篠原知宏による原作マンガを「うちの執事が言うことには」の久万真路が実写ドラマ化した「鈍色の箱の中で」の放送が2月8日にスタート。久保田紗友、萩原利久、神尾楓珠、岡本夏美、望月歩の同世代キャストを幼なじみ役として迎え、筧美和子が彼らの関係を大きく変える“(萩原演じる)基秋の初恋の女性”役で出演する。本作は“鈍色の箱”である分譲マンションを舞台に、幼なじみの高校生たちの切なくも危険な初恋の行方を描く偏愛ラブストーリーだ。
映画ナタリーでは久保田、萩原、神尾に取材を実施。「今までこんな量のキスシーンはなかった」と萩原が漏らした撮影裏や、今を時めく3人の光る個性や魅力についてそれぞれ語ってもらった。そしてキスシーンの撮影で起こった笑えるエピソードも披露。
取材・文 / 田尻和花 撮影 / 須田卓馬
「基秋の鈍さとお前の鈍さは似てる」と言われた(萩原)
──では、最初に原作マンガや脚本を読まれたときの感想を教えていただけますか?
久保田紗友 感情の振れ幅が大きく難しい役だなと感じました。アキちゃん(基秋)に対してすごく一生懸命でまっすぐな思いがある役だったので、時には周りが見えなくなったり傷付いたりもしますが、そういう部分を救ってあげたくなるような女の子でしたね。
萩原利久 僕の場合、原作の基秋に対しては感情がないんじゃないかってくらい、反応が薄いイメージが強かったです。台本をいただく前はどう表現しようかと思いましたね。役がつかめないというか、わからない。正直、基秋と自分の共通点は本当にないんじゃないかというくらいで。でもさっき楓珠と取材で話していたら、「基秋の鈍さとお前の鈍さは似てる」って言われました(笑)。
神尾楓珠 違和感なかったもん(笑)。
萩原 でも、なかなか自分で「俺も基秋も鈍いし、そこが共通点だな」って考えつかない(笑)。
神尾 利久は前から「基秋が難しい」とか「あんまりシンクロしない」って言ってたんですよ。でも、いやいや全然まんまじゃない?って。
萩原 あはは!
神尾 僕の演じた利津は周りを引っかき回したりしますけど、根本には親との確執を抱えています。感情はいろいろと複雑なのですが、彼はそれをわかりやすく表に出す。僕自身はなかなかそういうことがないので楽しくて。原作を読んで利津を演じたいと思ったのでよかったです。
──原作は数多くのキスシーンが印象的な作品ですよね。そのドラマ化ということでプレッシャーもあったのでしょうか。
久保田 もちろんありました! こんなにたくさんキスシーンがあって……どういう見られ方をするんだろうなって。
萩原 確かにキスが多いというのは挑戦ではありました。今までこんな量のキスシーンはなかったですし、作風もこれまで出演してきたものとは違いましたから。でも新しいものに挑戦するという感覚で、プレッシャーとも違う、前向きで楽しみな気持ちでした。
神尾 僕はキスシーンに対するプレッシャーはなかったですが、原作に対するプレッシャーはありましたね。
久保田・萩原 うんうん。
神尾 利津は……あんな美少年いないじゃないですか。無理ですから!(笑)
久保田・萩原 (笑)
神尾 利津のファンも多いと思いますしね。ドラマ化が解禁されたときにSNSで「利津の役を誰がやるかで観るか観ないか決める」という感じのコメントとかもあったので……。
萩原 それはプレッシャーだね。
──なるほど。ちなみに今回のドラマはキスシーンが多いことに加えて、TwitterやInstagramといったSNSでストーリーのヒントとなる動画が投稿されるなど挑戦的ですよね。キャスト解禁前にも、キスシーンの動画がお三方のアカウントで投稿されていました。
萩原 皆さんの反応が楽しみでした! 何も言わずに動画を上げるなんて、なかなかないですよね。
神尾 ざわついてくれるといいなって。投稿に付いたリプライやコメントを読んで、しめしめ……って思いました(笑)。
萩原 あの投稿で反応なかったらそれはそれでショックなので!(笑)
久保田 今の時代は携帯電話を見る時間が長いので、いろんな角度からドラマを楽しめるっていうのは面白い企画だなと思いました。自分も視聴者として観るんだったらこのシーンはどういう流れでこうなってるんだろうと気になるでしょうし。
萩原 こういう新しい試みに参加できるのはうれしいよね。この作品がどんなふうに世の中に届けられていくのかも未知数なので、反応が気になります。
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監督もリミッター外れちゃってるんですよ!(神尾)
2020年3月11日更新