≒JOYならではの恋愛ソング

──2ndシングルの表題曲「初恋シンデレラ」は≒JOYにとって初めての恋愛ソングですが、最初に曲を聴いたり、歌詞を読んだりしたときにどう感じましたか？

山野愛月　「ラブソングだ！」と驚きました。「初恋シンデレラ」というタイトルがかわいいですし、ピュアで初々しい感じがとても素敵だと思いました。

市原愛弓　≒JOYは今まで応援ソングや、夢や希望を歌う曲が多かったので私も驚きました。

山田杏佳　いつか恋愛の曲を歌うときが来るのかなと思っていましたが、2ndシングルのタイミングだとは予想していなかったので驚きました。（江角）怜音がセンターに立つことで、≒JOYらしさが出ていると思います。かわいさだけではなく、元気な雰囲気やフレッシュな要素も取り入れられています。

藤沢莉子　僕目線のピュアな恋心が描かれていて、歌詞にある言葉がとても指原（莉乃）さんならではだと思いました。

小澤愛実　初めてラブソングを歌う自分たち自身のドキドキした気持ちが、曲の中で描かれている初恋のドキドキする気持ちと重なります。先輩の＝LOVEさんや≠MEさんは恋愛ソングをたくさんリリースされていますが、≒JOYならではの曲の届け方ができたらいいなと、新たな課題をいただいた気持ちです。

──以前から、こういう王道のラブソングを歌ってみたいという気持ちはあったんですか？

山野　ありました！

小澤　「いつか恋愛ソングを歌えるかな？」と、メンバー同士で話していましたが、≒JOYが恋愛ソングを歌っている姿を自分たち自身も想像できていなかったです。

──初めての恋愛ソングに挑戦するにあたり、歌い方など今までと変えた部分はありますか？

山野　曲の雰囲気に合わせて、明るく歌うことを意識しました。

小澤　私は前日にピュアな王道の恋愛アニメを観て気持ちを作り、レコーディングとMV撮影に臨みました。MVはメンバーみんなが怜音に恋をするというストーリーだったので、いつもとは違う感情になるように意識しました。

山田　≒JOYはカッコいい曲が多く、そのような曲では声を低めに出して歌っています。「初恋シンデレラ」はサビでスタートする構成で、少し落ち着いた雰囲気や音から曲が始まるのですが、「初めてなんだ 誰かを好きになるの」というパートから一気に開放される感覚があるので、曲の主人公の心情を表すように明るく、ときめくような気持ちで歌うことを心がけました。

市原　私も笑顔でレコーディングに挑みました。口角を上げて歌うと、歌声が変わってくるんです。私はかわいらしいセリフが得意なタイプではないのですが、レコーディング前に行ったプリプロでは「大好き」というセリフも気合いを入れて言いました。

山田　私、冒頭のサビにあるあゆみん（市原）の「大人になって何があっても一緒にいよう」というパートが大好きです。

藤沢　わかる。すごくいいよね。

山田　完成した音源であのパートを聴き、歌声に感動しました。あのパートは歌うにあたって何かこだわりはあったの？

市原　このパート、すごく難しいんです。静かな雰囲気がありつつも、少し明るい要素も入れて歌うことを意識はしましたが、いまだに難しいなと思います。特に「いよう」の「い」の音が高いので、声の使い方をもっと研究しないと、と思っています。

藤沢　私はレコーディングのときに目を閉じて歌いました。歌詞は覚えていたので、目を閉じて歌うと情景が浮かんで、感情が歌に乗りやすくなるんです。また切なさを表現するために、息を多めに歌うことも意識しました。

──皆さん、曲調や世界観に合わせて歌い方をかなり変えたんですね。例えば「超孤独ライオン」などの激しいロックナンバーとは、レコーディングでのアプローチが真逆になるのかなと。

小澤　今回は歌うときに力まないように気を付けました。レコーディングでは何回も肩の力を抜きましたし、その点でかなり苦戦しました。

ギャップが江角怜音の魅力

──「初恋シンデレラ」のMVでは、センターの江角さんに対する憧れや恋する思いが高まっていくメンバーの姿が描かれています。江角さんはボーイッシュな一面を持っているメンバーですが、一緒に活動している中で実際に江角さんにときめく瞬間はありますか？

小澤　結成当時は怜音に“ときめいている”メンバーが多くなかった？

藤沢　確かに、怜音に「カッコいい」と言っているメンバーは多かったかもしれないです。

小澤　最近は関西人らしい姿で笑わせくれることが多いけど、当時は今のように自然体な姿を見せていなかったよね。

山田　「その先はイグザルト」（2023年9月リリースの≠ME 7thシングル「想わせぶりっこ」のカップリング収録曲）のとき、怜音は今よりもショートヘアで、特にカッコよかったです。当時、私が怜音と一緒に写真を撮っていると、あゆみんに「その写真、全部欲しい」と言われました。

市原　衣装もすごく似合っていました。

山田　今はときめくというより、冗談を言い合うような関係性です。すごく仲が深まっています。「初恋シンデレラ」のMVを撮影しているときも、「怜音に恋できない（笑）」と言っていました。ですがそう言いつつも、撮影中はMVの世界にしっかり入り込んで怜音にときめいていました。

