新国立劇場 演劇芸術監督・宮田慶子インタビュー|8年間でプロデュース64公演、そのすべてに込めた思い

2014 / 2015シーズン

  • フライヤー

    「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─IX『三文オペラ』」(新翻訳)

    2014年9月10日(水)
    ~28日(日)
    新国立劇場 中劇場

    :ベルトルト・ブレヒト

    音楽:クルト・ヴァイル

    翻訳:谷川道子

    音楽監督:島健

    演出:宮田慶子

    出演:池内博之、ソニン、石井一孝、大塚千弘、あめくみちこ、島田歌穂、山路和弘 / おかやまはじめ、原慎一郎、片岡正二郎、田中利花、上杉陽一、大須賀裕子、大森いちえい、佐川和正、亀田佳明、枝元萌、今国雅彦、稲葉俊一、遠藤広太、金成均、チョウ ヨンホ、木村晶子、小見美幸、伊藤総、窪田壮史、北澤小枝子、大里秀一郎、川口高志、寺内淳志

    作品紹介
    宮田慶子演劇芸術監督就任5年目の第1作として、ブレヒトの代表作「三文オペラ」が登場。ブレヒト研究者の谷川道子が新訳を手がけ、演出を宮田が担当した。19世紀のロンドンで、稀代の大泥棒メッキースは乞食の友商会社長の娘ポリーと結婚式を挙げることになり……。なお本作は、「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに新翻訳に挑む、「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズの第9弾でもある。

  • フライヤー

    「二人芝居 ─対話する力─vol.1『ブレス・オブ・ライフ~女の肖像~』」(日本初演)

    2014年10月8日(水)
    ~26日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :デイヴィッド・ヘア

    翻訳:鴇澤麻由子

    演出:蓬莱竜太

    出演:若村麻由美、久世星佳

    作品紹介
    宮田慶子演劇芸術監督就任5年目の新企画として、現代の良質な二人芝居を気鋭の演出家が手がける新企画「二人芝居─対話する力─」がスタート。第1弾には2002年にロンドンで上演されたデイヴィッド・ヘアの話題作が選出された。妻と愛人という立場の異なる2人の女性が、それぞれの人生観をぶつけ合い……。初演時、マギー・スミスが演じたマデリン役を若村麻由美、ジュディ・デンチが演じたフランシス役を久世星佳が演じ、モダンスイマーズの蓬莱竜太が演出を担当した。

  • フライヤー

    「二人芝居 ─対話する力─vol.2『ご臨終』」

    2014年11月5日(水)
    ~24日(月・振休)
    新国立劇場 小劇場

    :モーリス・パニッチ

    翻訳:吉原豊司

    演出:ノゾエ征爾

    出演:温水洋一、江波杏子

    作品紹介
    現代の良質な二人芝居を気鋭の演出家が手がける新企画「二人芝居─対話する力─」の第2弾には、1995年に初演されたモーリス・パニッチの作品が登場。1通の手紙をきっかけに、一人暮らしの老婆と中年男の奇妙な共同生活が始まり……。演出を劇団はえぎわのノゾエ征爾が手がけ、温水洋一と江波杏子が、シリアスかつユーモラスなやり取りを繰り広げた。

  • フライヤー

    「二人芝居 ─対話する力─vol.3『星ノ数ホド』」(日本初演)

    2014年12月3日(水)
    ~21日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :ニック・ペイン

    翻訳:浦辺千鶴

    演出:小川絵梨子

    出演:鈴木杏、浦井健治

    作品紹介
    現代の良質な二人芝居を気鋭の演出家が手がける新企画「二人芝居─対話する力─」の第3弾には、2012年にロンドンで初演されたニック・ペインの作品が登場。物理学者のマリアンと養蜂家のローランドは雨のバーベキュー場で出会い恋に落ちるが……。2人が選択し得たかもしれないさまざまな可能性を、少しずつ違うところを含んだシーンの連続によって描き出す。劇中の多様なシーンを、1本の樹木を中心に円形に配した松岡泉の舞台美術も目を引いた。演出は小川絵梨子が担当。

