新国立劇場 演劇芸術監督・宮田慶子インタビュー|8年間でプロデュース64公演、そのすべてに込めた思い

2011 / 2012シーズン

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    「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─I『ヘッダ・ガーブレル』」(新翻訳)

    2010年9月17日(金)
    ~10月11日(月・振休)
    新国立劇場 小劇場

    :ヘンリック・イプセン

    翻訳:アンネ・ランデ・ペータス、長島確

    演出:宮田慶子

    出演:大地真央、益岡徹 / 七瀬なつみ、山口馬木也、青山眉子 / 羽場裕一、田島令子

    作品紹介
    宮田慶子演劇芸術監督の就任1シーズン目のオープニング作品となった本作。ガーブレル将軍の娘ヘッダは、文化史研究者のイェルゲン・テスマンと結婚する。自由奔放に生きているかに見える彼女だが、胸の内にはさまざまな思いを抱えていて……。ノルウェー語からアンネ・ランデ・ペータスと長島確が新訳を手がけ、大地真央の主演により、現代の観客にも強く響きかけるヘッダ・ガーブレル像を立ち上げた。なお本作は「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに新翻訳に挑む、「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─」の第1弾でもある。

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    「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─II『やけたトタン屋根の上の猫』」(新翻訳)

    2010年11月9日(火)
    ~28日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :テネシー・ウィリアムズ

    翻訳:常田景子

    演出:松本祐子

    出演:寺島しのぶ、北村有起哉、銀粉蝶、三上市朗、広岡由里子、市川勇、頼経明子、三木敏彦、木場勝己

    作品紹介
    「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに新翻訳に挑む、「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─」の第2弾は、1995年にピュリツアー賞を受賞したテネシー・ウィリアムズの戯曲を常田景子の新翻訳、松本祐子の演出で上演。アメリカ南部で大農場を営むビッグ・ダディは、本人には知らされていないが、ガンで余命いくばくもない。彼の2人の息子とその妻たちは、ビッグ・ダディの誕生日パーティに集まり、和やかな団欒を繰り広げる。が、やがて家族の“嘘と真実”が明らかになり……。

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    「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─III『わが町』」(新翻訳)

    2011年1月13日(木)
    ~29日(土)
    新国立劇場 中劇場

    :ソーントン・ワイルダー

    翻訳:水谷八也

    演出:宮田慶子

    音楽・ピアノ演奏:稲本響

    出演:小堺一機、鷲尾真知子、相島一之、佐藤正宏 / 中村倫也、佃井皆美、中村元紀、山本亨 / 朝倉みかん、宇髙海渡、内山ちひろ、大村沙亜子、菅野隼人 / 斉藤悠、佐々木友里、下村マヒロ、高橋智也、高橋宙無 / 内藤大希、橋本淳、橋本咲キアーラ、水野駿太朗、横山央 / 神尾冨美子、北澤雅章、竹居正武、都村敏子 / 德納敬子、中野富吉、森下竜一、吉久智恵子 / 青木和宣、増子倭文江、斉藤由貴

    作品紹介
    「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに新翻訳に挑む、「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─」の第3弾には、現代アメリカ演劇を代表するソーントン・ワイルダーの「わが町」が登場。ニューハンプシャー州の小さな町グローヴァーズ・コーナーズに暮らすエミリーとジョージを軸に、人生の営みを鮮やかに描いた作品だ。新翻訳を英米文学研究者で翻訳家の水谷八也が、演出を宮田慶子が担当。

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    日韓合同公演「焼肉ドラゴン」(再演)

    2011年2月7日(月)
    ~20日(日)
    新国立劇場 小劇場

    作・演出:鄭義信

    翻訳:川原賢柱

    出演:千葉哲也、粟田麗、占部房子、若松力、朴勝哲、山田貴之、水野あや、佐藤誓、笑福亭銀瓶 / 申哲振、朴帥泳、金文植、高秀喜、朱仁英

    作品紹介
    2008年に韓国のソウル・芸術の殿堂とのコラボレーション作品として、日韓の俳優陣により東京とソウルにて上演された「焼肉ドラゴン」。大阪で万国博覧会が行われた1970年を舞台に、関西地方都市の一角で焼肉屋を営む、在日コリアンの家族の姿を描いた鄭義信の人気作で、初演時に第16回読売演劇大賞 大賞・最優秀作品賞ほかを受賞するなど、大きな話題を呼んだ。なお本作は鄭自身の脚本・監督により、2018年6月に映画化された。

