映画ナタリー Power Push - 「シン・シティ 復讐の女神」

ロバート・ロドリゲス×フランク・ミラー “アンチヒーロー”な2人が組んだ究極のハードボイルド映画

第3章:住みたくない街No.1、シン・シティの危険な住人たち

シン・シティを“罪の街”たらしめているのは、そこに住むデンジャラスな人々。欲望をたぎらせ、憎悪をむき出しにし、それでも愛を求める者たち。ミラーとロドリゲスがありったけの愛情を注いだ魅力的なキャラクターだ。

キャラクター紹介
マーヴ(ミッキー・ローク)
マーヴ(ミッキー・ローク)

場末のバー“ケイディ”に通う怪力男。超人ハルクを思わせるような強面の巨体だが、その心は正義感にあふれ、シン・シティにはびこる悪者退治に精を出している。

ナンシー(ジェシカ・アルバ)
ナンシー(ジェシカ・アルバ)

バー“ケイディ”で働く酒浸りのストリッパー。自分をかばって死んだ刑事ハーティガンの復讐をすべく、街の権力者ロアークの命を密かに狙うが、実行できずにいる。

ドワイト(ジョシュ・ブローリン)
ドワイト(ジョシュ・ブローリン)

娼婦街に顔の利く私立探偵。過去に自分を裏切り大富豪のもとへと去ってしまった女性エヴァから呼び出され相談を受けるが、次第に彼女の策略にはまっていく。

ジョニー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)
ジョニー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)

ある目的を抱いてシン・シティにやってきた流れ者のギャンブラー。バーで出会った幸運の女神マーシーと共に、街を支配する男ロアークにポーカー対決を挑む。

エヴァ(エヴァ・グリーン)
エヴァ(エヴァ・グリーン)

あらゆる男たちを魅了する魔性の女。大富豪の夫と暮らしつつも金と権力への執着はとどまらず、ドワイトを利用してシン・シティでのし上がろうとする。

ハーティガン(ブルース・ウィリス)
ハーティガン(ブルース・ウィリス)

かつて幼女連続殺人魔であるロアークの息子からナンシーを救った勇敢な刑事。濡れ衣を着せられ8年間投獄された揚げ句、ナンシーを守るため命を落としてしまう。

FM 私は幼い頃からハードボイルド小説が大好きで、その思いが「シン・シティ」を作らせた。だから、自分なりのハードボイルドの定義にのっとって、男たちはあたかも1930年代の戦士のように描いている。

RR 女たちはもっと現実的で、実は男たちよりタフかもしれないよ。

FM で、男たちはそういう女たちを愛し、彼女たちに対してとても正直に振るまうんだ。

特殊メイクを施して怪力男マーヴを演じたミッキー・ローク。

RR オレはマーヴが大好きだ。あの誰にも理解されてないところが(笑)。自分にも重なるし、演じてくれたミッキーにも重なる。でも最初、フランクはミッキーの起用に反対したんだ、な?

FM ああ、彼の映画は「ナインハーフ」しか観てなかったし、あのヤサ男?という印象さ。だから会ってびっくりだよ。彼は外見だけでなく心もしっかりマーヴだった。

ドワイト(ジョシュ・ブローリン)はかつて裏切られた女性エヴァ(エヴァ・グリーン)と再会し、再び恋に溺れる。

RR ドワイトもいい。

FM うん、かわいそうに、いつも深みにはまって身動きできなくなるんだ。そういう“男の性”を体現しているようなヤツで、彼に共感する男は多いんじゃないかな。

RR ある意味、ロマンティックなヤツがドワイトだ。ハーティガンはこのシン・シティの唯一の“グッドコップ”だった。輝く鎧を着けた騎士。本当の守護神さ。ブルースが演じてくれたおかげで、そこにリアリティが生まれたと思うよ。

FM ジョニーは演じたジョセフのエネルギーのおかげで、いろんなセリフを思い付いた。彼はシン・シティに新風を吹き込む新しいタイプのアンチヒーローになれたと思うね。

RR 女たちを語るなら、やっぱりナンシーだ。フランクはナンシーというかジェシカにメロメロでさ(笑)。

ストリッパーのナンシーに扮したジェシカ・アルバは劇中で妖艶なダンスを披露している。

FM 彼女がステージに立って踊り出したとき、私は感動して泣いてしまったんだよ。なぜなら、そこに私のナンシーがいたからなんだ。彼女は顔に傷をつけるが、それでも美しかった。そんな女性はジェシカ以外いないだろ?

RR いやあ、フランク、本当にメロメロだな(笑)。

FM OK、私はヘンだって認めるよ(笑)。じゃあエヴァはどうだ。私が原作の中で大好きなのが、ドワイトとエヴァが再会するシーンなんだ。それを2人は見事に演じてくれた。とりわけエヴァのあの目ヂカラ!

真っ青なコートが印象的なエヴァ(エヴァ・グリーン)。

RR 警官たちを手玉に取るシーンでもエヴァは目だけで演技をしているんだ。素晴らしいよ。彼女にはクラシカルな魅力があって、1930年代が似合う女優なんだよ。

FM クラシカルな魅力というのは、キャスティングのときの重要な要素だ。私たちが選んだのは、昔のハリウッドスターのような魅力を持つ役者ばかりなんだから!

「シン・シティ 復讐の女神」
「シン・シティ 復讐の女神」

フランク・ミラーのグラフィックノベルを、ロバート・ロドリゲスとミラーの共同監督で実写化した「シン・シティ」の続編。原作で人気の高いエピソード2話と、新たに書き下ろした2話で構成される復讐劇を疾走感あふれるアクションと共に描く。前作と同じく全編グリーンスクリーンで撮影され、光と影を印象的に使った映像を生み出している。

シン・シティのストリップバーで働くナンシーは、自分をかばって命を落とした刑事ハーティガンへの思いを断ち切れずにいた。その元凶ともいえる男が、街の権力者ロアーク。ナンシーはロアークが店を訪れるたびに復讐の機会をうかがっていたが……。

監督・撮影・編集:ロバート・ロドリゲス

監督・原作・脚本:フランク・ミラー

出演:ミッキー・ローク、ジェシカ・アルバ、ジョシュ・ブローリン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、エヴァ・グリーン、ロザリオ・ドーソン、ブルース・ウィリス、レディー・ガガ、クリストファー・ロイドほか

Blu-ray / DVD「シン・シティ 復讐の女神」2015年7月2日発売 / ハピネット
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コレクターズ・エディション[Blu-ray Disc] 5184円 / BIXF-0168
コレクターズ・エディション[DVD] 4212円 / BIBF-2805
初回限定特典
  • アウタースリーブケース / ブックレット(12P)
特典映像
  • グリーンスクリーン本編ハイスピード映像 / キャラクタープロフィール / グレッグ・ニコテロの特殊メイク効果解説 / ジェフ・ダッシュノーのスタント解説 / コミコン(SDCC)2014 パネルディスカッション