  • フライヤー

    「ウィンズロウ・ボーイ」(新翻訳)

    2015年4月9日(木)
    ~26日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :テレンス・ラティガン

    翻訳:小川絵梨子

    演出:鈴木裕美

    出演:小林隆、中村まこと、竹下景子 / 森川由樹、山本悠生、渡辺樹里、チョウ ヨンホ、原 一登、川口高志、デシルバ安奈、近藤礼貴・渋谷龍生(Wキャスト)

    作品紹介
    イギリスを代表する劇作家テレンス・ラティガンが、1946年に実際の事件をヒントに書き下ろした本作。窃盗を働いた罪で海軍士官学校を退学になった息子の無実を信じ、その名誉回復のために奮闘する家族を描いた物語だ。演出は、ラティガン作品を何度も手がけている鈴木裕美が担当。出演者には宮田慶子が講師を務める、新国立劇場演劇研修所の修了生たちが名を連ね、小林隆、中村まこと、竹下景子らと共演した。

  • フライヤー

    「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─X『海の夫人』」(新翻訳)

    2015年5月13日(水)
    ~31日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :ヘンリック・イプセン

    翻訳:アンネ・ランデ・ペータス、長島確

    演出:宮田慶子

    出演:麻実れい、村田雄浩、大石継太、眞島秀和 / 橋本淳、横堀悦夫、太田緑ロランス、山﨑薫

    作品紹介
    「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに新翻訳に挑む、「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズの第10弾として、1888年に発表されたイプセン作品が登場。北部ノルウェーの小さな町に暮らすエリーダは、医師ヴァンゲルの後妻として生活を送っていた。そこへかつて結婚の約束を交わしていた船乗りの恋人が現れ……。2010年に上演された「ヘッダ・ガーブレル」に続き、アンネ・ランデ・ペータスと長島確が翻訳を、宮田慶子が演出を手がけた。

  • フライヤー

    「東海道四谷怪談」

    2015年6月10日(水)
    ~28日(日)
    新国立劇場 中劇場

    原作:鶴屋南北

    演出:森新太郎

    上演台本:フジノサツコ

    出演:内野聖陽、秋山菜津子 / 平岳大、山本亨、大鷹明良、木下浩之、有薗芳記、木村靖司、下総源太朗、陳内将、谷山知宏、酒向芳 / 北川勝博、采澤靖起、今國雅彦、稲葉俊一、わっしょい後藤、森野憲一、頼田昂治 / 花王おさむ、小野武彦

    作品紹介
    四世鶴屋南北の代表作の1つ「東海道四谷怪談」を、フジノサツコによる上演台本、森新太郎の演出で上演。塩冶の浪人・民谷伊右衛門は、産後の肥立が悪い女房のお岩を疎ましく思い始める。ある日、隣家の伊藤喜兵衛宅から贈られた血の道の妙薬を飲んだお岩は、たちまち相貌が崩れて、伊右衛門を恨み憤死する。その後、お岩と、お岩と共に殺された小仏小平の怨念が伊右衛門を襲い……。伊右衛門を内野聖陽、お岩を秋山菜津子が演じ、一大スペクタクルが中劇場で展開された。

  • フライヤー

    「かがみのかなたはたなかのなかに」(新作)

    2015年7月6日(月)
    ~26日(日)
    新国立劇場 小劇場

    作・演出:長塚圭史

    振付・音楽:近藤良平

    出演:近藤良平、首藤康之、長塚圭史、松たか子

    作品紹介
    2012年に上演された「音のいない世界で」に続き、近藤良平、首藤康之、長塚圭史、松たか子の顔合わせにより、“子どももおとなも楽しめる”作品作りの第2弾に挑戦。鏡をモチーフに、海軍士官の現実と妄想が入り乱れ、言葉と身体を駆使した“あべこべ”な世界が描かれた。

