「OK熊本、楽しんでいきましょう!」
「BUDDiiS ダーツの旅iiS」はBUDDiiSがまだライブで訪れたことのない都道府県を巡るツアーで、ライブ会場はメンバーが投げるダーツによって決められる。昨年に続く2度目の開催となった今回は福島、群馬、熊本、長崎の4会場で公演が行われた。この記事では、7月30日に行われた熊本・熊本城ホール公演の模様をレポートする。
開演時刻を迎えると、大きなダーツの的と10本の矢で装飾されたステージに浮かび上がった10人のシルエット。壮大なオープニングSEとともにメンバー1人ひとりの姿をスポットライトが照らし出すと、バディ(BUDDiiSファンの呼称)で埋め尽くされた客席からは大きな歓声が上がる。これから始まるショーへの期待感が一気に高まったオープニングを経て、ライブは「YO HO」でエネルギッシュに幕開け。FUMINORIが「OK熊本、楽しんでいきましょう!」と声をかけると客席からは大きなコールが飛び、10人とバディは力強く右手の拳を掲げてひとつになる。さわやかなラブソング「CLICK ME」ではKEVINの歌声にMORRIEが熱のこもったフェイクを重ね、終盤のダンスセクションではSEIYAとSHOWによるダイナミックなツインアクロバットも会場の熱を引き上げた。
くまモンと戯れるBUDDiiS
その後もBUDDiiSは「JUBiiLEE」「Brightness」とポジティブなエネルギーに満ちた人気曲を続け、会場に笑顔の輪を広げていく。「Brightness」ではMORRIEのボーカルアレンジも冴え渡り、カラフルな照明に照らされた10人は流れるような歌声のリレーで“十人十色”の魅力をオーディエンスへと届けた。
4曲を終えての自己紹介MCでは、小さなお団子を2つ作ったヘアスタイルのMORRIEが「くまさんヘアにしてきました!」と言って「かわいいー!」の声を集める。HARUKIが「昨日くまモンのぬいぐるみを買いました!」と告白すると、FUMIYAはこの日のステージの中央に鎮座していた大きなくまモン人形をアピールしながら自己紹介。続くSHOOTがくまモンのお腹にハートマークを描き入れるのを見たFUMINORIもくまモンの後ろに隠れてから登場し「ここで生まれたのだあれ? ふみだよー!」と、愛嬌たっぷりに出生地が熊本であることをアピールした。
「Lack」セクシーver.
ここで10人は「ダーツの旅iiS」ならではの楽しみとして、次に披露する楽曲をダーツで決めるという企画に挑戦した。「The One」「Lack」「BEAST2」という3曲が的に書かれたダーツに加え、ステージには「かわいい」「セクシー」「オラオラ」「せつない」という表現方法が書かれたもう1つのダーツが運び込まれ、メンバーはSEIYAの1投で楽曲を、HARUKIの1投で表現方法を決めることに。SEIYAが何度も2曲の境界線にダーツを投げてしまうという奇跡のようなハプニングもありつつ、ダーツの結果「Lack」を「セクシー」で披露することが決まった。
切ないラブソング「Lack」の“セクシーアレンジ”にそれぞれが頭を悩ませつつポジションに着き、楽曲がスタート。すると歌い出しを担うSHOWは自身の体をなぞりながら歌い上げ、冒頭から振り切ったパフォーマンスでバディを沸かせる。以降もKEVINが強烈な目力でカメラアピールしたり、FUMINORIがトップスをたくし上げたりと個性豊かなセクシーアピールを繰り広げるBUDDiiS。この曲のハイライトとも言える、MORRIEがSHOOTをバックハグするシーンではMORRIEが正面からSHOOTをがっちりとハグするアレンジを見せ、割れんばかりの黄色い歓声を集めていた。
「ここからはいつものBUDDiiSで楽しんでいきましょう、セクシー抜いて!(笑)」というリーダー・FUMINORIの号令が響くと、10人は「JEALOUS」を軽やかに歌い踊ってバディのクラップとジャンプを誘う。SEIYAがアウトロで特大くまモンを持ち上げてパフォーマンスに“参加”させるなどにぎやかに盛り上がったのち、「WE HIGH」でも会場全体を巻き込むようなエネルギッシュなステージングを見せる10人。サビのメインボーカルをSEIYA、SHOW、TAKUYAが担うこの曲ではバディの元気なコールもホールいっぱいに響き、ステージ上の熱気を確かに引き上げていた。
熊本に響いたボーカル・HARUKIの歌声
そして、続く「SM:)LE」では「シャッフルBUDDiiS」と題したメンバーシャッフルが行われ、ステージ上のビジョンでシャッフル結果が発表された。FUMINORI役をSEIYA、KEVIN役をHARUKI、MORRIE役をSHOW、SEIYA役をSHOOT、YUMA役をKEVIN、SHOW役をFUMINORI、TAKUYA役をFUMIYA、HARUKI役をTAKUYA、FUMIYA役をYUMA、SHOOT役をMORRIEが務めることになり、予想のつかない配役に大盛り上がりとなった会場。メインボーカルとしてまっすぐに歌声を響かせるHARUKI、FUMIYAのラップパートを担うYUMA、弟の歌唱パートを担うMORRIEと、バディの眼前ではレアなシーンが次々に繰り広げられ、メンバー自身もまた普段とは異なる役目を楽しむように歌声を弾ませていた。
