ウマ娘みんなに素敵なドラマがある!劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」藤本侑里×上坂すみれ×小倉唯×福嶋晴菜インタビュー (2/2)

ポッケとタキオンが叫び合いながら共鳴するシーンは大変でした(上坂)

──レースシーンではとにかく声を張り続けていますよね。特にジャングルポケットは最初から最後まで声を張りっぱなしですが、喉や体力は問題ありませんでしたか?

藤本 いや、全然問題アリでした(笑)。もうめっちゃ大変でした。アフレコが終わって数日は喉が元に戻りませんでしたね。上坂さんも収録では声を張り続けていましたよね?

上坂 大変でした。特にポッケとタキオン(アグネスタキオン)が2人で叫び合いながら共鳴していくシーンがあって、そこは久しぶりに喉を消耗しちゃいましたね。お医者さんにかかりながらも「これは名誉の負傷だ」と、熱い気持ちになりました(笑)。

左から福嶋晴菜、藤本侑里、上坂すみれ、小倉唯。

左から福嶋晴菜、藤本侑里、上坂すみれ、小倉唯。

藤本 本当にレースシーンはみんなでスポーツをやっているみたいでした。あと小倉さんの咳をする芝居もかなりハードでしたよね。見ていて心配になっちゃうくらいでした。

小倉 咳をする芝居をこんなに研究したのは初めてでしたし、咳の芝居をすることで、喉に負担がかかってしまうんだ、ということも初めて実感しましたね。でもカフェを演じていて一番難しかったのは、みんなのテンションに引っ張られないようにすることだったのかなと思います。彼女には彼女なりのテンションやペースがあるんですが、ポッケたちの熱量に当てられてついついヒートアップしたくなってしまうんです。その気持ちを抑えて、いかにカフェらしさに集中できるかが難しかったです。

劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」より、マンハッタンカフェ。

劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」より、マンハッタンカフェ。

福嶋 ダンツも普段はおっとりしているんですけど、レースでは「勝ちたい」っていう気持ちが高まって、かなり熱くなるんです。自分ではここまでやるとダンツっぽくないかなと思っていたんですけど、「ここはガッツリやっていい」というディレクションがあったので、ポッケとのレースは燃えに燃えたダンツを出し切りました。

藤本 ダンツとのシーンでは、私も福嶋さんも熱くなりすぎちゃって「強い声を出すだけがすべてじゃないよ」って言われたりもしました(笑)。なので、本番では少し冷静にもなりつつ、でも一生懸命に収録に挑みました。

福嶋 2人で直接掛け合えたからこそのシーンになったかなと思います!

劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」より、ダンツフレーム。

劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」より、ダンツフレーム。

藤本 それで言うと、タキオンとカフェも直接の掛け合いが多いですよね。

小倉 ポッケたちとは違って、少し意味深なセリフが多いんですよね。すべてに含みがある感じというか、ストレートな言い合いは少なかった気がします。

上坂 タキオンは特にそうかも。カフェは基本優しいですよね。

小倉 カフェは否定も肯定もせず、すべてを受け止めながらでの雰囲気でしたね。

上坂 私は個人的に、カフェが「変な人」ってつぶやくシーンがすごく好きなんです!

小倉 あっ、それ私も好き! あのシーンって、カフェの耳がペタっと動くんですよね。耳の動きも感情表現の一部なんだと思って感動しました。

左から上坂すみれ、小倉唯。

左から上坂すみれ、小倉唯。

みんなそれぞれに素敵なドラマがある(藤本)

──作画や音響のよさも映画の醍醐味だと思います。それぞれ見どころや印象的なシーンを教えてください。

福嶋 見どころは、なんと言ってもレースシーンの迫力じゃないでしょうか。映画館で観ると本当にウマ娘たちが目の前を通り過ぎて行くような感覚が味わえますし、蹄鉄の音もすごくて「今、席揺れた?」って思っちゃうほど臨場感があって。そこは映画館ならではの魅力じゃないかなと思います。

藤本 レースはもちろん、その裏側ではトレーナーさんとウマ娘たちの関係性だったり、ウマ娘同士の熱い絆もたっぷりと描かれていて、みんなそれぞれに素敵なドラマがあるんですよ。なので、ぜひストーリーにも注目していただきたいです。

上坂 ゲームをプレイしている方にとってはおなじみの夏合宿のシーンも描かれているんですけど、ゲームとはまた違った雰囲気があって、それが印象的でした。ゲームだと超楽しいイベントなんですけど、今回は心がザワザワする感じもあるので、ぜひ注目してください!

小倉 あとはもちろん、最後に待っているお約束の展開ですよね。詳しくは言えないんですが、皆さんの期待にしっかりと応える内容になっていますので、そこもめちゃめちゃ見どころだと思います。

劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」場面カット

劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」場面カット

劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」場面カット

劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」場面カット

次に皆さんの前で歌うのが今から待ち遠しい(福嶋)

──劇場版の主題歌「Ready!! Steady!! Derby!!」は4人で歌われています。楽曲にはどんな印象をお持ちになりましたか?

