映画ナタリー Power Push - 「シン・シティ 復讐の女神」
ロバート・ロドリゲス×フランク・ミラー “アンチヒーロー”な2人が組んだ究極のハードボイルド映画
第3章:住みたくない街No.1、シン・シティの危険な住人たち
シン・シティを“罪の街”たらしめているのは、そこに住むデンジャラスな人々。欲望をたぎらせ、憎悪をむき出しにし、それでも愛を求める者たち。ミラーとロドリゲスがありったけの愛情を注いだ魅力的なキャラクターだ。
キャラクター紹介
FM 私は幼い頃からハードボイルド小説が大好きで、その思いが「シン・シティ」を作らせた。だから、自分なりのハードボイルドの定義にのっとって、男たちはあたかも1930年代の戦士のように描いている。
RR 女たちはもっと現実的で、実は男たちよりタフかもしれないよ。
FM で、男たちはそういう女たちを愛し、彼女たちに対してとても正直に振るまうんだ。
RR オレはマーヴが大好きだ。あの誰にも理解されてないところが(笑)。自分にも重なるし、演じてくれたミッキーにも重なる。でも最初、フランクはミッキーの起用に反対したんだ、な?
FM ああ、彼の映画は「ナインハーフ」しか観てなかったし、あのヤサ男?という印象さ。だから会ってびっくりだよ。彼は外見だけでなく心もしっかりマーヴだった。
RR ドワイトもいい。
FM うん、かわいそうに、いつも深みにはまって身動きできなくなるんだ。そういう“男の性”を体現しているようなヤツで、彼に共感する男は多いんじゃないかな。
RR ある意味、ロマンティックなヤツがドワイトだ。ハーティガンはこのシン・シティの唯一の“グッドコップ”だった。輝く鎧を着けた騎士。本当の守護神さ。ブルースが演じてくれたおかげで、そこにリアリティが生まれたと思うよ。
FM ジョニーは演じたジョセフのエネルギーのおかげで、いろんなセリフを思い付いた。彼はシン・シティに新風を吹き込む新しいタイプのアンチヒーローになれたと思うね。
RR 女たちを語るなら、やっぱりナンシーだ。フランクはナンシーというかジェシカにメロメロでさ(笑)。
FM 彼女がステージに立って踊り出したとき、私は感動して泣いてしまったんだよ。なぜなら、そこに私のナンシーがいたからなんだ。彼女は顔に傷をつけるが、それでも美しかった。そんな女性はジェシカ以外いないだろ?
RR いやあ、フランク、本当にメロメロだな(笑)。
FM OK、私はヘンだって認めるよ(笑)。じゃあエヴァはどうだ。私が原作の中で大好きなのが、ドワイトとエヴァが再会するシーンなんだ。それを2人は見事に演じてくれた。とりわけエヴァのあの目ヂカラ!
RR 警官たちを手玉に取るシーンでもエヴァは目だけで演技をしているんだ。素晴らしいよ。彼女にはクラシカルな魅力があって、1930年代が似合う女優なんだよ。
FM クラシカルな魅力というのは、キャスティングのときの重要な要素だ。私たちが選んだのは、昔のハリウッドスターのような魅力を持つ役者ばかりなんだから!
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- 「シン・シティ 復讐の女神」
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フランク・ミラーのグラフィックノベルを、ロバート・ロドリゲスとミラーの共同監督で実写化した「シン・シティ」の続編。原作で人気の高いエピソード2話と、新たに書き下ろした2話で構成される復讐劇を疾走感あふれるアクションと共に描く。前作と同じく全編グリーンスクリーンで撮影され、光と影を印象的に使った映像を生み出している。
シン・シティのストリップバーで働くナンシーは、自分をかばって命を落とした刑事ハーティガンへの思いを断ち切れずにいた。その元凶ともいえる男が、街の権力者ロアーク。ナンシーはロアークが店を訪れるたびに復讐の機会をうかがっていたが……。
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監督・撮影・編集:ロバート・ロドリゲス
監督・原作・脚本:フランク・ミラー
出演:ミッキー・ローク、ジェシカ・アルバ、ジョシュ・ブローリン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、エヴァ・グリーン、ロザリオ・ドーソン、ブルース・ウィリス、レディー・ガガ、クリストファー・ロイドほか
- Blu-ray / DVD「シン・シティ 復讐の女神」2015年7月2日発売 / ハピネット
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特典映像
- グリーンスクリーン本編ハイスピード映像 / キャラクタープロフィール / グレッグ・ニコテロの特殊メイク効果解説 / ジェフ・ダッシュノーのスタント解説 / コミコン(SDCC)2014 パネルディスカッション