2015 / 2016シーズン

  • フライヤー

    「パッション」(日本初演)

    2015年10月16日(金)
    ~11月8日(日)
    新国立劇場 中劇場

    作曲・作詞:スティーブン・ソンドハイム

    台本:ジェームス・ラパイン

    翻訳:浦辺千鶴

    訳詞:竜真知子

    音楽監督:島健

    演出:宮田慶子

    出演:井上芳雄、和音美桜、シルビア・グラブ、福井貴一 / 佐山陽規、藤浦功一、KENTARO、原慎一郎、中村美貴、内藤大希、伊藤達人、鈴木結加里、東山竜彦、吉永秀平、一倉千夏、谷本充弘、白石拓也、小南竜平、岩橋大、荒田至法

    作品紹介
    1980年制作のイタリア映画「パッション・ダモーレ」に想を得た、スティーブン・ソンドハイムによるミュージカル「パッション」を宮田慶子の演出で日本初演。舞台は19世紀のイタリア、ミラノ。騎兵隊の兵士ジョルジオはクララとの愛に夢中だが、転勤先の田舎で闘病中のフォスカに出会う。激しい愛をぶつけるフォスカに冷たく接するジョルジオだが……。ジョルジオを井上芳雄、クララを和音美桜、フォスカをシルビア・グラブ、ジョルジオの上官リッチ大佐を福井貴一が演じた。

  • フライヤー

    「桜の園」

    2015年11月11日(水)
    ~29日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :アントン・チェーホフ

    翻訳:神西清

    演出:鵜山仁

    出演:田中裕子、柄本佑、木村了、宮本裕子、平岩紙、奥村佳恵、山﨑薫、木場允視、景山仁美、永澤洋、田代隆秀、吉村直 / 大谷亮介、石田圭祐、金内喜久夫

    作品紹介
    チェーホフ最後の戯曲「桜の園」を、神西清の翻訳、鵜山仁の演出により上演。ラネーフスカヤ夫人は、パリでの享楽的な生活に疲れ、破産状態で南ロシアの領地に戻ってくる。生活スタイルを変えられないラネーフスカヤ夫人は、舞踏会の最中に、先祖代々受け継がれてきた領地・桜の園が競売で落札されたことを知り……。ラネーフスカヤ夫人を田中裕子、桜の園を落札する元農奴の商人・ロパーヒンを柄本佑が演じた。

  • フライヤー

    「バグダッド動物園のベンガルタイガー」(日本初演)

    2015年12月8日(火)
    ~27日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :ラジヴ・ジョセフ

    翻訳:平川大作

    演出:中津留章仁

    出演:杉本哲太、風間俊介、安井順平、谷田歩、粟野史浩、クリスタル真希、田嶋真弓、野坂弘

    作品紹介
    欧米の優れた同時代作品を日本初演する企画として、2009年に初演され、ピュリツァー賞にノミネートされた、アメリカの劇作家ラジヴ・ジョセフの戯曲を、TRASH MASTERS・中津留章仁の演出で上演。03年にバグダッド動物園で実際に起きた、酔ったアメリカ兵がトラを射殺した事件に想を得て、射殺されたトラが幽霊となって街をさまよい歩き、自分を殺した兵士に取り憑くという奇想天外な作品が描かれる。杉本哲太がトラを演じた。

  • フライヤー

    「鄭義信 三部作 vol.1『焼肉ドラゴン』」(再演)

    2016年3月7日(月)
    ~27日(日)
    新国立劇場 小劇場

    作・演出:鄭義信

    出演:馬渕英里何、中村ゆり、高橋努、櫻井章喜、朴勝哲、山田貴之、大窪人衛、大沢健、あめくみちこ / ナム・ミジョン、ハ・ソングァン、ユウ・ヨンウク、キム・ウヌ、チョン・ヘソン

