OSK日本歌劇団「レビュー in Kyoto」翼和希・千咲えみ・華月奏・椿りょう・唯城ありす座談会 (2/2)

これまでのファン、新しいファンの熱気が、舞台上にも伝わってくる

──八坂神社にて行われた成功祈願祭とお練りには、約300人のファンが詰めかけました。2023年にNHK朝の連続テレビ小説「ブギウギ」(編集注:OSK日本歌劇団出身の笠置シヅ子をモデルにしたテレビドラマ)が放映されて以来、OSKブームがずっと続いていますが、その盛り上がりを皆さんはどのように感じていますか?

華月 ブームを感じるしかないと言いますか……(笑)。

千咲 ブワッとお客様が増えましたからね。

椿 「ブギウギ」が放映されていた当時は、実はまだOSKと「ブギウギ」が結びついてない人も多かったんじゃないかなと思うんです。でも徐々に「ブギウギ」で描かれている劇団がOSKだと知られていき、今や「OSKって『ブギウギ』のOSKだよね?」と言われるようになってきて、客層やお客様の数が目に見えて増えていることを感じます。

八坂神社にて。手前より、唯城ありす、華月奏、翼和希、千咲えみ、椿りょう。

八坂神社にて。手前より、唯城ありす、華月奏、翼和希、千咲えみ、椿りょう。

八坂神社にて。左から唯城ありす、華月奏、翼和希、千咲えみ、椿りょう。

八坂神社にて。左から唯城ありす、華月奏、翼和希、千咲えみ、椿りょう。

唯城 私は「『ブギウギ』を見てOSKを好きになりました!」というファンの方からお手紙をいただくことが増え、本当にうれしいです。

──OSKの舞台で、初めて歌劇に触れたお客さんも多いのではないでしょうか。

華月 そうですね。歌劇が好きな方は拍手の間が独特ですが、そのタイミングに戸惑いを感じている方を舞台上から見かけることがあります。そういったときに、以前から応援してくださっているファンの方々と、新しく応援してくださる方々のパワーが合体して、客席がより温かくなっているなと感じます。

千咲 歌劇のお客様はお行儀がすごく良い方が多いんですが、岩国公演では、本当に初めて歌劇をご覧になったんだろうなというお客様が、私たちが舞台で何かするたび「うわ!」と素直な感情で反応してくださったのがうれしかったです。シンガポール公演のときは、現地のお客様が「ヒューヒュー!」と言ってくださると、ずっと観てくださっているOSKファンの方も一緒に声を出してくださっているのが伝わってきました(笑)。そういった様子を観ていると、昔から観てくださっている方と、新しく観始めてくださった方の間でいい化学反応が起きているなと思いますし、客席の雰囲気がどんどん新しくなっている感じがします。

──劇団の注目度が高まることによって、ご自身の意識が変わった部分はありますか?

唯城 翼さんと「ブギウギ」の撮影をご一緒しているとき、翼さんが「この勢いがつながるかどうかは、今後私たちがどうがんばるかにかかっている」とおっしゃったことを、よく覚えていて。本当にそうだなと思いますし、私もその一員になりたいと思っています。

唯城ありす

唯城ありす

椿 伝統とか、今までの方々が繋げてきたバトンや情熱……そういう目には見えない熱、パワーみたいなものを、今在団している自分たちもそうですし、次の世代にもつないでいきたいとさらに思うようになりました。OSKの歴史がこの先150年、200年、300年とつながっていくように、自分もその一助になれたらと思います。

華月 私は特に、翼がトップになることが決まった瞬間から思っていることがあって……。今までは上級生に必死でついていくという立場でしたが、自分より下級生がトップになるという時点で、自分がどうあるべきかということが定まったように思いますし、ある意味、一番穏やかになったかなとも思います。「レゼル」のオープニング曲で北林先生が書いてくださった詞にすごく刺さるものがあって、それは「怖がらなくてもいいよ どんな試練もみんな自分で決めてきたんだ」という歌詞なんですけど、この歌詞を自分が歌うことにも意味があるんじゃないかと思いますし、詞の意味を噛み締めながら歌いたいなと思います。

千咲 楊さんがよくおっしゃっていたことですが、「お客様に甘えちゃダメだよ」「今日が最後だと思って舞台に出たら、もっと違うやり方をするんじゃないか」と。改めてその思いは忘れてはいけないなと感じています。

 私は……言動に気をつけようと思うようになりました。

一同 ええっ!(笑)

 公の場で私がお話しすることは、劇団を代表した発言と捉えられる場合があるので……(笑)。舞台に対する思いは以前から変わらないのですが、その思いが確固たるものになったのは、やはり「ブギウギ」に出演したことが大きいです。劇団が歩んできた歴史を、演技を通して追体験したり、またいろいろな方からお話を聞いたりすることで、資料でしか知らなかったことを実感しましたし、その経験は私にとってすごく大きくて、「ブギウギ」を経て“やっぱり劇団を守り続けていかなければいけない”と改めて強く思うようになりました。

