Devil ANTHEM.|メンバー個別インタビューで紐解く5人の現在地

Devil ANTHEM.の新作ミニアルバム「SS」が3月3日にMUSIC@NOTEよりリリースされる。

デビアンは昨年12月24日に東京・新木場STUDIO COAST(現:USEN STUDIO COAST)で結成6周年記念ワンマンライブ「Devil ANTHEM. 6th Anniversary ONE MAN LIVE『デビタゴン祭』」を開催(参照:Devil ANTHEM.、新木場コースト“オクタゴンスピーカー”の下で迫力のライブ繰り広げる)。過去最大規模の公演を終え、グループとしてもメンバー個人としても次のステップに進む時期を迎えている。そんな中、音楽ナタリーではメンバー5人へ個別インタビューを実施。ワンマンの振り返りや新曲であるミニアルバムの表題曲「SS」、3月にスタートする春ツアーについて話を聞いた。また特集後半にはマネージャー兼プロデューサーの佐藤海人氏によるミニアルバムの楽曲解説も掲載している。

取材・文 / 近藤隼人 撮影 / 宇佐美亮

竹越くるみ インタビュー

デビアンはもっと売れるべき

──まず、昨年12月24日に東京・新木場STUDIO COAST(現:USEN STUDIO COAST)で行われた結成6周年記念ワンマンライブの振り返りから聞かせてください。正直なところ、ライブの手応えはいかがでしたか?

竹越くるみ

チケットをソールドアウトさせたかったというのが本音ではあるんですが、ステージから見た景色はファンの方でいっぱいでしたし、コーストでワンマンをできたことに対する達成感はありました。コーストはデビアンにとって目標としていた会場でもあったので、1つのゴールにたどり着けたなって。お客さんもみんな楽しんでくれたり、感動してくれたりして、中には「今後デビアンの現場はもういいかな」みたいに思っていた方もいたんですけど、そういう人たちもライブを観て「やっぱりこれからも行くね」と言ってくれました。人の心を動かすことができてうれしかったです。

──コーストワンマンは今年の12月24日に再び開催されることが決定していますね。

今回、ライブに向けて100点満点の準備をしていたつもりだったんですけど、それじゃ足りないんだなと実感することもあったんです。ライブ中も「もうちょっとこうしたかった」と思うような反省点がたくさん出てきて。でも、それはまだ成長できる余地があるということなので、年末に向けて楽しみな気持ちです。

──くるみさんは今のデビアンで唯一のオリジナルメンバーですが、ほかのメンバーについてうらやましいと思うところや、成長したと思う部分はありますか?

みんなにありますね。私はネガティブな性格なので、自分になくてほかの子にあるものばかり探してしまうんですよ。(橋本)侑芽ちゃんは自然と周りからの助け舟が集まるところがうらやましいなと思っていて。目が離せないというか、わがままを聞きたくなっちゃうんです。私は初期メンで、5人の中でお姉さんなほうなので、しっかりしなきゃいけないという意識があるんですよ。そんな中で侑芽ちゃんの成長したと思う部分は、自分の意見を言えるようになったところ。今も苦手なほうだと思うんですけど、最近はメンバーみんなで話す機会を多く作るようになって、そういうときに自分の考えを言ってくれるようになったのはうれしいですね。

──ほかのメンバーについては?

(安藤)楓ちゃんは私と全然違う声質で、私が歌えないような歌をカッコよく歌えるところがうらやましいです。感じたことを言葉にするのが苦手な子なんですけど、最近は自分なりの伝え方でいいんだとわかってきたみたいで、以前より思っていることを伝えてくれるようになりました。(竹本)あいりちゃんのうらやましいところは、やりたいことをすぐ行動に移す性格ですね。自分をだらけさせず、常に鞭を打っているところもすごくて、もともとしっかりしているタイプでしたが、前以上にグループの中での自分の役割や立ち位置を明確に見つけたんじゃないかな。(水野)瞳ちゃんはアイドルのプロとしてのオーラがあって、最近はよりお互いの接し方がわかるようになったというか、MCでもお互いにいじったり、ズバズバ言い合えるようになりました。欲を言うと、もっとメンバーに対してダンスの指摘をしてくれたらうれしいかな。

──くるみさんはコーストワンマンのMCで「結成したばかりのアイドルさんで、デビアンより早くコーストでワンマンをしたり、メジャーデビューしたりする姿を見てきて。みんなで悔しい思いをして、泣きながら話したこともあったんです」と語っていましたね。

私が小6や中1だったときに売れていたアイドルさんは、みんな高校生くらいだったんですよ。私たちのやり方を変える必要はないと思ってはいるものの、その人たちと自分たちは何が違うんだろう、お客さんは何を求めているんだろうとすごく考えるんです。結成から6年経ったからどうということではないんですが、デビアンはもっと売れるべきだという純粋な思いがあって。こんなにいい人材がいるのに、なんで世間に見つからないんだろうと思うんです。

竹越くるみ

──そんな中、3月からは毎年恒例の春ツアーが全7会場で開催されます。

去年の春はコロナですべてのライブがなくなり、「この先、大丈夫かな」と心配になっていました。結果、2度もツアーを延期することになり、楽しみな気持ちも先延ばしになって「本当にツアーできるの?」と思っていたんですけど、ルールがたくさんある中、ファンのみんなの協力のもと楽しく完走することができました。今もお客さんがいる状態でライブはできていますが、フロアで声を出すことやわちゃわちゃするようなこともダメで。本来のライブの楽しみがなくなっているにも関わらずデビアンを見に来てくれる人がいて、ホントに感謝の気持ちでいっぱいです。状況が変わっても変わらず応援してくれるファンのみんながいるから今年もツアーが開催できます。

──では、ツアーに向けて気合は十分だと。

去年、私たちは止まらずに前だけを見て進んできました。自分たちを信じてがんばってきました。その成果をこの春ツアーで爆発させたいと思います。今の私たちは「どの公演に来ても絶対に楽しいよ!」と胸を張って言えます。あと、個人的に今年の春ツアーは体力勝負なんじゃないかと思っています(笑)。今までより公演数が増えたし、会場も大きくなっていて。ワクワクと不安と入り混じってドキドキしてます! コロナの影響でルールもライブのやり方も変わったけど、ステージとフロアで戦う気持ちで臨むのは変わってません。今までで一番のツアーにするので、楽しみにしていてください。セトリもステージも私たちも最高のものをお見せします!