    作品紹介
    鄭義信三部作を一挙上演する企画の第1弾として、2008年に初演、11年に再演もされた「焼肉ドラゴン」が登場。1970年の日本のとある焼肉屋を舞台に、在日コリアンの家族の姿を描いた鄭義信の人気作で、初演時に第16回読売演劇大賞 大賞・最優秀作品賞ほかを受賞した。3度目の上演となった本公演では、新たなキャストを迎え、ニューバージョンとして上演。なお本作は鄭自身の脚本・監督により、2018年6月に映画化もされた。

  • フライヤー

    「鄭義信 三部作 vol.2『たとえば野に咲く花のように』」(再演)

    2016年4月6日(水)
    ~24日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :鄭義信

    演出:鈴木裕美

    出演:ともさかりえ、山口馬木也、村川絵梨、石田卓也、大石継太、池谷のぶえ、黄川田将也、猪野学、小飯塚貴世江、吉井一肇

    作品紹介
    鄭義信三部作を一挙上演する企画の第2弾として、2007年に初演された「たとえば野に咲く花のように」が登場。1951年の夏、九州のとある港町にある寂れたダンスホールを舞台に、4人の男女の思いが交錯し……。鈴木裕美が演出を担当し、ともさかりえ、山口馬木也、村川絵梨、石田卓也ら、新たな顔合わせにより上演された。

  • フライヤー

    「鄭義信 三部作 vol.3『パーマ屋スミレ』」(再演)

    2016年5月17日(火)
    ~6月5日(日)
    新国立劇場 小劇場

    作・演出:鄭義信

    出演:南果歩、根岸季衣、村上淳、久保酎吉、酒向芳、星野園美、森田甘路、長本批呂士、朴勝哲、森下能幸、青山達三、千葉哲也

    作品紹介
    鄭義信三部作を一挙上演する企画の第3弾として、2012年に初演された「パーマ屋スミレ」を上演。1960年代の中頃、九州のある炭鉱町でパーマ屋を営む在日コリアンの美容師と炭鉱夫を軸に、炭鉱事故により一酸化炭素中毒患者となった人たちとその家族の物語を描く。初演から続投の南果歩、根岸季衣のほか、千葉哲也、村上淳ら新たなキャストを迎えての上演となった。

  • フライヤー

    「あわれ彼女は娼婦」

    2016年6月8日(水)
    ~26日(日)
    新国立劇場 中劇場

    :ジョン・フォード

    翻訳:小田島雄志

    演出:栗山民也

    出演:浦井健治、蒼井優 / 伊礼彼方、大鷹明良、春海四方、佐藤誓、前田一世、野坂弘、浅野雅博、横田栄司 / 西尾まり、宮菜穂子、デシルバ安奈 / 川口高志、頼田昂治、寺内淳志、峰﨑亮介、坂川慶成、鈴木崇乃、斉藤綾香、髙田実那、大胡愛恵 / 石田圭祐、中嶋しゅう

    作品紹介
    エリザベス朝演劇を代表する、イギリスの劇作家ジョン・フォードの作品を、栗山民也が演出。舞台は中世のイタリア、パルマ。お互いを思い合うがゆえに過ちを犯してしまった美しき兄ジョヴァンニと妹アナベラの物語を、浦井健治、蒼井優ら実力派俳優たちが立ち上げた。

  • フライヤー

    「『かぐや姫伝説』より 月・こうこう, 風・そうそう」(新作)

    2016年7月13日(水)
    ~31(日)
    新国立劇場 小劇場

    :別役実

    演出:宮田慶子

    出演:和音美桜、山崎一、花王おさむ、松金よね子、増子倭文江、橋本淳、今國雅彦、稲葉俊一、後藤雄太、草彅智文 / 竹下景子、瑳川哲朗

    作品紹介
    「かぐや姫伝説」をモチーフにした別役実の新作戯曲を、宮田慶子が演出。心中しようと竹林に足を踏み入れた老爺と老婆は、何者からか逃げているという姫を助けることになった。やがて彼女を追って、さまざまな奇怪な人物が現れ……。