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    「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─IV『ゴドーを待ちながら』」(新翻訳)

    2011年4月15日(金)
    ~5月1日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :サミュエル・ベケット

    翻訳:岩切正一郎

    演出:森新太郎

    出演:橋爪功、石倉三郎 / 石井愃一、柄本時生、山野史人

    作品紹介
    「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに新翻訳に挑む、「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─」の第4弾には、ベケットの不条理劇が登場。森新太郎が演出を手がけ、美術家の礒沼陽子が縦長の対面式ステージを小劇場の空間に作り上げた。東日本大震災の余震が続く中、荒涼とした田舎道でゴドーをひたすら待ち続けるエストラゴンとヴラジミールを、橋爪功と石倉三郎が飄々と演じ、好評を博した。

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    「鳥瞰図 ―ちょうかんず―」(再演)

    2011年5月10日(火)
    ~22日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :早船聡

    演出:松本祐子

    出演:渡辺美佐子、入江雅人、野村佑香、八十田勇一、弘中麻紀、浅野雅博、佐藤銀平 / 品川徹

    作品紹介
    「2008年に実施された若手劇作家とベテラン演出家によるコラボレーション企画「シリーズ・同時代」より、サスペンデッズ・早船聡の戯曲を松本祐子が演出。東京湾岸にある老舗の釣り船宿・升本は、女将の佐和子と息子の茂雄を中心に、細々とした営業が続いている。ある夏の日、見知らぬ少女がやって来た。彼女は出て行った長女の娘だと言い……。

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    「雨」

    2011年6月9日(木)
    ~29日(水)
    新国立劇場 中劇場

    :井上ひさし

    演出:栗山民也

    出演:市川亀治郎(現・市川猿之助)、永作博美 / 梅沢昌代、たかお鷹、花王おさむ、山本龍二、山西惇 / 植本潤、酒向芳、金成均、石田圭祐、武岡淳一 / 永田耕一、脇田茂、市川澤五郎、築出静夫、岡本敏明、篠原正志、中條郁司郎、桜木信介、北川響、西村壮悟、長本批呂士、趙栄昊、片山万由美、土屋美穂子、つかもと景子、加茂美穂子、川西佑佳、深谷美歩、吉田妙子、青木花、斉藤麻里絵、仙崎貴子

    作品紹介
    1976年に初演され、その後、こまつ座にて上演を重ねられた井上ひさしの戯曲を、栗山民也の演出で上演。江戸の両国橋で金物拾いをしている徳は、自身が大店の主人、紅屋喜左衛門とそっくりだと知る。さらに喜左衛門が昨年の秋から行方不明だと知って、喜左衛門の妻・おたかを一目見てやろうという思案が浮かび……。喜左衛門を市川亀治郎(現・市川猿之助)、おたかを永作博美が演じた。

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    「おどくみ」(新作)

    2011年6月27日(月)
    ~7月18日(月・祝)
    新国立劇場 小劇場

    :青木豪

    演出:宮田慶子

    出演:高橋惠子、浅利陽介、黒川芽以、下村マヒロ、東迎昂史郎、谷川昭一朗、樋田慶子 / 根岸季衣 / 小野武彦

    作品紹介
    青木豪が新国立劇場に初めて書き下ろした本作。舞台は1980年代の、横須賀のはずれにある総菜屋。ある日、葉山の御用邸から仕出し弁当の注文が入り、一家は一丸となって用意に精を出す。そして弁当を無事届けるが、事態の雲行きは次第に怪しくなり……。演出を宮田慶子が手がけ、総菜屋を切り盛りする妻役を高橋惠子が演じた。

