ナタリー Super Power Push - 氣志團
「氣志團万博2013」開催への道
綾小路翔による「氣志團万博2013」出演者紹介
「どこにもない奇跡。ありえないが再び形になった。」というテーマのもと、まさに“ありえない”出演アーティストが集結する「氣志團万博2013 ~房総爆音梁山泊~」。綾小路翔が語る出演アーティスト17組の魅力とは!?
取材・文 / 宇野維正
9月14日(土)
SCANDAL
まずは「welcome actにSCANDALってどういうことなんだ?」って話ですよね。日本武道館や大阪城ホールを埋めちゃう人たちが「welcome act」って。こないだひさびさに会ったら「次回はメインの枠で呼んでくださいね♡」ってメンバーに釘刺されちゃいましたけど(笑)。開演したら間髪いれずに音があふれるっていう。昨年DJ OZMAがそうだったんですけど。せっかくこんなところまで来てくれたんだから、頭っから楽しんでもらおうよっていうふうに思って。SCANDALちゃんがみんなを出迎えてくれる、そんな幸せな出迎え方はないだろうって。とにかくもう、ここはバブリーにいこうっていう感じですよね。もったいつけねえぞ、「氣志團万博」はっていう。
森山直太朗
彼には開会宣言をお願いしてます。昨年からずっとオファーを続けていて、やっと出てくれることになったんです。今、いろいろ出方は考えているんですけど、直太朗の歌声で「氣志團万博」がいよいよ幕を開けるっていう、これも非常に豪華なことになってますね。彼とは長い友人ですけど、みんなに彼の本物の声を聴いてもらいたいっていう気持ちが強いんですよ。本当にびっくりするから。
THE BAWDIES
ここでしか観れないアーティストが集合するという意味では「氣志團万博」の本来のブッキング方針とはちょっと違うイメージがあるかもしれないですけど、彼らはひさびさに出てきた本当のポピュラリティを手に入れることができる実力を持った若いバンドだと思っていて。基本、同じバンドマンとしてヤキモチしかないんですけど、楽曲もいいし、演奏もいいし、歌もいいし、何より華がある。彼らもアリーナクラスを軽く即完させるアーティストですから僕らの力が何かのプラスになるっていうのは一切ないかもしれませんけど、彼らのようなバンドが一部のロックファンだけに愛されているというのが、僕は面白くないんですね。僕は常々、最近ロックがあまり広がっていかないことを懸念していて、ロックの覇権を取り戻していかないといけないと思っていて。人気バンドは数あれど、彼らは別格。もっともっと広い世界で活躍できる可能性のある稀有なバンドだと思ってます。まあ基本は余計なおせっかいですけど(笑)、ロックシーンの中間管理職を自認する自分としては、どうしてもご出演いただきたいと思ったバンドなんです。
仙台貨物
出ました、仙台貨物!! 彼らは半端ないですよ。本当に1個何かのボタンが押されたら、ものすごいところまで行ってしまうバンドなんじゃないかなって確信しています。もしかしたら昨年最もインパクトを与えた人たちかもしれないです。本当にたくさんの方たちから「仙台貨物と出会わせてくれてありがとう」って言われたので、今年も「もう一発お願いします!!」っていう。そして今回仙台貨物は「氣志團万博」を知っている数少ないバンド。そういう意味でも頼もしい存在です。とにかく思いっきりブッ飛ばしてほしいですね。
HY
HYが出てくれることになって、今年はすごく幅が広がりましたね。僕は彼らのことをバンドの理想形だと思っていて。そういう意味でも僕らと真逆なんですよね(笑)。基本アルバムしか出さないし、ずっとインディーズというスタイルを崩さないし、今は全部自分たちのペースを守って沖縄でやっている。活動の軸はアルバム制作とツアーだけなんだけど、作品を出せば必ずチャートの上位に入って、紅白にも出ちゃう。僕、飲食店とかもやっているので、世の中でどんな人がどんな歌を歌ってるかっていうのを、すごく把握しているんですよ。彼らの楽曲って本当に世代を問わず歌われていて。今の時代において本当に正しいポピュラリティを持ってるんです。音楽的にも何にもとらわれてなくて、ファンキーなものからバラードまでなんでもできちゃう。本当に学びたいことだらけで。だから、彼らに沖縄の海と木更津の海をつなげてもらおうと思ってます(笑)。
