全米映画ランキング初登場NO.1を記録したサスペンスアクション「ザ・コンサルタント」が1月21日に全国公開される。バットマン役でおなじみの主演ベン・アフレックが挑んだ新たなヒーローは、田舎町で会計コンサルタントとして働く無口な男クリスチャン・ウルフだ。しかし、彼は国際的な指名手配犯たちを顧客に巨額を稼ぐという裏の顔を持ち、同時に無敵の暗殺術を体得した殺し屋でもあるのだった……。
映画ナタリーでは、会計コンサルタントと殺し屋、2つの顔を持つ謎の男ウルフを解剖。また、サスペンスとアクションという映画を貫く2つの軸に注目し、本作の魅力を紐解く。さらに、マンガ「デトロイト・メタル・シティ」で知られる若杉公徳が登場。 自身の作品と絡めたエピソードや映画の魅力について語ってもらった。
文 / 小澤康平
天才的な頭脳と無類の暗殺スキルをあわせ持ったクリスチャン・ウルフ。会計コンサルタント、殺し屋という2つの側面からウルフの人物像を解き明かすとともに、彼の持つ比類なき能力に迫る。
数学の天才
ウルフは天才的な頭脳の持ち主であり、特に数学に関しては規格外の能力を有している。大手電子機器メーカー15年分の帳簿を、部屋の壁や窓に何千もの数字を書き記しながらたった1日で調べ上げてしまう。仕事には自分1人で取り組む主義で、他人とのコミュニケーションを苦手としている。
凄腕のスナイパー
ウルフは1500m先の標的を的確に撃ち抜く練達のスナイパーだ。劇中には、彼が顧客である老夫婦の家の庭で狙撃を行うシーンが登場。はるか遠く離れたターゲットを狙う姿を見て、老夫は失笑するのだが、ウルフは標的のすべてを正確に撃ち抜く。そしてその手腕は、殺し屋として仕事を実行するとき最大限に発揮されるのである。
類まれな知能、あまりにも危険な顧客たち、傑出した殺しの腕前を持つクリスチャン・ウルフの目的とはなんなのか。なぜ彼はこのようなスキルを有しているのだろう? そして、国に追われてまで危険な仕事に手を出す理由とはいったい……?
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2017年1月20日更新