2011 / 2012シーズン

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    「【美×劇】─滅びゆくものに託した美意識─I『朱雀家の滅亡』」

    2011年9月20日(火)
    ~10月10日(月・祝)
    新国立劇場 小劇場

    :三島由紀夫

    演出:宮田慶子

    出演:國村隼、香寿たつき、柴本幸、木村了、近藤芳正

    作品紹介
    宮田慶子演劇芸術監督就任2年目の新企画として、日本の近代古典と新作を織り交ぜた「【美×劇】─滅びゆくものに託した美意識─」シリーズがスタート。その第1弾として、ギリシア悲劇「ヘラクレス」をベースに太平洋戦争末期のある華族の滅亡を描いた、三島由紀夫の「朱雀家の滅亡」を宮田の演出で上演した。宮田は2007年にも同作の演出を手がけており、本上演では國村隼、香寿たつきら新たな顔合わせで挑んだ。

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    「【美×劇】─滅びゆくものに託した美意識─II『イロアセル』」(新作)

    2011年10月18日(火)
    ~11月5日(土)
    新国立劇場 小劇場

    :倉持裕

    演出:鵜山仁

    出演:藤井隆、木下浩之、小嶋尚樹、松角洋平、花王おさむ、ベンガル / 島田歌穂、加藤貴子、高尾祥子、剣幸

    作品紹介
    日本の近代古典と新作を織り交ぜた「【美×劇】─滅びゆくものに託した美意識─」シリーズの第2弾は、新国立劇場初登場のペンギンプルペイルパイルズ・倉持裕の書き下ろしを鵜山仁が演出。舞台はある小さな島。島民たちはそれぞれ固有の色がある言葉を持っており、そのためにけっして嘘をつかなかった。ところが島外からやってきた囚人の言葉は無色透明だったため、島民たちは囚人に打ち明け話をするようになり……。“色のついた言葉”は、照明や映像によって表現された。

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    「【美×劇】─滅びゆくものに託した美意識─III『天守物語』」

    2011年11月5日(土)
    ~20日(日)
    新国立劇場 中劇場

    :泉鏡花

    演出:白井晃

    出演:篠井英介、平岡祐太、奥村佳恵、村岡希美、関秀人、関戸将志、坂元健児 / 粟田麗、鳴海由子、小見美幸、岡野真那美、冠野智美、淺場万矢、飛鳥井みや、津村雅之、今國雅彦、稲葉俊一、早川友博、関佑太、遠藤広太、平良あきら / 小林勝也、田根楽子、江波杏子

    作品紹介
    日本の近代古典と新作を織り交ぜた「【美×劇】─滅びゆくものに託した美意識─」シリーズの第3弾として、泉鏡花の「天守物語」を白井晃が演出。武田播磨守の居城、白鷺城の天守閣には魔界の者が住んでいた。天守夫人・富姫のもとを訪れた亀姫は、播磨守自慢の白鷹が気に入り、富姫はそれを進呈する。その晩、播磨守の鷹匠・姫川図書之助が天守閣を訪れ、白鷹を逃した罪で切腹を迫られているため、白鷹を探しに来たと言い……。富姫を篠井英介が演じ、音楽を三宅純、美術を小竹信節、振付を康本雅子が担当。幻想的で優美な空間が中劇場に立ち上がった。

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    「パーマ屋スミレ」(新作)

    2012年3月5日(月)
    ~25日(日)
    新国立劇場 小劇場

    作・演出:鄭義信

    出演:南果歩、根岸季衣、酒向芳、星野園美、森田甘路、長本批呂士、朴勝哲、石橋徹郎、久保酎吉、森下能幸、青山達三、松重豊

    作品紹介
    2007年初演の「たとえば野に咲く花のように」、08年初演の「焼肉ドラゴン」に続き、鄭義信が新国立劇場に新作を書き下ろし。1960年代の中頃、九州のある炭鉱町でパーマ屋を営む在日コリアンの美容師と炭鉱夫を軸に、炭鉱事故によって一酸化炭素中毒患者となった人たちとその家族の、生死を懸けた闘いを描く。

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    「まほろば」(再演)