2016 / 2017シーズン

  • フライヤー

    「フリック」(日本初演)

    2016年10月13日(木)
    ~30日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :アニー・ベイカー

    翻訳:平川大作

    演出:マキノノゾミ

    出演:木村了、ソニン、村岡哲至、菅原永二

    作品紹介
    欧米の優れた同時代作品を日本初演する企画として、2014年にピュリツァー賞を受賞したアニー・ベイカーの戯曲を、平川大作の翻訳、マキノノゾミの演出で上演。舞台はアメリカ・マサチューセッツの古びた映画館。アナログからデジタルへと移行しつつある社会を背景に、映写係を夢見るサム、映画狂のエイヴリーら、若者たちの焦燥と苦悩が描かれる。

  • フライヤー

    「『ヘンリー四世』第一部 -混沌‐・第二部 ‐戴冠‐」

    2016年11月26日(土)
    ~12月22日(木)
    新国立劇場 中劇場

    :ウィリアム・シェイクスピア

    翻訳:小田島雄志

    演出:鵜山仁

    出演:浦井健治、岡本健一、勝部演之、立川三貴、水野龍司、木下浩之、有薗芳記、今井朋彦、青木和宣、綾田俊樹、ラサール石井 / 田代隆秀、那須佐代子、小長谷勝彦、下総源太朗、鍛治直人、川辺邦弘、佐川和正、亀田佳明、松角洋平、松岡依都美、藤側宏大、岡崎加奈、清水優譲 / 中嶋しゅう、佐藤B作

    作品紹介
    2009年上演「ヘンリー六世」、12年上演「リチャード三世」に続き、同じキャストとスタッフで上演されるシェイクスピアの歴史劇シリーズ。本公演ではヘンリー六世の祖父にあたるヘンリー四世と、その長男ハル王子(のちのヘンリー五世)の時代に焦点が当てられた。第1部「混沌」では若き日のハル王子と無頼の騎士フォールスタッフの放蕩三昧の日々が、第2部「戴冠」では王となったヘンリー五世の成長が描かれ、浦井健治がハル王子役を熱演した。

  • フライヤー

    「かさなる視点―日本戯曲の力― Vol.1『白蟻の巣』」

    2017年3月2日(木)
    ~19日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :三島由紀夫

    演出:谷賢一

    出演:安蘭けい、平田満、村川絵梨、石田佳央、熊坂理恵子、半海一晃

    作品紹介
    宮田慶子演劇芸術監督7年目の新企画として、日本近代演劇の礎となった3つの名作を30代の気鋭の演出家3人の手により上演するシリーズ「かさなる視点―日本戯曲の力―」が始動。第1弾として、三島由紀夫の長編戯曲「白蟻の巣」を谷賢一が演出した。ブラジル、リンスのとあるコーヒー農園を舞台に、奇妙な三角関係にある2組の夫婦が、それぞれの思いに絡め取られていく様を描く。

  • フライヤー

    「かさなる視点―日本戯曲の力― Vol.2『城塞』」

    2017年4月13日(木)~30日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :安部公房

    演出:上村聡史

    出演:山西惇、椿真由美、松岡依都美、たかお鷹、辻萬長(辻は一点しんにょうが正式表記)

    作品紹介
    日本近代演劇の礎となった3つの名作を30代の気鋭の演出家3人の手により上演する新企画「かさなる視点―日本戯曲の力―」の第2弾として、安部公房の「城塞」を上村聡史が演出。とある家の居間で、“和彦”と呼ばれる男とその父が言い争いを繰り広げている。男は父にある“ごっこ”を仕掛け、過去のある時間を何度も演じさせるのだが……。“和彦”と呼ばれる男を山西惇、その父を辻萬長が演じた。

  • フライヤー

    「かさなる視点―日本戯曲の力― Vol.3『マリアの首 -幻に長崎を想う曲-』」

    2017年5月10日(水)
    ~28日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :田中千禾夫