小澤　最近はメンバーと一緒に楽しんでいる場面を見ることが多いですが、決めるときは決めるのが怜音です。ダンスが上手で、私がダンスに苦戦しているととても親身になって教えてくれます。そういう瞬間には、やっぱりカッコいいと思います。

市原　困っているメンバーがいるとすぐに駆け寄ってきてくれるよね。

山田　特に莉子が怜音のことが好きなんです。

藤沢　恥ずかしいです（笑）。

山田　MVの中で見せている表情もすごくよかったです。

市原　演技がすごくよくて驚きました。

藤沢　怜音が学校の先輩という設定で、私がプリントを落としたら、怜音がそれに気付いて拾ってくれるというシーンがあるんです。怜音が役に入り込んでいて、頼りになる学校の先輩になりきっていたので私も演じやすかったですし、実際にときめいてしまいました。

小澤　そのシーンの撮影を見ていた私もときめきました（笑）。

山野　コンサートのレッスンなどで、直前までほかのメンバーと笑いながら話していても、曲が始まると表情が変わりキレキレのダンスを踊るので、そのギャップが怜音の魅力だと思います。

市原　ダンスのときは憑依型といいますか、曲の世界観に入り込むところにみんな魅了されています。

1つひとつの機会を大切にしていきたい

──山田さんがセンターを務めるシングルのカップリング曲「ピーチティーとピーチパイ」についても話を聞かせてください。山田さんのセンター曲はこれが初めてですよね。

山田　はい。スタッフさんからセンターだと告げられたときは驚きました。今もまだ実感が湧いていないのですが、私の気持ちと似ていると感じる歌詞がたくさんあり、本当に素敵な曲をいただけてうれしいです。それと同時にがんばらないといけないなと、緊張しています。

小澤　私もこの曲をメンバーみんなで歌えることがうれしくて、≒JOY全体がピンク色に染まったような、新しい姿をお見せできそうです。

市原　「どっちでも好きでしょ？」「声に出して教えて」「他の子じゃ足りないよ 私だけにして」など、ファンの方に杏佳が言ってそうなフレーズがたくさんあります。歌詞だけではなく、曲調もすごく素敵だと思います。ライブで披露したら、ファンの方と一緒に盛り上がれそうです。

藤沢　ファンの方が合いの手を入れられそうなパートがたくさんあるよね。

山田　また、「メイクパレットの中 ピンクだけ使えばいい」という歌詞を最初に見たときは、私もピンク色を使ってメイクをしているので驚きました。

小澤　指原さんが普段からメンバーのことをよく見てくださっているんだと感じられて、ありがたい気持ちになりました。

藤沢　私は、落ちサビの「浮ついてる君を 離さないんだから」という歌詞が個人的に特に杏佳をイメージさせるような歌詞だと思いました。

山野　確かに！

小澤　「あのね、私 特別なの 早く 捕まえないと！」という歌詞も、印象的です。こう言われたら「はい！」と即答するしかないです。

山田　「私の全て 許して 存在全て 丸ごと」という歌詞も好きです。「ピーチティーとピーチパイ」を歌えば気持ちを全部伝えられるような気がします。

──今回のシングルには、市原さん、大信田美月さん、村山結香さんによる≒JOY初のユニット曲「だだだ、だって。」も収録されます。3人のうち、センターを務めるのは市原さんです。

山田　3人の組み合わせがすごくいいよね。

藤沢　わかる！

市原　かわいい曲ですが、レコーディングでうまく歌えるか不安でした。セリフもがんばって演技をするように、曲の中に入り込む気持ちでレコーディングしました。

山田　この3人の共通点は、メンバーの中でも落ち着いている雰囲気を持っていることだと思います。太陽と月に例えると月のような存在といいますか、静かに包み込んでくれるような優しいイメージがあります。

市原　そんな私たちをイメージして、恋に消極的な女の子を描いた曲なのかなと思います。

山田　「教室端の目立たない君に 私 恋をしているの」という歌詞のように、主人公の密かな恋愛模様が描かれているところが素敵です。

市原　消極的な女の子でありつつも、「今日よりかっこよくならないでね 私だけを見てね」という歌詞など、主人公が心の中で思っている部分も描かれています。

藤沢　この曲の主人公は、自分に自信を持てなくて不安なんだと思います。そこがすごくかわいいです。

小澤　今回のシングルの収録曲は全部ラブソングになっていますが、どれも違うタイプの曲で、いろいろな恋の歌で≒JOYの新しい一面やギャップを楽しんでいただけたらと思っています。初のラブソングに挑戦する、今の≒JOYならではのフレッシュさが表れたシングルになっています。

──≒JOYは今年の夏、多くのフェスやイベントに出演していましたし、積極的に新しい扉を開いていますね。

山野　ライブパフォーマンスの経験をたくさん積ませていただいた夏でした。

小澤　パフォーマンスに対してメンバー同士で話し合うことが多くなってきたので、ライブの面でも成長できていると思います。少しずつ階段を登り、成長することができているのかなと日々実感しています。フェスに出演させていただいたときは、初めて≒JOYのライブを観る方にも好きになっていただけるようにと、ハングリー精神が出てきます。

市原　フェスだと≒JOYのファンではない方もいるのですが、そういう方も虜にできるように、目線を客席にいっぱい送っています。

小澤　音楽番組で≒JOYを観たことがきっかけで私たちのファンになってくださった方もいますし、どこで出会いがあるかわからないので、1つひとつの機会を大切にしていきたいです。