    2012年4月2日(月)
    ~15日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :蓬莱竜太

    演出:栗山民也

    出演:秋山菜津子、中村たつ、魏涼子、前田亜季、大西風香、三田和代

    作品紹介
    2008年に実施された若手劇作家とベテラン演出家によるコラボレーション企画「シリーズ・同時代」より、第53回岸田國士戯曲賞に輝いたモダンスイマーズ・蓬莱竜太の「まほろば」を再演。とある田舎町の祭の夜、ある家の居間に集まった10代から70代までの6人の女たちは、母として女として、選択を迫られ……。出演者には個性豊かな6人の女優たちがそろった。

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    「負傷者16人-SIXTEEN WOUNDED-」(日本初演)

    2012年4月23日(月)
    ~5月20日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :エリアム・クライエム

    翻訳:常田景子

    演出:宮田慶子

    出演:井上芳雄、東風万智子、粟野史浩、あめくみちこ、益岡徹

    作品紹介
    欧米の優れた同時代作品を日本初演する企画として、2004年にブロードウェイで発表されたエリアム・クライエム作「負傷者16人」を上演。オランダを舞台に、ユダヤ人のパン職人・ハンスと、そこで働くことになったパレスチナ人の青年マフムードの心の交流を描く。マフムードを井上芳雄、ハンスを益岡徹が演じ、人種や宗教の問題、そしてそれを超えた人間同士の繋がりに深く迫った。

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    「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─V『サロメ』」(新翻訳)

    2012年5月31日(木)
    ~6月17日(日)
    新国立劇場 中劇場

    :オスカー・ワイルド

    翻訳:平野啓一郎

    演出:宮本亜門

    出演:多部未華子、成河、麻実れい、奥田瑛二 / 山口馬木也、植本潤、春海四方、ヨシダ朝、水下きよし、遠山俊也、櫻井章喜、池下重大、谷田歩、森岡豊、平川和宏、神太郎、内藤大希、漆崎敬介、坂本三成、右門青寿、斉藤直樹、ベータ、星智也、西村壮悟、原一登、川口高志、林田航平、水野龍司、戸井田稔、鈴木慎平

    作品紹介
    「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに新翻訳に挑む、「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズの第5弾。オスカー・ワイルドの「サロメ」を、作家・平野啓一郎が新たに翻訳し、宮本亜門が演出した。舞台はエルサレムのヘロデ王の宮殿。叔父で現在の義父であるユダヤ王ヘロデは、サロメに「踊ってみろ」と命じる。サロメは踊りの代わりに預言者ヨカナーンの首をヘロデに要求する。サロメを多部未華子、ヨカナーンを成河が演じた。

  • フライヤー

    「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─VI『温室』」

    2012年6月26日(火)
    ~7月16日(月・祝)
    新国立劇場 小劇場

    :ハロルド・ピンター

    翻訳:喜志哲雄

    演出:深津篤史

    出演:高橋一生、小島聖、山中崇、橋本淳、原金太郎、半海一晃 / 段田安則

    作品紹介
    「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに新翻訳に挑む、「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズの第6弾には、ハロルド・ピンターの「温室」が登場。病院と思われる国営収容施設で、ある患者が死に、別のある患者は出産した。秩序を重んじる施設の最高責任者ルートは妊娠させた犯人を探し出そうとするが……。演出を、2014年に逝去した桃園会の深津篤史、美術を池田ともゆきが手がけ、回転し続ける盆の上でスリリングなやり取りが繰り広げられた。

2012 / 2013シーズン

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    「リチャード三世」

    2012年10月3日(水)
    ~21日(日)
    新国立劇場 中劇場

    :ウィリアム・シェイクスピア

    翻訳:小田島雄志

    演出:鵜山仁

    出演:岡本健一、中嶋朋子、浦井健治、勝部演之、立川三貴、倉野章子、木下浩之、今井朋彦、吉村直、青木和宣、那須佐代子、小長谷勝彦、森万紀、清原達之、城全能成、関戸将志、篠原正志、川辺邦弘、松角洋平、津村雅之、前田一世、浦野真介、梶原航