左から華月奏、翼和希、千咲えみ。

左から華月奏、翼和希、千咲えみ。

より高みを目指して…目指すは“百年桜”

──公演タイトル「レゼル」にちなんで、ここから皆さんがどんな風に羽ばたいていこうと考えていらっしゃるのか、教えてください。

唯城 より多くのお客様にOSKを好きになっていただくため、まずは興味を持っていただけるような舞台をお届けすることが大事だと思っています。それぞれ1人ひとりが羽ばたいて、かつワンチームとしてがんばっていけたらと思います。

椿 私は翼さんの、翼そのものではなく、羽ばたいたときの風や香りなど目に見えないものを感じたいと思っていて。それを自分たちのエネルギーにしつつ、お客様にパワーや思いをお届けできたらいいなと思っております。

椿りょう

椿りょう

華月 翼にとってはプレッシャーになってしまうかもしれませんが、朝香さん、桐生さん、白藤さん、城月(れい)さん、私と上級生が5人いますから
、たとえ道に迷いそうになったとしても、正してくれる人はたくさんいます。なので、翼にはぜひのびのびと自由に飛んでいってほしいなと思います。

千咲 今回のオープニングにも「高く高く飛んで」という歌詞があるのですが、翼1人だけではなく全員が、鳥の群れのように一緒に高く飛び立てたら良いなと。そしてぜひ多くのお客様に、「こんな劇団があるんだ、こんな舞台があるんだ」と知っていただけたらと思います。

 今、すごく活気あふれる稽古場になってきているんです。もちろんそれぞれ得意なもの、苦手なものがありますが、お互いに負けじとがんばっている。その上昇気流に乗っかって、OSKがもっと盛り上がったらいいなと思っています。お互いをカバーし合い、高め合い、より良いものをみんなで作り上げたい。それができるのは歌劇団の良さでありOSKの良さだと思うので、さらに高く飛びたいです。また桜をモチーフとしている劇団ですので、地に足をつけてしっかりと根を生やし、百年桜になっていきたいと思っています。

左から唯城ありす、千咲えみ、華月奏、翼和希、椿りょう。

左から唯城ありす、千咲えみ、華月奏、翼和希、椿りょう。

プロフィール

翼和希(ツバサカズキ)

4月15日、大阪府生まれ。2013年にOSK日本歌劇団に入団し、「春のおどり」で初舞台。2018年の「REVUE JAPAN~GEISHA&SAMURAI~」で中劇場公演、2022年の第42回たけふレビューで大劇場公演の初主演を務める。2023年度後期のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」に、主人公が所属した劇団のトップスター・橘アオイ役で出演。2024年9月2日付でOSK日本歌劇団トップスターに就任した。2023年から大阪府枚方市のPR大使を務める。

千咲えみ(チサキエミ)

1月1日、東京都生まれ。2013年にOSK日本歌劇団に入団。2018年「My Dear~OSK ミー&マイガール~」や2019年「新撰組」「Salieri&Mozart~愛と憎しみの輪舞」などでヒロインを務める。2021年4月に娘役トップスターに就任。2024年は松竹3座公演のほか、翼和希トップスター就任記念公演などに出演。2025年2月はミュージカル「三銃士」でヒロインのコンスタンスを演じた。

華月奏(ハナヅキソウ)

4月21日、愛知県生まれ。2009年にOSK日本歌劇団に入団。2016年の「OSK Revue Café『Bonjour!!』」で初主演を務め、2017年の「HIDEAWAY~ハイダウェイ~」では劇場公演初主演を果たした。その後も「Precious Stones」など数々の作品で主演。2022年から「名古屋をどりNEO傾奇者」に外部出演を重ねる。

椿りょう(ツバキリョウ)

7月5日、三重県伊賀 / 名張市出身。2016年「春のおどり」で初舞台。2023年は大劇場公演や12月の先斗町歌舞練場「ZIPANGU 光が彩る演舞祭」に出演。同年11月に伊賀市観光大使に就任し、12月には同市で主演公演「椿りょう SPECIAL SHOW」を行った。今年2~3月ミュージカル「ドラキュラ」で主演。

唯城ありす(ユシロアリス)

1月28日、埼玉県生まれ。2016年の「春のおどり」で初舞台。2023・2024年に上演された「へぼ侍~西南戦争物語~」で現トップスター・翼和希の相手役を務めた。2024年第44回たけふレビューなどで娘役筆頭を務め、2025年ミュージカル「ドラキュラ」でヒロインを演じた。