佐藤B作×青山勝×塚原大助が語る坂口安吾がモデルの「無頼の女房」、ゴツプロ!メンバーがつづる劇作家・中島淳彦の魅力 (3/3)

ゴツプロ!メンバーがつづる中島淳彦の魅力

浜谷康幸

浜谷康幸

──「無頼の女房」は中島淳彦さんの代表作の1つです。中島さんの作品、あるいは中島さんご本人に対しての印象、思い出に残っているエピソードがあれば教えてください。

初めて中島さんとご一緒した「普通の生活」の打ち上げでの事。二次会でカラオケに行った時に、中島さんが持参したギターでオリジナルの歌を歌い…それが物凄く熱くてカッコ良くて、感動した事を今でも鮮明に覚えてます。

──本作でご自身が演じられる役と、出演の意気込みを教えてください。

やり甲斐のあるとても難しい役。
納得できるよう、お客様に届けられるよう励みたいと思います。

佐藤正和

佐藤正和

──「無頼の女房」は中島淳彦さんの代表作の1つです。中島さんの作品、あるいは中島さんご本人に対しての印象、思い出に残っているエピソードがあれば教えてください。

劇団道学先生に出たくて出たくて、「あたらしいバカをうごかせるのは古いバカじゃないだろう」(2007年)のオーディションに応募。募集された役は、ギターが弾ける高校生。当時36歳。ダメ元で出した書類が通り面接に行った時、「キミ、なんで来たの、うふふ」と、口元をすぼめた、小馬鹿にしたような中島さん独特の笑みは忘れられません。その隣で青山さんも爆笑してました。なぜ呼んだ? 出演できませんでしたが素晴らしい芝居でした。

──本作でご自身が演じられる役と、出演の意気込みを教えてください。

平井(編集者)役についてというよりは、中島淳彦作品をゴツプロ!で上演できるということに興奮しています。今回久しぶりに向き合うと、やはり人間の描き方が素晴らしいんです。愛すべきどこかダメな人々。優しい言葉で表現されています。中島作品に初めて触れる方もいらっしゃると思います。そんな方にも虜になってもらえるように、作品の中で一生懸命生きてみます。

泉知束

泉知束

──「無頼の女房」は中島淳彦さんの代表作の1つです。中島さんの作品、あるいは中島さんご本人に対しての印象、思い出に残っているエピソードがあれば教えてください。

中島さんの作品はダメなおとながたくさん出てくる印象です。
でもそのダメなおとながどこか憎めず愛おしい。
それは不器用ながらもその人なりに一生懸命生きているから!
それこそまさに「中島淳彦」というおとなだったんじゃないかと思います。
たった一度しかご一緒できなかったけど、いつも稽古場で穏やかに笑って、
お茶目で、お酒が好きで、憎めない素敵なダメおとなでした(笑)

──本作でご自身が演じられる役と、出演の意気込みを教えてください。

編集者の役なのですが、どこか変わった拘りを持っていたり、思想を語ったり……
あまりこれまでやったことのない役なので、まずは楽しんで自分の役を見つめていこうと思っています。
中島さんの世界観にどっぷり浸かり、新たな「自分」の発見ができたらいいなぁと。
とにかくダメな[おとな]が愛おしく見えるように頑張ります(笑)
設定は昭和ですが、[いま]見てほしい作品です!
ご来場心よりお待ちしております。

渡邊聡

渡邊聡

──「無頼の女房」は中島淳彦さんの代表作の1つです。中島さんの作品、あるいは中島さんご本人に対しての印象、思い出に残っているエピソードがあれば教えてください。

中島淳彦さんが44北川のカンパニーに書き下ろした「フツーの生活」三部作の長崎編を
劇場で見たことがあり、戦後に生きる人々を描くのに「苦悩の中、それでも生きる人々を
なんて温かくユーモアに溢れて描くんだ!」と思ったのを覚えています。

──本作でご自身が演じられる役と、出演の意気込みを教えてください。

今回、編集者・横山を演じさせていただきます。
劇団道学先生、中島さんの代表作を同じく道学先生の青山さんと共に創っていくことに
とてもワクワクしています。とにかく深く深くあの時代を刻み込んでしっかりと役に投影し
関係者全員で世界観を創り、お客様にこの物語の核心をお届けできるよう精一杯生きます。

44北川

44北川

──「無頼の女房」は中島淳彦さんの代表作の1つです。中島さんの作品、あるいは中島さんご本人に対しての印象、思い出に残っているエピソードがあれば教えてください。

今から24年前の2000年、ミレニアムだから大丈夫!と自分を奮い立たせ、面識一切無かった中島さんを知人ヅテで蒲田のデニーズに呼び出し「俺を主役にした脚本を書いて下さい!」と強引にお願いし、夢だった下北沢本多劇場での公演の脚本を書いてもらった。同時に夢が二つ叶う、という奇跡は後にも先にもこの一回きりだが、50歳を超えた今でもこの経験が窮地に追い込まれた自分を救ってくれている、間違いなく。俺の中で中島さんは不滅。

──本作でご自身が演じられる役と、出演の意気込みを教えてください。

2005年に「フツーの生活:長崎編」という原爆投下までの一週間を描いた作品を中島さんに書いてもらった。初演時にはキャスト全員で長崎に赴き物語の中で必死に生き抜いた。今回の自分の役・五助は終戦直前の長崎での体験が元で普通の生活を失ってしまう。圧倒的暴力を目の当たりにし、人間の生死と対峙し、人生の中で立ちゆかなくなってしまった男がどう生き抜いていくのか、、、この「無頼の女房」の中の五助は「フツーの生活」のスピンオフなのかな、と。中島さんが残してくれた人生の宿題、的な。