    作品紹介
    2009年に新国立劇場にて上演されたシェイクスピアの処女戯曲「ヘンリー六世」の続編「リチャード三世」が、前回に続き鵜山仁の演出で登場。また「ヘンリー六世」の出演者たちが再集結し、同じ役を引き継いで本公演に臨んだ。グロスター公リチャードは、策を巡らせ次々と王位継承者を破滅に追いやり、遂にリチャード三世として即位する。しかし造反した貴族たちはリッチモンド伯ヘンリー・チューダーと共に反旗を翻す。岡本健一がリチャード三世を演じた。

  • フライヤー

    「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─VII『るつぼ』」(新翻訳)

    2012年10月29日(月)
    ~11月18日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :アーサー・ミラー

    翻訳:水谷八也

    演出:宮田慶子

    出演:池内博之、鈴木杏 / 田中利花、関時男、木村靖司、檀臣幸、浅野雅博 / 松熊つる松、栗田桃子、佐川和正、亀田佳明、深谷美歩 / 武田桂、日沼さくら、チョウ ヨンホ、梨里杏、奥泉まきは / 磯部勉、戸井田稔、佐々木愛

    作品紹介
    「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに新翻訳に挑む、「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズの第7弾にアーサー・ミラーの「るつぼ」が登場。17世紀末に実際に起きたセイラムの魔女裁判をモチーフに、1950年代のアメリカの状況を投影させた問題作を、水谷八也の新訳で上演。何かに取り憑かれたような少女たちによって次々と“魔女”だと告発されていく住民たち。群集心理により追い込まれていく人たちの姿を、演出の宮田慶子が丁寧に描き出した。

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    「音のいない世界で」(新作)

    2012年12月23日(日・祝)
    ~2013年1月20日(日)
    新国立劇場 小劇場

    作・演出:長塚圭史

    振付:近藤良平

    出演:近藤良平、首藤康之、長塚圭史、松たか子

    作品紹介
    新国立劇場が初めて“子供に開かれた”作品に挑戦。作・演出を阿佐ヶ谷スパイダースの長塚圭史が手がけ、大切なカバンを盗まれたせいで音を失ってしまった女性が、カバンを追い求め旅する様を描く。出演者には長塚のほか、コンドルズの近藤良平、バレエダンサーの首藤康之、松たか子と異色の顔ぶれがそろった。なお後に同一メンバーにより、「かがみのかなたはたなかのなかに」(15年初演、17年再演)が制作された。

  • フライヤー

    「長い墓標の列」

    2013年3月7日(木)
    ~24日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :福田善之

    演出:宮田慶子

    出演:村田雄浩、那須佐代子、石田圭祐、小田豊 / 古河耕史、北川響、遠山悠介、西原康彰、熊坂理恵子 / 安藤大悟、今井聡、扇田森也、チョウ ヨンホ、大里秀一郎 / 梶原航、形桐レイメイ、川口高志、林田航平

    作品紹介
    「真田風雲録」「袴垂れはどこだ」などで知られる福田善之の、1957年発表作品を、宮田慶子が演出。東京帝国大学経済学部の河合栄治郎教授に対する思想弾圧事件をモデルにした作品で、58年にぶどうの会、63年には劇団青年芸術劇場でも上演された。なお本上演では、村田雄浩、那須佐代子、石田圭祐、小田豊らと共に、宮田慶子が講師を務める、新国立劇場演劇研修所の修了生たちが舞台に臨んだ。

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    「With ─つながる演劇・ウェールズ編─『効率学のススメ』」(新作)

    2013年4月9日(火)
    ~28日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :アラン・ハリス

    翻訳:長島確

    演出:ジョン・E・マグラー

    出演:豊原功補、宮本裕子、田島優成、渋谷はるか、田島令子、中嶋しゅう

    作品紹介
    宮田慶子演劇芸術監督就任3年目の新企画として、海外の演劇人と普遍的なテーマを探る新企画「With ─つながる演劇─」シリーズがスタート。その第1弾として、 2010年に開場したナショナル・シアター・ウェールズの初代芸術監督ジョン・E・マグラーの演出により、ウェールズ出身の劇作家アラン・ハリスの新作を上演。製薬会社の研究室を舞台に、“効率性”と命の問題に迫った。

