バンドは美しいメロディが印象的な「柘榴」でライブの幕を開けると、「檸檬」「奇妙奇天烈摩訶不思議」と疾走感あふれるロックチューンを続けて観客をヒートアップさせていく。重田雅俊(Dr)と塩崎啓示(B)が繰り出すパワフルなビートに乗せ、細川大介(G)がソリッドなギターリフを弾いたり、真一ジェット(Key)がショルダーキーボードを手にステージ前に進んだりと、アグレッシブなパフォーマンスを見せていく5人。かと思えば、「螺旋」「茜」ではシンプルなサウンドに乗せて切なげな旋律を松川ケイスケ(Vo)がしっとりと聴かせるなど、表情豊かな演奏でライブを進行していった。
昨年末に行ったワンマンライブ「年忘れワンマンライブ2015『みんなが選曲LTS82総選挙』」にてファンのリクエストでセットリストを組む予定だったが、メンバーの体調不良によりライブ内容の変更を余儀なくされてしまった彼ら。この日のライブでは、メンバーがそのリベンジとしてリクエスト2位だった「弥生」、1位だった「鉋」を披露した。「弥生」では彼らの楽曲には珍しく細川がメインのコーラスを担当していることから、演奏前には彼が緊張している様子を見せるも、松川のボーカルに寄り添うコーラスを聴かせる。「鉋」では塩崎の華麗なタッピングで場内を盛り上げた。
終盤のMCで5人は2月3日にテレビアニメ「ドラゴンボール超」のエンディング主題歌「薄紅」をシングルとしてリリースしたことについて語り始める。松川は「いろんなひとから『すごいね』と言われたけど、僕たちはいろんな数字もいろんな現実もわかっていて、手放しには喜べなかった。だけど(ファンの)皆さんが『おめでとう』とか『ラッコっぽい曲』とか言ってくれるのが励みになった」とファンへの感謝の気持ちを述べた。さらに「僕たちは本当にちょっとずつなんです。これだけの人に観てもらえるまでに13年かかってるし。だからみんなも日々の中で疲れることがあったら、僕たちのことを思い出してください。大丈夫、大丈夫。絶対に大丈夫。一緒にがんばろう」と熱くメッセージを送った。
そして松川が「行こうか」とつぶやき、バンドは「薄紅」をプレイ。会場には真一の奏でる流れるような旋律と、松川の柔らかいボーカル、力強いバンドサウンドが広がった。5人はその後「杏子」「林檎」と激しいナンバーで場内を再び盛り上げ、本編を終えた。
アンコールで再びステージに登場したメンバーは1人ずつライブの感想を話していく。塩崎と真一は高校生の頃に別バンドでTSUTAYA O-EAST(当時は東京・ON AIR)にてライブを行ったことを回想。真一は「そのときはただの運だったけど、今日はここに立っているのは“本当”だと思う」と感慨深そうに語った。さらにダブルアンコールでは塩崎が「みんなで行きましょうね、武道館!」と大きな声で宣言する。そしてバンドは場内に大きな“ラッココール”が広がった「ラッコ節」、アップリフティングな「一夜」で大盛り上がりのうちにワンマンライブの幕を下ろした。
なおLACCO TOWERはこの日のステージで6月にニューアルバム(タイトル未定)をリリースすること、5月に福岡、愛知、大阪にて新曲披露ライブ「未来演奏会」を、7月に東京・LIQUIDROOMにてワンマンライブ「独奏演奏会」を実施することをアナウンスしている。
関連する特集・インタビュー
LACCO TOWER「独奏演奏会」
2016年2月11日 TSUTAYA O-EAST セットリスト
01. 柘榴
02. 檸檬
03. 奇妙奇天烈摩訶不思議
04. 葡萄
05. 傷年傷女
06. 螺旋
07. 茜
08. 弥生
09. 鼓動
10. 鉋
11. 非幸福論
12. 苺
13. 奇々怪々
14. 薄紅
15. 杏子
16. 林檎
<アンコール>
17. 藍染
18. 灯源
<ダブルアンコール>
19. ラッコ節
20. 一夜
LACCO TOWER「未来演奏会」
2016年5月14日(土)福岡県 Queblick
2016年5月21日(土)愛知県 APOLLO BASE
2016年5月28日(土)大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE
LACCO TOWER「独奏演奏会」
2016年7月18日(月・祝)東京都 LIQUIDROOM
※塩崎啓示の「崎」は山へんに「立」と書いて「可」の異体字が正式表記。
リンク
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音楽ナタリー @natalie_mu
LACCO TOWER、O-EASTでファンに感謝のリベンジワンマン https://t.co/M4k5yeI6ha https://t.co/dml0vDWziL