「ダーツの旅iiS」ならではとも言える、バラエティ色満載のシャッフル企画を経て、最新曲「LOUD」が届けられるとライブも佳境。スケール感と疾走感に満ちたこの曲でKEVINやMORRIEは高らかに声を張り上げ、10人は客席を埋め尽くすバディをチアアップするような活気あふれるパフォーマンスを見せる。軽やかなクラップで会場がひとつになると涼やかなサマーチューン「Under The Sea」がドロップされ、FUMINORIは「暑い夏をこの曲でちょっとでも涼しく!」とバディにメッセージ。海を連想させる青色のペンライトの光が客席一面に広がる中でメンバーは息を合わせた大ジャンプで“光の波”を乗りこなした。チルなムード漂う「Glow Gold」で夏らしさをいっそう深めたのち、FUMINORIとFUMIYAの煽りから本編ラストの「To The Top」へ。客席から上がる息ぴったりの「Hey!」というコールを全身で受け止めながら、10人は最後までエネルギッシュに弾ける歌とダンスで躍動。「熊本最高!」という言葉を残してステージをあとにした。
“営業部長”SHOOT登場のアンコール
バディの大きな「アンコール!」の声に応え、ツアーTシャツに着替えてステージに戻ったメンバー。1人くまモンのTシャツを着て現れたSHOOTが背中にプリントされた「営業部長」の文字を見せてくまモンをアピールする中、FUMINORIは「今日も10人でステージ立てて本当にうれしい気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!」と感謝を伝えた。プレゼント抽選会ののち、10人がポジションについただけで歓声が上がったのは「HONEY」。スパニッシュギターの情熱的な調べに乗ってアグレッシブかつ艶やかな表現を見せるメンバーに熱い視線が注がれる中、SHOOTは「教えてあげる」というフレーズを「教えてやるよ!」とワイルドに言い換えて歓声を欲しいままにしていた。
最後のMCでメンバーシャッフルの話題になると、メンバーはKEVIN役としてメインボーカルを担ったHARUKIのがんばりを絶賛。TAKUYAは「HARUKIさん偉いのが、誰もいない衣装部屋で2時間前から練習してた」と明かし、HARUKIの照れ笑いを誘う。また、YUMAがラップパートを終始口ずさんでいたこともメンバーの目撃談として明かされ、YUMAは「アドバイスもらいながら。不安になっちゃうから、歩きながらずっと唱えてました」と語った。「最高の出会いに感謝です。皆さん楽しんでいきましょう!」。FUMINORIの呼びかけとともにラストナンバー「BUD」へと進むと、10人は二手に分かれてステージ両端に伸びる花道へ。バディのすぐそばで笑顔を交わし、一緒にタオルを回して盛り上がり、大きな一体感の中でライブを終えた。
FUMINORIが語った旅iiSのよさ
なお、音楽ナタリーは終演直後のメンバーを取材しライブの感想を聞いた。FUMINORIは「まずは10人全員でパフォーマンスできたのがうれしいなと思いました」と喜び「熊本は後半になればなるほど熱が上がっていくのを感じられて、めちゃくちゃうれしかったです」と笑顔を見せる。熊本の“営業部長”のSHOOTは「BUDDiiSの皆さん、なかなかの盛り上がりを見せてくれたかな」と営業部長目線でライブを振り返り、9人もこれに「ありがとうございます!」と返答する。
そしてHARUKIは「本当に楽しかったです」とメンバーシャッフルについてコメントし「みんなにも体験してほしいです。歌に集中して踊らないイレギュラー感がすごくあって、違う曲に感じました」と実感を明かす。FUMINORIはHARUKIが緊張感をもってシャッフルに臨んでいたことがうれしかったといい「意外と緊張してるんだなって。普段そういう顔を見せないから、人間味を感じられたんですよね」と振り返った。
「バラエティ要素が普段のライブ以上に詰まっているのが旅iiSのよさ」と語るFUMINORIは、最後に「バディと心の距離を近付けて、一体感をもって楽しめるっていうのが見どころだと思います。あんなにケラケラ笑いながらパフォーマンスできるのって、旅iiSくらいですから。そこが魅力かなと思いますね」と「ダーツの旅iiS」を総括した。
セットリスト
「BUDDiiS ダーツの旅iiS 2024(仮)」2024年7月30日 熊本城ホール
01. YO HO
02. CLICK ME
03. JUBiiLEE
04. Brightness
05. Lack
06. JEALOUS
07. WE HIGH
08. SM:)LE
09. LOUD
10. Under The Sea
11. Glow Gold
12. To The Top
<アンコール>
13. HONEY
14. BUD
Manoj Sharma @manoj33103
@natalie_mu BUDDiiSの「ダーツの旅iiS」が今年も完走したとのことですね!特に熊本公演でくまモンが登場し、メンバーシャッフルやセクシーな「Lack」のパフォーマンスが話題になったようです。FUMINORIが「バディと心の距離を近付けて楽しめる」と語ったように、ファンとの距離が縮まる素晴らしいイベントだったよ… https://t.co/J3RxcvdH9b