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    「With ─つながる演劇・韓国編─『アジア温泉』」(新作)

    2013年5月10日(金)
    ~26日(日)
    新国立劇場 中劇場

    :鄭義信

    翻訳:パク・ヒョンスク

    演出:ソン・ジンチェク

    出演:勝村政信、成河、千葉哲也、酒向芳、森下能幸、谷川昭一朗、朴勝哲、山中崇、江部北斗 、ちすん、梅沢昌代 / キム・ジンテ、チョン・テファ、ソ・サンウォン、キム・ムンシク、キム・ジョンヨン、カン・ハクス、イ・ボンリョン、チョン・ジュンテ 、 チョン・エヒョン、キム・ユリ、キム・シユル

    作品紹介
    海外の演劇人と普遍的なテーマを探る新企画「With ─つながる演劇─」シリーズの第2弾として、鄭義信の新作を韓国のソン・ジンチェクの演出により上演。温泉が湧き出たアジアのある島へ、リゾート開発を目論みやって来たある兄弟は、島の古老らとの対立を深め……。シリアスかつ普遍的な問題をはらみつつも、日韓の俳優たちによる共演、客席も使った大胆な演出、音楽の生演奏など祝祭性に満ちた作品となった。

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    「With ─つながる演劇・ドイツ編─『つく、きえる』」(新作)

    2013年6月4日(火)
    ~23日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :ローラント・シンメルプフェニヒ

    翻訳:大塚直

    演出:宮田慶子

    出演:中村蒼、谷村美月、田中美里、大石継太、松尾諭、津村知与支、枝元萌、河合杏南

    作品紹介
    海外の演劇人と普遍的なテーマを探る新企画「With ─つながる演劇─」シリーズの第3弾として、現代ドイツ演劇界を牽引するローラント・シンメルプフェニヒの新作を宮田慶子の演出で上演。2008年に初来日したシンメルプフェニヒが、当時の印象と東日本大震災以降の日本の印象とを織り交ぜながら、“今この瞬間から、私たちはどう生きて行くのか”をテーマに、あるホテルで密会を重ねる3組のカップルを軸にした物語を描く。

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    「象」(再演)

    2013年7月2日(火)
    ~21日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :別役実

    演出:深津篤史

    出演:大杉漣、木村了、奥菜恵 / 山西惇、金成均、野村修一、橋本健司 / 神野三鈴、羽場裕一

    作品紹介
    1962年に劇団自由舞台の旗揚げ作品として上演された、別役実の初期作品「象」。新国立劇場では2010年に初演され、3年ぶりの上演となる本公演では一部新キャストを迎えて臨んだ。原爆で背中に負ったケロイドを人に見せびらかしたいと思っている病人と、それを止めるようにと説得する甥。2人を軸に原爆病者たちの姿や人間存在の不安に迫る。演出は、初演に続き2014年に逝去した桃園会の深津篤史が担当。

2013 / 2014シーズン

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    「Try・Angle-三人の演出家の視点- Vol.1『OPUS/作品』」(日本初演)

    2013年9月10日(火)
    ~29日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :マイケル・ホリンガー

    翻訳:平川大作

    演出:小川絵梨子

    出演:段田安則、相島一之、加藤虎ノ介、伊勢佳世、近藤芳正

    作品紹介
    宮田慶子演劇芸術監督就任4年目の新企画として「30代の演出家の現在の視点のあり方を、お客様とともに見つめたい」という宮田の思いから、「Try・Angle-三人の演出家の視点-」シリーズがスタート。第1弾には小川絵梨子が登場し、2006年にアメリカで初演されたマイケル・ホリンガーの「OPUS/作品」を上演。弦楽カルテットの男性4人を中心に、欲望や猜疑心、嫉妬や裏切りを、笑いを交えて描く。

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    「Try・Angle-三人の演出家の視点- Vol.2『エドワード二世』」(新翻訳)