藤本 初めて歌詞を読んだときは「勝利の雄叫びよ 轟け!」とか、ポッケらしい熱いワードがこれでもかと並んでいたので、これをこの4人で歌うのはちょっと意外だなと思いました。

上坂 わかります! 私もこの4人でこんなに明るい曲が歌えるのかなって(笑)。

藤本 ですよね! ただ、歌詞を読んでいくと「科学を超えて」とか「オカルトを超えて」など、みんなのキャラクター性もしっかりと盛り込まれていて、ちゃんと4人の曲なんだなと思ってとても大好きな曲になりました。

上坂 個性派ぞろいの4人なんですけど、それをすごくさわやかにまとめてくれる曲になっていて素晴らしいと思います。これからも長く歌い継いでいきたい名曲の1つになったのではないでしょうか。

小倉 ライブ映えもバッチリな曲なんですよね! 先日、大阪公演(ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND NEW GATE -DAY2-)で初披露したばかりなんですが、トレーナー(※「ウマ娘」ファンの呼称)さんたちもすぐに掛け声をマスターしてくださって、すごく盛り上がりました。

福嶋 本当にすごかったですね。イヤモニをしていても、それを超える大声援とコールが聞こえてきてめっちゃうれしかったです。私も、次に皆さんの前で歌うのが今から待ち遠しいです。

藤本侑里

藤本侑里

福嶋晴菜

福嶋晴菜

最強の喉を手に入れてやるぜ!(藤本)

──コアなファンはもちろんですが、「ウマ娘 プリティーダービー」に詳しくない人でも楽しめる映画になっていると思います。どんな人に観てもらいたいですか?

福嶋 予告映像などを観ていただいてもわかる通り、「スポ根モノ」といっても過言ではないくらいに熱いドラマとバチバチなバトルが展開されるので、きっと観る人の心も一気に燃え上がると思います。特に主人公のポッケは、壁にぶつかって落ち込むこともあるけれど、ついつい応援したくなるキャラクターだと思うのでぜひ感情移入しながら観てください。

小倉 レースシーンの作画や演出も含めて、「ここまでできるのか!」と驚くくらいにスピード感と迫力を追求していて、まさに日本のアニメーションの圧倒的なパワーを感じられるようなものになっていると思います。国内だけにとどまらず、世界に通用するような作品に仕上がっていますので、ぜひとも全人類に観ていただきたいです(笑)。

上坂 「ウマ娘とはなんぞや?」っていうところは冒頭で説明されるので、前知識がなくても楽しめるんですよ。「CMでよく見るけどなんだろう」って思っている人から、ゲームはやらないけどアニメは好きっていう人、バトル、友情、青春、成長物語が好きな人まで幅広い方に楽しんでいただけると思います。もちろん、シンプルにかわいい女の子が好きっていう人でもいいですし、今年の覇権アニメが観たいっていう人にもチェックしてほしいです。

劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」より、ジャングルポケット。

劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」より、ジャングルポケット。

藤本 そうですね。走ることに青春を捧げたウマ娘たちが、熱い気持ちを全面に出して、勝利をつかむために必死にがんばる。そんな彼女たちの姿を見ただけで泣けちゃうと思います。私は、まだ「ウマ娘」を知らなかった頃に「GIRLS' LEGEND U」を聴いて、「勝ちたい 勝ちたい 勝ちたい キミと勝ちたい」のところで大泣きしたことがあって(笑)。まさにそんな感覚が味わえる作品なのかなと思います。もちろん熱いだけじゃなく、挫折や友情、夢といった群像劇もしっかりと描かれているので、隅々まで味わい尽くしていただきたいなと思います。

──ありがとうございました。ちなみに藤本さんは本作を契機に、勝ち気でイケイケなキャラクターが増えそうですね。

上坂 そうなったら喉が大変だ。

藤本 大丈夫です。喉は使うほどに強くなるらしいので、むしろ望むところです!

福嶋 あ、今のすごくポッケっぽかった(笑)。

小倉 本当だ!(笑)

藤本 (笑)。最強の喉を手に入れてやるぜ!

左から福嶋晴菜、藤本侑里、上坂すみれ、小倉唯。

左から福嶋晴菜、藤本侑里、上坂すみれ、小倉唯。

プロフィール

藤本侑里(フジモトユリ)

9月11日生まれ、千葉県出身。2019年にテレビアニメ「RobiHachi」で声優デビューし、以降「プラチナエンド」やゲーム「剣と魔法と学園クエスト。」などに参加する。2023年にはゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」のジャングルポケット役で人気を博す。2024年5月24日公開の劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」では同役で主演を務めた。

上坂すみれ(ウエサカスミレ)

12月19日生まれ、神奈川県出身。2011年に声優デビューを果たす。主な出演作は「スター☆トゥインクルプリキュア」(ユニ / キュアコスモ役)、「アイドルマスター シンデレラガールズ」(アナスタシア役)、「ウマ娘 プリティーダービー」(アグネスタキオン役)など。2013年4月にはシングル「七つの海よりキミの海」でアーティストデビュー。ソ連・ロシア、昭和歌謡、メタルロック、戦車、ロリータなど、多方面に興味を示し知識を持つことでも知られる。

小倉唯(オグラユイ)

8月15日生まれ、群馬県出身。2009年に14歳で声優デビュー。主な出演作は「HUGっと!プリキュア」(輝木ほまれ / キュアエトワール役)、「ゴブリンスレイヤー」(女神官役)、「ウマ娘 プリティーダービー」(マンハッタンカフェ役)、「ポケットモンスター」(マリィ役)、「崩壊:スターレイル」(三月なのか役)、「ワンルーム、日当たり普通、天使つき。」(リリーシュカ役)など。2022年にソロアーティストデビュー10周年を迎え、2024年4月24日にニューシングル「君色のキセキ」をリリースした。

福嶋晴菜(フクシマハルナ)

4月22日生まれ、大阪府出身。主な出演作はキャラクターバンドコンテンツ「ひなビタ♪」(菫平すみれ役)、舞台「『ウマ娘 プリティーダービー』~Sprinters' Story~」、ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」(ダンツフレーム役)、「神之塔:NEW WORLD」(真田ユラ役)、映画「グリッドマン ユニバース」など。

2024年5月28日更新