    演出:小川絵梨子

    出演:鈴木杏、伊勢佳世、峯村リエ、山野史人、谷川昭一朗、斉藤直樹、亀田佳明、チョウ ヨンホ、西岡未央、岡崎さつき

    作品紹介
    日本近代演劇の礎となった3つの名作を30代の気鋭の演出家3人の手により上演する新企画「かさなる視点―日本戯曲の力―」の第3弾として、田中千禾夫の岸田演劇賞受賞作「マリアの首」を小川絵梨子の演出で上演。終戦後の長崎で昼は看護婦、夜は娼婦として働く鹿、夫の詩集と薬を売りながら客引きをする忍、鹿と忍が働く病院の看護婦・静の3人は、原爆で崩れた浦上天主堂の壊れたマリア像を拾い集め、なんとかマリア像を保存しようとする。

  • フライヤー

    「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─XI『君が人生の時』」(新翻訳)

    2017年6月13日(火)
    ~7月2日(日)
    新国立劇場 中劇場

    :ウィリアム・サローヤン

    翻訳:浦辺千鶴

    演出:宮田慶子

    出演:坂本昌行、野々すみ花、丸山智己、橋本淳、下総源太朗、沢田冬樹、中山祐一朗、石橋徹郎、枝元萌 / 瀬戸さおり、渋谷はるか、RON×II、かみむら周平、林田航平、野坂弘、二木咲子、永澤洋、寺内淳志、坂川慶成、永田涼 / 澤山華凜・三浦涼音(Wキャスト) / 一柳みる、篠塚勝、原金太郎、木場勝己

    作品紹介
    「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに新翻訳に挑む、「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズの第11弾として、1939年にアメリカ・ニューヨークで初演されたウィリアム・サローヤンの代表作「君が人生の時」を上演。サンフランシスコの波止場のはずれにある場末の酒場にはさまざまな人が集まってくる。酒場で1日中シャンパンを飲んでいる放浪者のジョーは、弟分のトムがキティに恋しているのを知り、仲を取り持とうとするが……。

  • フライヤー

    「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─XII『怒りをこめてふり返れ』」(新翻訳)

    2017年7月12日(水)
    ~30日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :ジョン・オズボーン

    翻訳:水谷八也

    演出:千葉哲也

    出演:中村倫也、中村ゆり、浅利陽介、三津谷葉子、真那胡敬二

    作品紹介
    「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに新翻訳に挑む、「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズの第12弾として、1956年にイギリス・ロンドンで初演されたジョン・オズボーンの戯曲を水谷八也の新翻訳、千葉哲也の演出で上演。英国中部のある大都会の屋根裏部屋で、下層階級出身のジミーは、中産階級出身の妻アリソンを事あるごとに罵倒し、それを同居人の友人クリフがなだめている。ある日、アリソンの友人ヘレナが部屋を訪れ、窮地にあるアリソンを実家に返すことにし……。

2017 / 2018シーズン

  • フライヤー

    「トロイ戦争は起こらない」(新翻訳)

    2017年10月5日(木)
    ~22日(日)
    新国立劇場 中劇場

    :ジャン・ジロドゥ

    翻訳:岩切正一郎

    演出:栗山民也

    出演:鈴木亮平、一路真輝、鈴木杏、谷田歩 / 江口のりこ、川久保拓司、粟野史浩、福山康平、野口俊丞、チョウ ヨンホ、金子由之 / 薄平広樹、西原康彰、原一登、坂川慶成、岡崎さつき、西岡未央、山下カオリ、鈴木麻美、角田萌果 / 花王おさむ、大鷹明良、三田和代

    作品紹介
    宮田慶子演劇芸術監督のラストシーズンのオープニング作品として、フランス人劇作家ジャン・ジロドゥの名作を、栗山民也が演出。長きにわたる戦争が終わり、平和が訪れたトロイの国に、トロイの王子・エクトールが帰還する。エクトールとパリスは絶世の美女であるギリシャ王妃エレーヌの虜となり、彼女をギリシャから誘拐してきてしまった。ギリシャ王はエレーヌを返せと迫るが……。エクトールを鈴木亮平、エレーヌを一路真輝が演じた。