    2013年10月8日(火)
    ~27日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :クリストファー・マーロウ

    翻訳:河合祥一郎

    演出:森新太郎

    出演:柄本佑、中村中、大谷亮介、窪塚俊介、大鷹明良、木下浩之、中村彰男、石住昭彦、下総源太朗、谷田歩、石田佳央、長谷川志、安西慎太郎、小田豊、原康義、西本裕行、瑳川哲朗

    作品紹介
    「30代の演出家の現在の視点のあり方を、お客様とともに見つめたい」という宮田の思いからスタートした、「Try・Angle-三人の演出家の視点-」シリーズ。第2弾には演劇集団 円の森新太郎が登場し、イギリス・エリザベス朝演劇の代表的作家クリストファー・マーロウの歴史劇に、河合祥一郎の新訳で挑んだ。父王の死後、フランス人騎士ギャヴィストンを異常なほど寵愛したエドワード二世は、先王からの家臣たちから反感を買い……。

  • フライヤー

    「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─VIII『ピグマリオン』」(新翻訳)

    2013年11月13日(水)
    ~12月1日(日)
    新国立劇場 中劇場

    :ジョージ・バーナード・ショー

    翻訳:小田島恒志

    演出:宮田慶子

    出演:石原さとみ、平岳大、小堺一機 / 綱島郷太郎、増子倭文江、橋本淳、春風ひとみ、倉野章子 / 佐藤誓、櫻井章喜、髙橋幸子、三宅克幸、林英世、水野龍司 / 中尾和彦、東山竜彦、柏木ナオミ、一倉千夏、竹内晶美、千田真司 / 五十嵐耕司、窪田壮史、川口高志、林田航平、井上沙耶香、森川由樹

    作品紹介
    「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに新翻訳に挑む、「JAPAN MEETS…─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズの第8弾は、「マイ・フェア・レディ」の原作となった、ジョージ・バーナード・ショー作の「ピグマリオン」を上演。ロンドンの下町に住む花売り娘のイライザが、言語学者のヒギンズ教授と出会ったことでレディへと変貌を遂げる。演出は宮田慶子、出演者には石原さとみ、平岳大、小堺一機らが名を連ねた。

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    「Try・Angle-三人の演出家の視点- Vol.3『アルトナの幽閉者』」(新翻訳)

    2014年2月19日(水)
    ~3月9日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :ジャン=ポール・サルトル

    翻訳:岩切正一郎

    演出:上村聡史

    出演:岡本健一、美波、横田栄司、吉本菜穂子、北川響、西村壮悟、辻萬長(辻は一点しんにょうが正式表記)

    作品紹介
    「30代の演出家の現在の視点のあり方を、お客様とともに見つめたい」という宮田の思いからスタートした、「Try・Angle-三人の演出家の視点-」シリーズ。第3弾には、1959年に発表されたサルトルの三大劇の1つ「アルトナの幽閉者」が登場。第二次世界大戦で心の傷を負い、戦後も自宅に引きこもったままのフランツは、13年ぶりに父と妹、そして弟夫婦と対面し……。

  • フライヤー

    「マニラ瑞穂記」

    2014年4月3日(木)
    ~20日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :秋元松代

    演出:栗山民也

    出演:千葉哲也、山西惇、稲川実代子 / 古河耕史、髙島レイ、前田一世、宇井晴雄、今泉薫、藤井咲有里、長本批呂士、今井聡、木原梨里子、斉藤まりえ、仙崎貴子、原一登、日沼さくら、大里秀一郎、梶原航、形桐レイメイ、林田航平

    作品紹介
    「近松心中物語」などで知られる秋元松代が、東南アジア各地で活躍した実在の“女衒(ぜげん)”村岡伊平治をモデルに描く「マニラ瑞穂記」。同作を、栗山民也の演出で上演する。舞台は1898年のマニラの日本領事館。フィリピンの独立運動が過熱する中、日本に帰国したはずの秋岡伝次郎が姿を現す。なお本上演では、千葉哲也、山西惇、稲川実代子らと共に、宮田慶子が講師を務める、新国立劇場演劇研修所の修了生たちが舞台に臨んだ。

