームリーダーとして活動されていましたよね。龍三親分の親分然とした姿から感じたことはありますか?

私、あんまり具体的なリーダー像を持ってなかったんですよ。「向いてないなあ」なんて思いながら。

──そうなんですか!?

本当に、周りの子たちがいつも助けてくれてたから続けられて。だから龍三親分みたいなタイプの人には憧れますね。自分とまったく違うタイプ。みんながついていこうと思うタイプのリーダー、カッコいいです! 私は1人ひとりの自主性を重んじるタイプのリーダーでしたね(笑)。

──龍三親分とタイプは違えど、みんな松井さんのあとにしっかりついていっていたと思います。「一龍会」に負けない団結力もありましたね。

私たちの場合は、ライブやレッスンのときにトラブルが発生すると、それをみんなでフォローし合わなきゃいけないので、そういう中で団結力が強まっていきました。誰かのことを思って何かをする、でもそれは見返りを求めるわけじゃない。そこが、「一龍会」の活躍を観てすごく共感できた部分です。

──組を再結成した「一龍会」のように、かつて一緒に活動した仲間と新たなグループを作るのはどう思いますか?

メイキングシーン

いいですね、彼らぐらいの歳になったら(笑)。でも最近も昔のメンバーと集まりますよ。もちろん現役の子も。予定が合うときにみんなで連絡取りあって。むしろSKE48に在籍していたときより、今のほうがみんなと会ってる回数が多いくらいです(笑)。

──一緒にいないと、会いたくなってしまう?

今まではもう毎日会っていたので、それほどでもなかったんですけど。でも離れてみると、みんなが何してるのか気になるし、ふとしたときに「会いたいな」って思ったり。なので一度離れてからまた集まるっていうのは、さらに絆が深まるし、いてくれて当たり前だと思っていた仲間の大切さに気付くことができます! 今となっては、そういうみんなとの関係も含めて「ああよかったな」って思ってます。

小さい頃から、おばあちゃんの手が好きでした

──松井さんは、ご自身のおばあさんと仲がいいんですよね? コンサートでお手紙をもらったり。

松井玲奈

はい、実家に帰ったときに会ってます。おばあちゃんは、いつも私の活動を楽しみにしてくれていて。別の部屋で寝ているときでも、テレビから私の声が聞こえると「玲奈ちゃんが出てるの?」って起きてくれるそうです。私が実家に帰ると、「いつも大変だね」って話を聞いてくれます。

──おばあさんの特に好きなところや、憧れるところは?

小さい頃からおばあちゃんの手がすごく好きなんです。私、「こういう人になりたい」っていうのは具体的にないんですけど……自分の手も、大好きなおばあちゃんの手みたいになっていったらいいなと思いますね。

──どういうところが好きなんですか?

握ると安心するし、いい歳の重ね方をした手だなって。シワもいっぱいあるし、痩せて骨ばってたりもするんですけど、素敵な人生を送ってきたことがよくわかる。だからおばあちゃんの手を握って話をするたびに、「ああ、おばあちゃんの手みたいになりたいな」って思うんです。

──素敵です!

ありがとうございます。それと、老後に世界一周旅行してる方も尊敬します。元気じゃないとできない。けっこうお年を召してるのに、バイクとか乗ってる人もカッコいいなと思います。

──たまに見かけます、「早撃ちのマック」みたいなおじいさん。

黒いライダースと白い髪のコントラストがいい感じです(笑)。

Blu-ray / DVD「龍三と七人の子分たち」2015年10月9日発売 / バンダイビジュアル
スペシャルエディション特装限定版
[Blu-ray Disc+DVD] 7560円 / BCXJ-1030
[DVD2枚組] 6480円 / BCBJ-4715
通常盤 [Blu-ray Disc] 5184円 / BCXJ-1029
通常盤 [DVD] 4104円 / BCBJ-4714
特典映像

特報 / 予告編(ロングver.&ショートver.) / TVスポット / 特別映像「ジジイ映画の楽しみ方」

特装限定版特典

特典ディスク(メイキング映像、キャストインタビュー、完成披露試写会、初日舞台挨拶、ミニ特番「俺たちに明日なんかいらない ジジイが最高スペシャル!!」、海外版予告編)/ 解説書(24P)/ 特製ブックケース付きスペシャルパッケージ

共通特典

特報 / 予告編 / テレビスポット / 特別映像「ジジイ映画の楽しみ方」/ 日本語・英語字幕付き

あらすじ

70歳の高橋龍三(藤竜也)は、「鬼の龍三」と呼ばれおそれられていた元ヤクザの組長。ある日、オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに、元暴走族で構成される「京浜連合」と因縁めいた関係になる。詐欺や悪徳商法を繰り返す「京浜連合」にお灸を据えるため、博打好きの兄弟分「若頭のマサ」(近藤正臣)や寸借詐欺で生活する「はばかりのモキチ」(中尾彬)、戦争に行ったこともないのに今でも軍服に身を包む「神風のヤス」(小野寺昭)、ほかにも「早撃ちのマック」「ステッキのイチゾウ」「五寸釘のヒデ」「カミソリのタカ」という異名を持つ仲間たちと「一龍会」を結成。次々に「京浜連合」の活動を妨害していくが……。

スタッフ

監督・脚本・編集:北野武
音楽:鈴木慶一

キャスト

龍三親分:藤竜也
若頭のマサ:近藤正臣
はばかりのモキチ:中尾彬
神風のヤス:小野寺昭
早撃ちのマック:品川徹
ステッキのイチゾウ:樋浦勉
五寸釘のヒデ:伊藤幸純
カミソリのタカ:吉澤健
マル暴の刑事・村上:ビートたけし

松井玲奈(マツイレナ)

1991年7月27日生まれ、愛知県出身。2008年、SKE48の1期生としてオーディションに合格しデビューを飾る。その後、AKB48に選抜入りを果たすなどグループの中心メンバーとなり、2014年からは期間限定で乃木坂46の活動を兼任。2015年8月31日に行われた公演をもってSKE48を卒業した。主な出演作に、ドラマ「マジすか学園」「マジすか学園2」など。2014年公開作「gift」で遠藤憲一とダブル主演を務め、2015年にはテレビアニメ「電波教師」で声優初挑戦。現在、ニッポン放送「ミュ~コミ+プラス」に月曜アシスタントとして出演している。