乃木坂46
乃木坂ちゃんは初のフェスということで、去年からずっと秋元(康)先生に頼みこんでいて、ついに今年OKが出ました。僕が思うに、今のアイドル界の中で彼女たちは最も正統派な存在なんですよ。そういう意味では翌日のももクロちゃんとのいい対比にもなっていて。ももクロちゃんも最高だけど、やっぱり正統派もみんな観とかなきゃダメじゃない?って思って。なにしろ、あのAKBを脅かすために作られた集団ですからね。AKBファミリーの中でも、特にクールでソリッドなイメージがあって。その上、最強の美女軍団ですからね。秋元先生の秘蔵っ子たちの中でも選りすぐり。というわけで、はっきりと言いますけど、僕が会いたいんですよ(笑)。
BUCK-TICK
BUCK-TICKさんはね、もともとほかのフェスにほとんど出ない方々だし、特に今年は一切そういう活動はしない予定だったそうなんですけど、どうしてもご出演していただきたくて。僕のリアルスーパーヒーローですからね。本当に一番聴いていたバンドだし、僕の童貞喪失相手もBUCK-TICKのファンでしたから。最初に夢が叶ったのは2年前で。トリビュートアルバムに参加させてもらうことになって、その流れでBUCK-TICKさんの大阪のライブにお声をかけていただいたんですよ。その後、僕らの共通のイベンターの方が亡くなって、その追悼のイベントで再会して。昨年もBUCK-TICKさんが25周年のフェスをやったときにお声をかけていただくという。そういう流れはあったんですけど、今年の夏はなんの動きもないはずだったのに僕たちのために動いてくださると。本当に感謝しかないですね。僕、当日はたぶん泣きます。
MAN WITH A MISSION
マンウィズは本当にヤバい。今本当に国内だけじゃなくて国外でもすごく注目を浴びていて。最近のロックバンドの人たちってメディアにあまり露出せずに、自分たちの世界の中で生きてるじゃないですか。彼らはそういうのを根本から壊してしまうような存在で。ロックバンドがMステに出ることでここまで話題になったのって、マンウィズぐらいじゃないですか? そういうところでちゃんと今、ロックの逆襲を見せてくれるバンド。きっと彼らはこれから世界を取りに行くバンドだと思うので、日本人は観ておかなくちゃダメだ。
hide
昨年は「ありえないを形にする。」をスローガンに、それを見事に体現したイベントになったと自負しているんですけど、今年「どこにもない奇跡」をテーマにやろうってなったときに「何かな、本当の奇跡って」って思って。生きている限り、どんなことでも想像だけはできると思うんですね。でも俺たちはもっと先まで想像してみようと思って、そのときに「hideさん、呼べないのかな」って思ったんです。こんなイベントね、もともとがダメもとで全部始めてるんだから「当たってくだけろ!!」と思って、hideさんの事務所にご相談したところ「もしhideが生きていたら、『こんなイベント面白れえ面白れえ』って言って絶対に出るに違いない」っておっしゃっていただいて。感涙ですよ、もう。15年前、hideさんはサマソニの出演が決まっていた中でお亡くなりになられて、生前すごくフェスに出るのを楽しみになさっていたらしいんですよ。だから今回hideさんはフェス初参戦になるんですよね。hideさんのこと、ずっと観たかった人って、当時のファンもそうですけど、俺たちみたいに間に合わなかった世代もたくさんいるんですよ。当時自分は東京に出てきたばっかりで間に合わなかったんです。今回実際にやる内容は僕も本当に詳しくは聞いてないです。当日までのお楽しみです。でも必ずhideさんは来ます。それは断言します。