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    「テンペスト」

    2014年5月15日(木)
    ~6月1日(日)
    新国立劇場 中劇場

    :ウィリアム・シェイクスピア

    翻訳:松岡和子

    演出:白井晃

    出演:古谷一行、高野志穂、羽場裕一、伊礼彼方、野間口徹、櫻井章喜、碓井将大、河内大和、山野史人 / 原金太郎、大林洋平、近藤隼、平良あきら、林浩太郎、野坂弘、依田朋子、福島彩子、酒井幸菜 / 田山涼成、長谷川初範

    作品紹介:元ミラノ大公プロスペローは12年前に弟にその地位を追われ、娘のミランダと共に海に流された。漂泊した孤島で魔術の修練を積んだ彼は、今は静かに暮らしているが、そこへ自分を追いやった弟のアントーニオとナポリ王アロンゾーが乗る船が近づいてきて……。演出を白井晃が担当。複数の段ボールを配した、小竹信節の現代的かつ大胆な舞台美術が話題を呼んだ。

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    「十九歳のジェイコブ」(新作)

    2014年6月11日(水)
    ~29日(日)
    新国立劇場 小劇場

    原作:中上健次

    脚本:松井周

    演出:松本雄吉

    出演:石田卓也、松下洸平、横田美紀、奥村佳恵、有薗芳記、石田圭祐、西牟田恵、中野英樹、チョウ ヨンホ、酒井和哉、山口惠子、新部聖子

    作品紹介
    中上健次が1986年に発表した「十九歳のジェイコブ」を、サンプル・松井周の脚本で舞台化。演出を、2016年に逝去した維新派の松本雄吉が手がけた。セックスとドラッグに溺れ、ジャズに心酔するジェイコブと、ヘンデルとバクーニンに強い影響を受けているユキ。2人を軸に、若者たちの行き場のない思いが徐々に露わになり……。音楽監修を菊地成孔、舞台美術を杉山至が担当した。

  • フライヤー

    「永遠の一瞬 -Time Stands Still-」(日本初演)

    2014年7月8日(火)
    ~27日(日)
    新国立劇場 小劇場

    :ドナルド・マーグリーズ

    翻訳:常田景子

    演出:宮田慶子

    出演:中越典子、瀬川亮、森田彩華、大河内浩

    作品紹介
    欧米の優れた同時代作品を日本初演する企画として、2009年に発表されたドナルド・マーグリーズの「永遠の一瞬」を宮田慶子の演出で上演。戦場フォトジャーナリストのサラは、イラク戦争で負傷してニューヨークに帰国し、リハビリ生活を送るのだが……。2組のカップルを通して、“幸せとは何か”を問う作品。

新国立劇場 2017 / 2018シーズン
開場20周年記念公演「消えていくなら朝」
消えていくなら朝 | 新国立劇場 演劇
2018年7月12日(木)~29日(日)
東京都 新国立劇場 小劇場
  • :蓬莱竜太
  • 演出:宮田慶子
  • 出演:鈴木浩介、山中崇、高野志穂、吉野実紗、梅沢昌代、高橋長英
宮田慶子(ミヤタケイコ)
1980年、劇団青年座 文芸部に入団。83年青年座スタジオ公演「ひといきといき」の作・演出でデビュー。翻訳劇、近代古典、ストレートプレイ、ミュージカル、商業演劇、小劇場と多方面にわたる作品を手がける一方、演劇教育や日本各地での演劇振興・交流に積極的に取り組んでいる。主な受賞歴に、第29回紀伊國屋演劇賞個人賞、第5回読売演劇大賞優秀演出家賞、芸術選奨文部大臣新人賞、第43回毎日芸術賞千田是也賞、第9回読売演劇大賞最優秀演出家賞など。2010年から18年8月まで新国立劇場 演劇部門の芸術監督を務める。16年4月より新国立劇場演劇研修所所長。また公益社団法人日本劇団協議会常務理事、日本演出者協会副理事長も務める。