  • フライヤー

    「プライムたちの夜」(日本初演)

    2017年11月7日(火)
    ~26日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :ジョーダン・ハリソン

    翻訳:常田景子

    演出:宮田慶子

    出演:浅丘ルリ子、香寿たつき、佐川和正、相島一之

    作品紹介
    欧米の優れた同時代作品を日本初演する企画として、アメリカの新進作家ジョーダン・ハリソンの作品を宮田慶子の演出で上演。2014年にアメリカ・ロサンゼルス市で初演された本作は、テクノロジーがどこまで愛を補えるのかに迫った問題作だ。85歳のマージョリーは亡き夫の若き日の姿に似せたアンドロイドと会話している。薄れゆくマージョリーの記憶を、娘夫婦はなんとかつなぎ止めようとするが……。新国立劇場初登場となる浅丘ルリ子がマージョリー役を演じた。

  • フライヤー

    「かがみのかなたはたなかのなかに」(再演)

    2017年12月5日(火)
    ~24日(日)
    新国立劇場 小劇場

    作・演出:長塚圭史

    振付・音楽:近藤良平

    出演:近藤良平、首藤康之、長塚圭史、松たか子

    作品紹介
    2015年初演作を2年ぶりに同一キャストで再演。2012年に“子どももおとなも楽しめる”作品を目指して制作された「音のいない世界で」の第2弾で、作・演出を阿佐ヶ谷スパイダースの長塚圭史、出演者には長塚のほか、近藤良平、首藤康之、松たか子が名を連ねた。鏡をモチーフに、海軍士官の現実と妄想が入り乱れ、言葉と身体を駆使した“あべこべ”な世界が描かれる。

  • フライヤー

    「赤道の下のマクベス」(日本初演)

    2018年3月6日(火)
    ~25日(日)
    新国立劇場 小劇場

    作・演出:鄭義信

    出演:池内博之、浅野雅博、尾上寛之、丸山厚人、木津誠之、チョウ ヨンホ、岩男海史、中西良介、平田満

    作品紹介
    「たとえば野に咲く花のように」「焼肉ドラゴン」「パーマ屋スミレ」に遡る第4弾として描かれた本作。2010年、韓国ソウルの明洞芸術劇場で初演され、新国立劇場上演のために大幅に改訂し日本初演となった。1947年のシンガポール、チャンギ刑務所を舞台に、池内博之演じる、演劇に憧れる青年パク・ナムソンら、第二次世界大戦の戦犯として収容されていた朝鮮人の元捕虜監視員と元日本軍人が、肉体的にも精神的にも追い込まれながら、死刑執行を待つ姿が描かれる。

  • フライヤー

    「1984」(日本初演)

    2018年4月12日(木)
    ~5月13日(日)
    新国立劇場 小劇場

    原作:ジョージ・オーウェル

    :ロバート・アイク、ダンカン・マクミラン

    翻訳:平川大作

    演出:小川絵梨子

    出演:井上芳雄、ともさかりえ、森下能幸、宮地雅子、山口翔悟、神農直隆、武子太郎、曽我部洋士、堀元宗一朗、青沼くるみ・下澤実礼・本多明鈴日(トリプルキャスト)

    作品紹介
    欧米の優れた同時代作品を日本初演する企画として、ジョージ・オーウェルの人気小説を舞台化した「1984」が登場。2050年以降の世界で、小説「1984」とその附録である「ニュースピークの諸原理」について、人々は分析を繰り広げる。1950年代に起きた核戦争後、すべての人々がビッグブラザーにより監視され統制されている1984年の社会で、真実省の役人ウィンストン・スミスは、自分の考えをノートに書いてまとめるという禁断の行為に手を染め……。演出を小川絵梨子、ウィンストン役を井上芳雄が演じた。

