デジナタ連載 「息をひそめて」萩原利久インタビュー|蛍光灯の色も現場そのままに!4K有機ELビエラで味わう多摩川沿いに暮らす人々のささやかな日常

「悩みなさそう」と言われることが多いですが、普通にあります

──「息をひそめて」は全話ご覧になっていますか?

観ました!

──8話通しての感想を教えてください。

Huluオリジナル「息をひそめて」より「帰りたい場所が、ずっとなかった」。

出演のお話をいただいたときにも感じたんですが、こういう世の中にならなかったら生まれなかった作品だという点がいいなと思いました。すべての人がリアルタイムで経験している世界が舞台になっているので、嫌でも共感してしまうのではないかなと。最近、新型コロナが存在しない世界の映画を観ていると、ファンタジーに思えてしまうことがあるんです。全然違う世界の物語を観ているようで入り込めなかったときもあったんですが、「息をひそめて」の登場人物はマスクをしていたり人と距離を取ったりしていて、これが現実だよなあと感じました。

──第2話「帰りたい場所が、ずっとなかった」には、寮生活を送る大学生・八村陽平役で出演されています。陽気なキャラクターに思えますが、明るく振る舞っているようにも感じました。

そうですね。中川(龍太郎)監督もおっしゃっていたんですが、根明ではないと思います。作中では描かれていないですが、たぶん1人のときは落ち込んでいるんだろうなって。だからこそ人といるときは明るく振る舞って、自分を大きく見せているのかもしれないです。僕も自分で自分を演じる瞬間がたまにありますし、とても遠い人物には思えなかったですね。

──今日現場に入られてからも周りのスタッフと明るく話をしていましたが、演じていたんでしょうか?

いや、今日は素です!(笑)「悩みなさそう」と言われることが多くて、確かにそういうふうに振る舞っているところはあるかもしれませんが、普通に悩みはあります、みたいな話です。陽平も悩んでいるところを人に見られたくないタイプですし、特に距離の近い人にはそういう面を隠そうとするのかなと。「コロナなんて関係ねーぜ!」という人ではないです。

──初共演の石井杏奈さんとは同い歳ですね。

そうなんです。同い歳って不思議な打ち解けがありません? 一緒の寮にいる役で初めましての感覚を引きずってお芝居をするわけにもいかないので、同い歳という共通点があってよかったです。

──空き時間はどんなお話を?

芸能界の友達の話をしましたね。共通の友人として話に挙がったのは、まっけん(新田真剣佑)と草野大成くん。石井さんはドラマ「仰げば尊し」で2人と共演していて。ただその話をしたのが最終日だったんです。そういえばと急に思い出して……もっと早く話せばよかったなとは思いました。

──2話以外でお気に入りのエピソードはありますか?

Huluオリジナル「息をひそめて」より「この町のことが好きじゃなかった」。

(蒔田)彩珠と光石研さんの4話がすごく好きでした。彩珠演じる女の子が自転車でフードデリバリーのバイトをしているのは、現実世界とリンクしていて。そこも世の中に寄り添っていると思いましたし、時代が変わっていく中でその変化した部分にスポットを当てると、作品として新しいものを観ている感覚になるんだなと感じました。日常を描く作品では特に大事な要素だなと。彩珠とは「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」で共演していて、たびたび作品を観ていたので今回も楽しかったです。

宝と話していると「自分は1人じゃないな」って

──中川監督との撮影はいかがでしたか?

コミュニケーションに積極的で、すごくフレンドリーな方でした。親戚のお兄ちゃんのような雰囲気で現場にいらっしゃるので、空気もピリつかないんです。周りの人に対して愛があると言うか、現場ではつながっている感覚をたびたび感じました。

──「息をひそめて」ではコロナ禍における人と人との温かな交流が描かれていますが、それを体現するような方なんですね。

萩原利久

そうですね。2話では寮が舞台になっていますが、ある日現場に入ったら監督が「僕、前日寮に泊まったんだよね! 寮の子たちと仲良くなってさ」と言っていて。「おはようございます」の次にそういう話が出てくる方でした。監督が明るいと現場も明るくなりますし、ポジティブさが伝染して自分もポジティブでいられた気がします。先ほど自分で自分を演じることがあるという話をしましたが、もしかしたら監督もポジティブでいることが現場にいい影響をもたらすことを知っていて、明るく振る舞っていたのかもしれませんが。

──萩原さん演じる陽平にとって石井さん演じる七海は心のよりどころになっています。萩原さん自身にもそういう存在はいますか?

仕事の話を一番よくするのは佐久本宝くんです。「3年A組―今から皆さんは、人質です―」で共演して以来、何かあるたびに連絡しているし、向こうも連絡をくれるという関係が続いています。これは偏見かもしれませんが、宝ってThe沖縄人なんですよ。同い歳とは思えないくらい肝が据わっていて、どんなことを相談しても「大丈夫だよ」と言ってくれます。掛けてくれる言葉にぶれがないと言いますか、心からそう思って言ってくれてるんだろうなということがひしひしと伝わってくる。僕は1人で考えがちなタイプなんですが、宝と話していると「自分は1人じゃないな」って。いつも救われています。

Panasonic「4K有機ELビエラ」

Panasonic「4K有機ELビエラ HZ2000」

4K有機ELビエラに採用される有機ELパネルは、プラズマテレビと同じく「自発光方式」。1画素単位で輝度を制御し、映像本来の「黒」を再現。これにより実現した液晶パネルを大きく上回るコントラスト表現によって、まるで目の前に広がる光景のように映像を楽しむことが可能に。最新の4K有機ELビエラは、プラズマテレビで培った自発光のパネル制御技術を応用した有機ELビエラ独自のパネル制御技術「Dot Contrastパネルコントローラー」を採用しており、4K映像を最大限に味わうことができる。また、テレビ上部に上向きに搭載された「イネーブルド スピーカー」が天井から音が降りそそぐ立体音響を実現し、映画館のような臨場感ある音を再現。

※取材時に使用したテレビはHZ2000シリーズ(生産終了品)です。