そしてファイナル。Tetsuさん(D'ERLANGER)、Ken.Moriokaさん(ex. SOFT BALLET)、Jさん(LUNA SEA)、HISASHIさん(GLAY)、今井寿さん(BUCK-TICK)とのセッションは、hideさんのステージを受けてのスペシャルアクトになります。もうね、90年代を過ごした中高生がノートに勝手に書いたメンバーですよね(笑)。俺はこういうセッションが観たいっていうドリームチーム、それをhideさんの名のもとだったらできるんじゃないかって思って。本当に無謀、無敵と書いて氣志團と読む、綾小路翔と書いて無謀と読む、ですよね(笑)。あとはhideさんの降臨を待つだけです。
- ニューシングル「One Night Carnival 2013」[CD+DVD] 2013年9月11日発売 / 1890円 / 影別苦須 虎津苦須(avex trax) / AVCD-48704/B
- ニューシングル「One Night Carnival 2013」
CD収録曲
- One Night Carnival 2013
- 愛 羅 武 勇(2013)
- One Night Carnival 2013(KARAOKE)
- 愛 羅 武 勇 (2013)(KARAOKE)
DVD収録内容
- One Night Carnival 2013(MUSIC VIDEO)
- One Night Carnival 2013(KISHIDANCERCIZE<振付ビデオ>)
- 氣志團万博2012バックステージ映像
- ニューアルバム「氣志團入門」/ 2013年9月11日発売 / 影別苦須 虎津苦須(avex trax)
- CD+DVD / 3990円 / AVCD-38790/B
- CD / 3150円 / AVCD-38791
CD収録曲
- One Night Carnival 2013
- 黒い太陽(2013)
- 恋人(2013)
- 日本人
- キラ キラ!(2013)
- SUPER BOY FRIEND
- BOYS BRAVO!(2013)
- 朝がくる度(2013)
- 俺達には土曜日しかない(2013)
- Baby Baby Baby
- 落陽
- 鉄のハート(2013)
- 愛 羅 武 勇(2013)
- ありがとう ばかやろう
- SUPERSTAR(CDオンリー仕様に収録)
DVD収録内容
<MUSIC VIDEO>
- One Night Carnival 2013
- さよなら世界
- おまえだったんだ
- 愛してナイト!
- MY WAY
- SUPER BOY FRIEND
<GIG PERFORMANCE>
- 黒い太陽
- 俺達には土曜日しかない
- 高校与太郎組曲-喧嘩(クォーラル)ボンバー-
- オレたち
- 鉄のハート
- 愛 羅 武 勇
<KISHIDANCERCIZE(振付ビデオ)>
- スタンディング・ニッポン
- One Night Carnival 2013
- 恋人(2013)
- 俺達には土曜日しかない(2013)
- SUPER BOY FRIEND
氣志團(きしだん)
千葉県木更津市でカリスマ的人気を得ていた綾小路翔を中心に1997年に結成。メンバーは綾小路翔(Dragon Voice)、早乙女光(Dance & Scream)、西園寺瞳(G)、星グランマニエ(G)、白鳥松竹梅(B)、白鳥雪之丞(Drums & Drunk)の6名。「ヤンクロック」をキーワードに、学ランにリーゼントというスタイルでライブを行い、2001年12月から3カ月連続で発売されたVHSビデオで“メイジャーデビュー”を果たす。その後「One Night Carnival」「スウィンギン・ニッポン」などヒット曲を連発。2004年には東京ドームでワンマンライブを行い「NHK紅白歌合戦」にも出演した。2011年には計30公演におよぶ対バンギグシリーズ「極東ロックンロール・ハイスクール」を実施するなど精力的なライブ活動を継続。結成15周年を迎えた2012年に地元・千葉で大規模な野外イベント「氣志團万博2012」を開催し大成功に収めた。2013年9月にはシングル「One Night Carnival 2013」とアルバム「氣志團入門」をリリースし、「氣志團万博2013 房総爆音梁山泊」を開催する。
2013年9月12日更新