  • フライヤー

    「ヘンリー五世」

    2018年5月17日(木)
    ~6月3日(日)
    新国立劇場 中劇場

    :ウィリアム・シェイクスピア

    翻訳:小田島雄志

    演出:鵜山仁

    出演:浦井健治、岡本健一、中嶋朋子 、 立川三貴、水野龍司、吉村直、木下浩之、田代隆秀、浅野雅博、塩田朋子、横田栄司 / 那須佐代子、小長谷勝彦、下総源太朗、櫻井章喜、清原達之、鍛治直人、川辺邦弘 、亀田佳明、松角洋平、内藤裕志、田中菜生、鈴木陽丈、小比類巻諒介、玲央バルトナー / 勝部演之、金内喜久夫

    作品紹介
    2009年上演「ヘンリー六世」、12年上演「リチャード三世」、16年上演「ヘンリー四世」に続き、同一キャストとスタッフで上演されるシェイクスピアの歴史劇シリーズ。即位したばかりのヘンリー五世のもとへ、フランスからの使節が訪れる。使節は、若き日のヘンリーの放埓を皮肉り、箱いっぱいに詰め込まれたテニスボールを持参し……。

  • フライヤー

    「夢の裂け目」(再演)

    2018年6月4日(月)
    ~24日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :井上ひさし

    演出:栗山民也

    出演:段田安則、唯月ふうか、高田聖子、吉沢梨絵、上山竜治、玉置玲央、佐藤誓 / 保坂知寿、木場勝己

    作品紹介
    2001年に「時代と記憶」シリーズの1つとして書き下ろされた井上ひさしの「夢の裂け目」を、新たなキャストで上演。昭和21年の夏、東京・根津の紙芝居屋の親方である天声は、GHQによって東京裁判の証人として出頭することを命じられる。出頭し証言を終えた天声は、東京裁判の持つ構造にからくりがあることに気づき……。

  • フライヤー

    「消えていくなら朝」(新作)

    2018年7月12日(木)
    ~29日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :蓬莱竜太

    演出:宮田慶子

    出演:鈴木浩介、山中崇、高野志穂、吉野実紗(吉は土に口が正式表記)、梅沢昌代、高橋長英

    作品紹介
    宮田慶子演劇芸術監督の任期最後の作品は、宮田が「時代をつかむアンテナアイコン」と絶大な信頼を寄せる、蓬莱竜太の書き下ろしを自らの演出で上演。家族と疎遠状態にある作家の定男は5年ぶりに帰省する。定男の仕事をよく思っていない家族を前に、定男は「今度の新作は、この家族をありのままに描いてみようと思うんだ」と切り出し……。

新国立劇場 2017 / 2018シーズン
開場20周年記念公演「消えていくなら朝」
消えていくなら朝 | 新国立劇場 演劇
2018年7月12日(木)~29日(日)
東京都 新国立劇場 小劇場
  • :蓬莱竜太
  • 演出:宮田慶子
  • 出演:鈴木浩介、山中崇、高野志穂、吉野実紗、梅沢昌代、高橋長英
宮田慶子(ミヤタケイコ)
1980年、劇団青年座 文芸部に入団。83年青年座スタジオ公演「ひといきといき」の作・演出でデビュー。翻訳劇、近代古典、ストレートプレイ、ミュージカル、商業演劇、小劇場と多方面にわたる作品を手がける一方、演劇教育や日本各地での演劇振興・交流に積極的に取り組んでいる。主な受賞歴に、第29回紀伊國屋演劇賞個人賞、第5回読売演劇大賞優秀演出家賞、芸術選奨文部大臣新人賞、第43回毎日芸術賞千田是也賞、第9回読売演劇大賞最優秀演出家賞など。2010年から18年8月まで新国立劇場 演劇部門の芸術監督を務める。16年4月より新国立劇場演劇研修所所長。また公益社団法人日本劇団協議会常務理事、日本演出者協会副理事長も務める。